ワーキングマザーのなかには、時短勤務で働く人も多いでしょう。ワーママにはありがたい時短勤務制度ですが、予想していたよりも給料が少ないことに驚く人は少なくありません。
時短勤務だと、一体どれくらい給料が安くなるのでしょうか。また、時短勤務でも給料が変わらないケースもあるのでしょうか。
ここでは、時短勤務で給料が減額する理由と、時短勤務で給料が安いときの解決方法を解説します。
もくじ
時短勤務で仕事復帰して、バタバタの毎日のなかなんとか仕事と育児を両立してきて、初めての給料日。給与明細と見たら、産前に比べて大幅に給料が減っていてびっくり。「社会人10年目なのに新卒並みの給料」「保育料を払ったらほとんど残らない」など、思った以上に少ない手取りに戸惑うママは少なくないようです。
時短勤務で給料が安くなる理由には、大きくわけて4つあります。
通常8時間労働の人が6時間労働に変更した場合、2時間分の給料がカットされてしまいます。たとえば、8時間労働で基本給が20万円だった人が6時間労働になる場合に、基本給は15万円まで下がります。計算式は以下です。
20万円×6/8(時間)=15万円
数万円レベルで給料が減り、さらにそこから社会保険料が引かれるため、フルタイム時の給料と比べると大きく減ったように感じるでしょう。
基本給以外に支給される手当には通勤手当・住居手当などがありますが、時短勤務で影響が大きいのは残業手当です。残業手当は残業時間1時間あたりの基礎賃金に、割増率を掛けて算出します。
たとえば、残業というだけで1.25の割増率となり、深夜や休日に働いた場合は、さらに割り増し率は上昇します。時短勤務で残業を一切免除されると、こういった残業手当がもらえません。
みなし残業制度を採用している会社でも、時短勤務の場合はみなし残業代がカットされる場合があります。ただしみなし残業代をカットするかどうかは会社によるので、時短勤務でもみなし残業代がつく会社も存在します。
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時短勤務だからといって強引に査定を下げられることはないかもしれませんが、復帰後のポジションに変化があれば、査定に影響する可能性があります。
たとえば、業績が良い営業部門で働いていた人が管理部門業務に異動になったり、部門は同じでもサポート的な役割を任されたりすると、人事考課でボーナスが減るなどして給与が下がる場合があります。
また、ワーママに理解がない会社は、時短勤務中は昇給・昇進の対象にならないケースもあるようです。
社会保険料の金額は、産休に入るまでの標準報酬月額をもとに決められます。つまり、産前のフルタイム時の給料のときと同額の社会保険料を納めることになるのです。
基本給が減り、残業手当などがない状態で社会保険料を納めると、手元に残るお金はかなり少なくなってしまうでしょう。なお、新たな社会保険料の額は職場に復帰後、3ヶ月間の報酬から再計算されます。
非常にまれではありますが、時短勤務でも給料が変わらない会社があります。一部のベンチャー企業や外資系企業では、時短勤務中も給与の減額がない会社が存在します。
このような会社は裁量労働制で成果主義の色が強く、勤務時間で評価しない風潮があります。成果主義の会社で十分な成果を出すことができれば、時短勤務でも給料は変わらないでしょう。
時短勤務の給料が安いことがどうしても気になるときは、どうすれば良いのでしょうか。
どうしても給料の減額を受け入れられなければ、働き方を見直すのも良いでしょう。まずは、今の会社でフルタイムに戻してみてはどうでしょうか。
子供が体調を崩しにくくなってきた、夫や両親の協力を得られるようになったなど、フルタイムに変更するタイミングはさまざまです。子供を含め、家族の了解を得てから検討しましょう。家族のサポート体制が整っていれば、働く時間が増えても安心できます。
>>関連記事:時短勤務のメリット・デメリットは?時短かフルタイムか悩むときはどうする?
収入アップできる会社に時短転職するという手もあります。みなし残業手当がカットされない会社や、年収アップが見込める会社への転職を検討してはどうでしょうか。小さな子供がいる状態での転職活動は大変ですが、時短勤務のまま転職を成功させるワーママは珍しくありません。
給料だけを追求するのではなく、今後のキャリアを見据えた仕事内容や、子育てに理解がある会社を選ぶことが重要です。
>>関連記事:時短勤務しながら転職は可能!ワーママを転職成功に導く8つのポイント
時短勤務を選ぶ背景には、保育園の送迎や仕事と育児の両立といったワーママならではの事情があります。多くの企業では時短勤務は子供が3歳になるまで、または小学校入学までと定めており、そのころには徐々に仕事に回せる時間を増やせるでしょう。
会社でも家でも毎日忙しいのに給料が減額されてつらいかもしれませんが、時短勤務で給料が安いのは一時的なものだと割り切ると、気持ちが楽になるかもしれません。
一時的な給料の安さには目をつぶり、今は目の前の与えられた仕事をコツコツとこなし、社内の信用貯金を増やすことに専念してはいかがでしょうか。毎日の仕事を地道に積み上げていけば、フルタイムに戻ったとき今まで以上に力を発揮できるでしょう。
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