育休を取得したものの、育休明けからの会社側の対応について不安を抱えているワーママは少なくありません。職場復帰の際に降格や減給を言い渡された場合、どこまでが正当な対応でどこからが違法になるのでしょうか。この記事では、育休明けの待遇について違法に当たるケースや対処方法について説明するほか、時短勤務制度を使った場合に起こる給与の変化についても解説します。
もくじ
まず、育児・介護休業法において「妊娠・出産・育児休業を取得したことなどを理由として、会社が労働者に対して不利益な取扱いをする」ことは禁止されているということを覚えておきましょう。この不利益取扱いには、解雇や給与の減額、等級の引き下げなどが含まれています。つまり、産休・育休の取得を理由として会社がこのような取扱いをすることは法律的に認められていません。
育児休業の取得を理由とした場合はもちろんですが、他にも妊娠や出産又はそれらに起因する症状により労働能率が低下したことが理由、という場合も認められていません。
たとえば、育休の終了が近づいたタイミングで会社から「育休から復帰してすぐは、以前のような責任のある仕事はできないでしょう。それに伴い給料は減額になります。」と告げられたとします。育休復帰後に責任のある仕事はできないということはあくまで推測です。よって、「育児休業を取得したことを理由とする不利益取扱い」にあたるので違法といえるでしょう。
妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いとは具体的に下記のような場合が含まれます。もし妊娠・出産等を理由に下記のような扱いを受けた場合、違法にあたる可能性がありますので注意しましょう。
>>参考:厚生労働省:妊娠・出産・育児休業等を理由とする不利益取扱い
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3歳未満の子供を養育している労働者が希望した際に利用できる制度です。時短勤務制度を利用すると、所定労働時間を短縮することが可能です。所定労働時間は原則1日6時間とし、短時間正社員として働くことが可能になります。制度を利用するための条件もあるため、事前に確認すると良いでしょう。
基本給は労働時間の比例で考えるのが原則です。時短勤務になってからも育休前と仕事内容や責任の程度が変わらなければ、時間当たりの金額は変わらず、労働時間に比例して算出します。フルタイム勤務時に、1日の実労働時間が8時間であった人が時短勤務により実労働時間が1日6時間になった場合、基本給においては単純に25%減額となるケースが多いです。ただしボーナスやみなし残業代、各種手当などは会社ごとのルールで支給されるため、基本給以外で減収となる場合もあります。 不安な場合は、自身の職場に確認してみましょう。
【計算式】
基本給×月の合計実労働時間÷月の合計所定労働時間
【例】月の基本給が30万円で8時間→6時間への短時間勤務に切り替えた場合
30万円×(6時間×21日)÷(8時間×21日)=22.5万円
時短勤務制度を設けるのは会社としての義務ですが、時短勤務により短縮された分の給与を支払う義務はありません。労働時間比例なので、時短勤務により勤務時間がフルタイム正社員の7割になるとすると、基本給はフルタイム正社員の基本給の7割まで下がることになります。そのため、時短勤務による給与の減額は不利益取扱いには該当しません。
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まずは会社と話し合いの場を持ちましょう。育休明けに職場に戻ったタイミングで仕事内容が変わってしまい、給料が少なくなったとしても、会社側は労働者にとって働きやすい環境にするための配慮としている場合があります。労働者がそのような変更を必要としないのであれば、育休前のように働けることを会社側に説明することが大切です。
労働組合は労働者によって作られた団体で、賃金や労働時間をはじめとする労働条件の改善を図ります。人事労務や上司のほかに、労働組合に相談するのもいいでしょう。
会社内に相談できる相手がいないときには、都道府県労働局などの外部機関にも相談することも方法の一つです。都道府県労働局雇用環境・均等部(室)は、全国47都道府県に設置されており、働きやすい雇用環境を実現する役割を担う機関です。
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この記事で解説した通り、育休明けに会社側から一方的な解雇や給与の減額、降格などをされることは違法にあたります。泣き寝入りせずに、会社の人事労務や労働組合に相談しましょう。社内に相談相手がいない場合は都道府県労働局雇用均等室に問い合わせ、不利益取扱いに当たるのかどうか確認するのもおすすめです。充分な話し合いをし、お互いが納得できる形で働くことができるといいですね。
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