仕事を辞めた後に生活を支えてくれる失業手当(失業保険・失業給付)。失業手当は、時短勤務中のワーママが退職する際にも適用されます。
失業手当はどこからお金がもらえるの?何を基準に失業手当の額は決まるの?時短勤務中はどうやって計算される?という疑問をもっている方もいることでしょう。
ここでは、時短勤務中のワーママが退職する際や、育休明けに退職する場合の失業手当(失業保険)について解説します。
もくじ
育休から復帰した後、時短勤務中や時短勤務終了と同時に仕事を辞めるママは意外と多いもの。
育休明けから家事育児をワンオペで頑張ってきたけど、これ以上は体力・気力が持たない、働き続けたいが育児と両立できそうにない部署への異動を打診された、時短勤務が終わってしまうので小1の壁が乗り越えられない―。そんなワーママは珍しくありません。
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時短勤務の正社員はもちろん、パートやアルバイトでも、雇用保険に一定期間加入していれば失業手当はもらえます。
仕事を辞めたら、しばらくは失業手当をもらって家庭と両立できる仕事を探そうと考えている人もいるかもしれませんね。時短勤務で退職した場合、失業手当はどのくらいもらえるのでしょうか。ここでは失業手当について説明します。
失業手当の正式な名称は「基本手当」といいます。厚生労働省が管轄する雇用保険から支払われる手当です。雇用保険は会社と労働者が折半で毎月、保険料を支払っています(雇用保険に加入するためには勤務日数、時間の条件あり)。
失業手当(基本手当)は「働く意思があり」「働ける状態」だけど「仕事がない」人を支える制度です。時短勤務中でも雇用保険に加入していて支給条件を満たしており、再就職する意思があればもらえます。
失業手当は退職してから1年以内に受け取ります。自己都合の場合は7日間の待機期間、3カ月の給付制限のあとの支給になるので、手続きが遅れると満額受け取れないことも。退職後、失業手当をもらう場合、手続きは早めにするのがおすすめです。
失業手当は誰でももらえる、というものではなく支給条件があります。まず確認しておきたいのは雇用保険の加入期間。仕事を辞める前の2年間に1年間、雇用保険に加入しているのが失業保険の支給条件です。
だたし、会社の倒産、派遣社員などで契約が更新されなかったなどのやむを得ない理由があれば、直近1年間のうち半年間の加入でも認められます。
また、退職前の直近2年間のうち、病気や出産・育児で働けなかった期間がある場合には、最大4年までさかのぼって雇用保険の加入期間を考慮してもらえることもあります。
自分が該当するかどうか迷っている方は、最寄りのハローワークに確認するのが一番確実です。
失業手当はどれくらいもらえるのか気になりますよね。失業手当の額や支給期間は雇用保険の加入期間、年齢、退職の理由によって異なります。ここでは失業手当の計算方法についてご説明します。
まずは失業手当が支払われる支給期間(日数)ですが、雇用保険に加入していた期間が10年未満90日、10年以上20年未満120日、20年以上150日間の支給になります。
給付額は退職の際に会社に発行してもらう離職票に基づいて計算され、辞める前6ヶ月間の給与の総支給額(保険料等が控除される前の額)がベースになります。ボーナスは除いた額での計算になります。
まずは離職前6ヶ月の給与の総支給額の合計÷180で賃金日額を求め、そこに給付率をかけます。
給付率は、離職時の年齢、賃金により異なり45%~80%。この数字が基本手当日額となります。
(離職前6ヶ月の給与の総支給額の合計÷180)×給付率=基本手当日額
賃金日額と基本手当日額には上限・下限があり統計調査に基づき毎年変更されます。また、基本手当額×支給期間(日数)でおおよそのもらえる失業手当の総額が分かります。
失業手当の計算に使われる賃金日額は離職票をもとに計算されます。離職票に記載される基本給は「直近6ヶ月」なため、時短勤務中の給料での計算となります。原則、育休前のフルタイムの給与では計算されません。
ただし、会社の倒産や、法定の産休・育休を適切にとらせてもらえなかったことなどを理由に退職した場合は、時短勤務取得前の給与で計算されることがあります。
失業手当は働く意思があり働ける状態であるにもかかわらず、仕事がない人にあてはまれば支給されます。そのため、育休直後に退職する場合でも再就職の意思があり、支給条件を満たしていれば支払われます。
支給条件は、退職前の過去2年間で雇用保険に1年加入していること。
仮に育休に入る直前の加入期間が1年なくても、直近2年間のうち病気や出産・育児で働けなかった期間がある場合は、最大4年までさかのぼって加入状況を算定してもらえますよ。
ただ、失業手当の給付期間は雇用保険の加入期間によって決まります。育休の期間は雇用保険の加入期間に算定されないため、失業手当の給付期間が短くなる可能性があります。
失業手当は働く意思があり、働ける状態にもかかわらず仕事がない人に支払われるもので、すぐに再就職しない場合はもらえません。
また、失業手当を受けることができる期間は、離職日の翌日から1年間です。これを受給期間といいます。病気や出産、育児で離職日の翌日から1年以内に30日以上働くことができない場合は、受給期間の延長申請を行うことで、働けるようになった時に失業手当をもらうことができます。
延長できるのは3年間。もとの受給期間と合わせて最大4年間に受給期間を延長できます。該当するかどうかは、最寄りのハローワークに確認するのが確実です。また、申請が遅くなると満額もらえないこともあるので、再就職の予定がなくても早めに申請しておくことをおすすめします。
「働く意思があり、働ける状態にあるのに仕事がない状態」が失業手当の支給条件です。なので、しばらく育児に専念したいなどの理由で、専業主婦になることを前提に退職する場合はもらえません。
ただし、退職後に病気や出産・育児のためにしばらく働けない場合は、失業手当の受給期間を延長することができます。育児で働けない場合は、子供が3歳未満の場合を対象としてるため、最大で3歳の誕生日前日までの延長が可能です。子供が3歳以上の場合は受給延長の対象とならないので注意しましょう。
手続きをしておけば、受給者資格を最大4年に延長することができ、次に就職活動をする時に失業手当をもらえる可能性があります。また働きたいと思った時の助けになってくれるはずです。
最寄りのハローワークに問い合わせ、延長できるのであれば手続きしておくことをおすすめします。
再就職の意思があれば、時短勤務中であっても失業手当をもらうことができます。また、すぐには再就職できなくても出産や育児を理由に退職するのであれば、失業手当の受給資格期間を延長できる可能性もあります。転職のために退職したとしても、失業手当で金銭的な負担を軽くすることができますよ。失業手当の仕組みを知り、焦らず安心して次の仕事を探しましょう。
参考文献: Q&A労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)厚生労働省
参考文献: 雇用保険 被保険者の皆さまへ 厚生労働省
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