日々仕事に子育てにと忙しいワーキングマザーは、ふとした瞬間に「今が仕事の辞めどきかも」と感じることがあるでしょう。いつかゆっくり毎日を過ごしてみたいと考えている場合、ストレスや疲労が溜まって退職が頭をよぎることは珍しくありません。
今回は、ワーキングマザーの辞めどきについて解説します。仕事を辞めたいと思ったときに考えたいことにも触れるので、辞める・辞めないに関わらず、後悔する選択にならないよう対策していきましょう。
もくじ
早速、ワーキングマザーが「仕事の辞めどきかも」と感じる瞬間について解説します。以下に心当たりのある方は、両立に何かしらの課題を抱えているかもしれません。
子育てと仕事の両立ができないと感じたときは、比較的選択肢の多い仕事の方を調整するしかないと感じるかもしれません。出勤準備中に子どもが突然発熱して急に仕事を休まなくてはいけなくなったときや、大事な会議やプレゼンテーションを控えているのに看病が続くときは、時間的に限界だと感じることもあるでしょう。
子どもに影響が出ていると感じた時や、子育て・家事ができていない自分に落ち込んだ時も、「もう仕事を辞めるしかない!」と考えてしまうものです。無理をして働き続けるとワーママ自身のメンタルも落ち込んでしまうため、環境を変えるなど何かしらの対策が必要です。
マミートラックとは、出産や育児を機に責任の軽い仕事や補助的な業務ばかりを任されるようになり、キャリアアップが困難になる状態を指す言葉です。自分はバリバリ働くつもりなのに、職場から求められる仕事とギャップを感じたとき、「このままでは思い通りのキャリアを歩めない」と危機感が募るかもしれません。まるでパート・アルバイトのような仕事の繰り返しに嫌気が差し、やりがいを失ってしまうこともあります。
また、バリバリ働くワーママになるつもりがない人でも、「何のために仕事をしているのかわからなくなった」と感じることがあります。企業側の配慮が結果的に女性のキャリアを阻んでしまうことも多く、スキルや経験につながらない虚しさを感じるかもしれません。
自分や家族の体調が思わしくないときも、家族を優先して仕事を辞めるしかないと感じやすくなります。物理的に忙しいと通院や睡眠など自分のメンテナンスにかける時間も減りやすく、さらにストレスがたまる負のループに突入することも。家族の体調が悪ければ、通院サポートや看病をする人手も必要になります。
体に代わる資本はないからこそ、体調第一で生活していくことが大切です。仕事を辞めるしかないのか、その後の生活も見据えて無理のないペースになるよう働き方を変えるのか、慎重に検討していきましょう。
転勤など家族の都合で退職せざるを得ないときも、「転職して別の会社に行くのではなくこのまま専業主婦になってよいのかも」と考えやすいタイミングです。生活がバタバタするからこそ、しばらく家族との時間を大切にしたいと考える方も多いでしょう。
しかし、転勤先で理想的な仕事が見つかるとは限らず、いざ再就職しようとしたときに思うような仕事がないケースも少なくありません。地域の情報などを収集し、新しい生活に慣れるための準備を進めつつ、自分のキャリアについて考える冷静さも必要です。
ここでは、思い切って仕事を辞めるメリットを解説します。完全に仕事を辞めて専業主婦になるのは勇気が要りますが、メリットとなる部分を探っていきましょう。
時間の余裕が生まれることで、心の余裕につながることは多いです。仕事のプレッシャー、人間関係、長時間労働など、様々なストレスから解放されるので、ストレスフリーに過ごせる方も多いでしょう。心身ともにリラックスでき、穏やかな気持ちを取り戻せれば、日々の生活もハリのあるものになります。
また、自分のペースで生活できる楽しさや、家族とのレジャー・自分の趣味・自己啓発に使える時間が増えるやりがいなども生まれます。心の余裕が生まれ、周囲の人に優しく接する機会が増えれば、自己肯定感も上がりそうです。
手のかかる乳幼児期・学校の宿題や習い事などやるべきことが増え得る学童期など、あっという間に過ぎ去ってしまう子どもの成長を近くで見守れるようになるのも、仕事を辞めるメリットです。子どもと過ごせる時間が増えるため、日々の小さな変化や成長を見逃すことなく共有できるでしょう。仕事のスケジュールに追われることなく、子どもとの時間をゆったりと過ごせるようになるのもポイントです。
また、「子どもの悩みや不安にいち早く気づいてあげられる」「子どもの友達との交流も深められる」など思わぬメリットも得られます。
平日午後の時間が空くことで、習い事の送迎や遊びに時間を使えるのもポイントです。平日にしか開講していない習い事を選択できたり、放課後にゆっくり遊びに付き合えたりするので、子育てに時間を使えるメリットが得られます。一緒に遊んだり話をしたり、子どもと向き合う時間が増えることで親子の絆が深まるかもしれません。
また、運動会・授業参観・PTA活動など、子どもの学校行事や地域イベントに積極的に参加できるようになります。ママ友の知り合いが増えてさらに暮らしやすくなるなど、子育て以外のメリットも多いです。
時間に余裕ができることで家事の質が向上し、心身ともにゆとりある生活を送れるようになるのもメリットです。特に、料理や家の片付けが趣味な人や、手を抜くこと自体にストレスを感じる人にとっては大きなメリットと言えるでしょう。普段手の届かない場所の掃除や、手の込んだ料理に挑戦できることで、趣味と実益を兼ねた時間の過ごし方が可能です。
また、子どもと一緒に家事をするなど、家のお手伝いを通した成長を見守れるのもポイント。忙しいとつい全ての家事を親だけで回してしまいがちですが、失敗も含めて見守れる時間が取れるのは嬉しい効果と言えそうです。
子どもが保育園(幼稚園)や学校に行っている日中の時間は比較的自由に過ごしやすくなるため、自分の趣味など好きなことに使えます。外出してもよし、家で映画や音楽を楽しんでもよし、好きなことに打ち込めるでしょう。趣味を通じて、新たな発見があるかもしれません。
人生を豊かにする大きなチャンスとして退職を活かすのもひとつの手段です。とはいえ趣味にはお金がかかることも多く、「時間はあるけれど好きな趣味に使えるお金がない」という落とし穴にはまらないよう注意しましょう。
ここからは、思い切って仕事を辞めるデメリットについて解説します。メリットだけでなくデメリットにも目を向けながら、本当に今が辞めどきなのか考えていきましょう。
仕事を辞めると当然ながら収入が減ってしまうため、生活レベルも収入額に合わせて調整していく必要があります。食費や娯楽費など日常的な支出を厳しく管理することに加えて、マイホームや車の購入などその後の人生設計にも影響するかもしれません。
また、貯蓄が減っていくことへの不安や、将来の教育費・老後資金への不安を感じる家庭も多いです。収入が減ることで精神的なストレスを感じるのであれば、今はまだ仕事の辞めどきではないのかもしれません。退職後の生活費や数年先の収支計画までシミュレーションして、問題ないとわかってから退職する方が後悔を防げます。
退職することで自分のキャリアが途絶えてしまうことや、仕事を通じて得ていた社会との繋がりが減って孤独になったりすることを不安視する人も少なくありません。ブランク期間が長くなるほど再就職が難しくなるため、希望するタイミングで正社員として復帰できないことも多いです。また、最先端技術の発展が目覚ましい今の時代だからこそ、ブランクがあることで経験やスキルが時代遅れになってしまうことも懸念されます。
また、同世代や同じ園・学校で知り合うワーママの活躍を見て、焦りや劣等感を感じてしまうかもしれません。社会から取り残されてしまうのではないかという不安を払拭できない限り、後悔のある選択となってしまうリスクがあります。
仕事という明確な目標がなくなることで、何をすれば良いのか分からなくなり、無気力になってしまう人もいるので注意しましょう。「生活のハリがなくなった」「燃え尽き症候群のようになってしまった」という人も少なくありません。仕事のスケジュールに縛られなくなることで生活リズムが乱れるなど、却ってメリハリを失うことも多いです。日々の出勤がなくなったことで運動不足になるなど、思わぬ影響があるかもしれません。
退職してからは、仕事以外の目標を持ち、自分で管理することが大切になります。家族や友人と比較して劣等感に苛まれないよう意識していきましょう。
「仕事を通じて得ていた社会との接点がなくなり、情報や話題についていけなくなった」「バリバリ働いている友人を見て後ろめたさを感じる」など、思わぬ心の動きに翻弄される可能性があることもデメリットのひとつです。社会から必要とされていないと感じ、自分の存在意義を見失ってしまうようなことがあると、退職しない方がよかったと後悔するかもしれません。前向きな決意で退職したのか、日々の忙しさに追われて逃げるように退職したのか、自分の心持ち次第で印象も変わります。
不安なときは自分の得意なことや好きなことに取り組み、達成感を得るよう心がけましょう。小さな目標でも良いので、毎日達成感を得られるようにすれば、閉塞感も払拭されます。
ここでは、ワーキングマザーを辞めて後悔した事例を解説します。思わぬ点で後悔することがないよう、以下の可能性がないかチェックしておきましょう。
子どもが大きくなればなるほど、生活にお金がかかるのは事実です。乳幼児の頃にはなかった習い事代・塾代・お小遣い・ゲームやファッションアイテム代など、数えればキリがありません。受験や進学にかかる費用も嵩む他、レジャーや旅行にでかけても大人同等の費用がかかるようになり、何かと物入りになります。その他、「子どもが育ち盛りになって食費が嵩むようになった」「遠征費や道具代でかなりの金額がかかるスポーツをやらせてあげられなかった」など、思わぬところで収入減のダメージを実感した事例もあるので注意しましょう。
また、ママが退職した後は夫だけで家計を支えることになり、夫の転職・降格・転勤などのダメージがダイレクトに影響します。世帯収入の維持だけでも必死になってしまうことがあり、金銭的な観点で将来の選択肢が狭まってしまうケースは少なくありません。
辞めたくて仕事を辞めた場合であっても、楽しかったのは数ヶ月だけ、という事例は多いです。最初は仕事を辞めた解放感や好きに時間を使える楽しさに浸っていられますが、しばらくすると同年代とのキャリアの開きや「自分がキャリアを積んでいたとしたら得られたもの」に目が向いてしまい、退職を後悔する可能性があります。
自分の能力を発揮することで充実感や達成感を得ていたワーキングマザーにとって、専業主婦としての生活は想像以上にギャップを感じることがあります。仕事を通じて築いた人間関係も希薄になり、評価されにくい家事・育児だけに注力するやりがいを失ってしまうかもしれません。
子育てが落ち着いて再就職しようとしても、理想的なタイミングで正社員の求人に巡り合えないことも多いです。正社員求人に応募しても、職歴のブランク・年齢・経験がネックになって不合格となってしまうことも。同年代で途切れなくキャリアを築いてきた人と同じ土俵で戦わなくてはならず、どうしても不利になるのが事実です。
再就職活動が難航し、結果的に以前よりも低い収入の仕事に就かざるを得なかったという事例は少なくありません。以前のスキルや経験が最新の市場ニーズに合致しないと、パート・アルバイトでの就労スタートとなるでしょう。以前のキャリアで得ていた役職手当やボーナスなどもなく、「非効率的な働き方だ」と感じてさらにやりがいを失ってしまいます。
あまりにも仕事がつらいときは、「仕事の辞めどき」ではなく「仕事の変えどき」と考えてみましょう。仕事を辞めるのは簡単ですが、再度新たなキャリアを構築するのは簡単ではありません。であれば仕事や働き方を変えてみることで、無理なく子育てとの両立を目指すのがおすすめです。
以下では、「仕事の変えどき」と考えたときに検討するべきことを解説します。
業種を変えることで、より柔軟な働き方やワークライフバランスを重視した働き方を手に入れる方法があります。特に、土日祝日の出勤がほぼ必須であるサービス業・小売業・不動産業や、シフト制での夜間(早朝)勤務が多い医療・介護・インフラ・警備業などの場合、業種変更を視野に入れてみると良いかもしれません。ライフスタイルに合った自分らしい働き方を見つけることで、仕事とプライベートの両立が実現できるようになります。
業種が違っても、前職でのスキルや経験が活かせることは多いです。関連する知見が必要な業種が見つかれば、想像以上に転職活動もテンポよく進むでしょう。
職種を変えることで働き方が変わることも少なくありません。例えば、対面での対応が必須である職種から、オンラインでの対応ができる職種に変えることで、働きやすさは各段に上がります。リモートワークやフレックスタイム制度を使いやすい職種であれば、子育てとの両立も可能です。
まずは、どのような職種であれば自分の能力を最大限に発揮できるのか考えましょう。興味のある職種について、仕事内容・市場動向・必要なスキルなどを調べ、自分のスキルと照らし合わせればこれまでになかった選択肢が浮かびます。
勤務先を変えることは、通勤時間の調整に有効です。片道1時間以上かかる職場に毎日通勤するより、自宅から保育園・小学校から近い職場にすることで、通勤時間を短縮できます。通勤時間が短くなれば、同じ労働時間でも余暇時間を増やせるので、お迎えや夜の時間に余裕を持ちやすくなるでしょう。自社に別のオフィスや支店があれば、異動願を検討しているのもおすすめです。
今の会社がどうしても遠い場合、思い切って転職を検討してもよいでしょう。「より近い場所で働きたい」という理由で転職に踏み切る人は多く、対策次第では時間を効率よく使えるようになります。
リモートワークやフレックスタイム制度があれば、フル活用してワークライフバランス向上を目指すのがおすすめです。リモートワークであれば完全に通勤時間をゼロにできるため、往復にかかっていた時間を子どもと過ごす時間や家事時間に充てられます。フレックスタイム制度であれば、家族と協力しながら子どもの通院や習いごとに付き添うこともでき、フレキシブルな時間の使い方が可能です。
今の会社にリモートワークやフレックスタイム制度がなく、今後も期待できなさそうであれば、転職を検討して問題ありません。その他にも、フルタイム正社員から時短正社員に切り替えるなどの方法があります。
正社員から派遣・契約・パートアルバイトにするなど、雇用形態を変えるのもひとつの方法です。非正規雇用であれば比較的融通の利く働き方にしやすく、まさに「無理のない働き方」となるでしょう。
ただし、正社員以外はあくまで非正規雇用であり、将来的に正社員として再就職する際のアピールポイントとして使えない点に注意しましょう。正社員には正社員の役割が求められるからこそ、正社員の職歴・経験を重視されることが多く、再就職のときに想像以上のハードルを感じるかもしれません。将来また正社員に戻りたいと考えるのであれば、正社員で
あり続けるのが理想です。
「今が仕事の辞めどきだ!」と思っても、実は働き方を見直すだけで抜群に働きやすくなるケースは珍しくありません。まずは仕事を変えてみて、それでもどうしても無理なときに初めて退職を検討するのがおすすめです。
仕事を変えてみたい方は、リアルミーキャリアにご相談ください。リアルミーキャリアはワーママ特化型の転職エージェントであり、「仕事を辞めたい」と考えるワーキングマザーの課題・問題点がどこにあるのか、一緒に深掘りして考えます。仕事を変えることで課題が解決できそうであれば、条件に合う求人をそのまま紹介することもできるため、キャリアを見直すきっかけとしてご活用いただければ幸いです。
日々忙しいワーキングマザーだからこそ、疲れ果てて「仕事を辞めたい!」と感じてしまうことは多いものです。誰もが一度は考えたことのある選択だからこそ、働き方を変えて無理なく仕事を続ける方法を探ったり、子育てや家事の時間を増やせる工夫が必要だったりするのかもしれません。
迷ったときは「仕事の辞めどき」と考えるのではなく、「仕事の変えどき」と考えるのがおすすめです。今の環境を変えればどうにか仕事を続けられそうなのであれば、転職を視野に入れてみてはいかがでしょうか。