ワーママにとって家庭と仕事の両立は重要なポイントであり、転職する際もこの2つを両立させることを前提に仕事を探す人が多いもの。
ここでは、ワーママの転職に人気がある事務職について、人気の理由やメリット・デメリット、事務職の仕事内容や種類、事務職に転職する際の注意点を解説していきます。
もくじ
事務職といえば、伝票処理や書類作成などの「デスクワーク」や、電話対応や来客対応などの「接客ワーク」などをイメージしやすいですが、働く企業によっては人事領域を兼任していたり、労務を兼任していたり、秘書・経理の役割を持っていたりと、事務職といってもその仕事内容は実に幅広いです。
また業界や会社の規模によっては、「手が空いているのなら現場仕事を手伝って」など、事務仕事以外の軽作業的なことを頼まれる場合もあります。
事務職は「業務内容が安定していて定時で帰りやすい」「デスクワークで力仕事がない」などをイメージできますが、業界や会社の規模によっては、定時で帰れないことや力仕事を頼まれることもあるので、家庭と仕事を両立したい方は業界や会社の風土などもしっかりとチェックしましょう。
ワーママの転職に事務職が人気な理由には、どのようなものがあるのでしょうか。育児中のママが事務で働くメリット・デメリットを解説します。
残業が少なく転勤がない点は、家庭と仕事を両立したいワーママにとっては大きな魅力といえるでしょう。また、仕事内容が一定でほかの職種に比べて時間の融通がきくため、育児と両立しやすいこともワーママにとって事務職が人気の理由です。
事務職にはメリットがいくつかありますが、その反面いくつかのデメリットも考えられます。
残業が少なく仕事が一定であることは、裏を返せば給料が上がりにくく、良くも悪くも環境の変化が少ないとも考えられます。
特に未経験の募集も多い一般事務の平均年収は、 未経験可であるゆえに専門的な仕事が少なく、ほかの職種と比べると低い傾向にあります。ルーチンワークが多いため新しい業務に挑戦しにくいことも、年収が低い要因と言えます。
事務職のなかでも一般事務は比較的覚えやすい仕事内容なので、基本的なPC操作スキルとビジネスマナーがある方なら、未経験でも採用される可能性はあります。
スキルとやる気をアピールするために、MOSや秘書検定、簿記といった事務職に関連する資格をとるのも、採用への近道といえるでしょう。
一方、一般事務以外の経理や営業事務は専門スキルが必要となるため、経験者が採用されやすい傾向にあります。
事務職の業務内容は幅広く、さまざまな種類があります。
一般事務とは事務作業全般のことを言い、電話やメール、来客時の対応、請求書や伝票の管理、郵送対応や書類作成、データ入力・集計作業、コピー、ファイリングなどが基本業務です。
業界や会社の規模にもよりますが、時には会議の議事録作成や秘書業務なども行うこともあり、中小企業などでは複数の業務を兼任することもあります。
営業をサポートする営業アシスタント業や、庶務や総務なども一般事務の枠組みに入るため、一般事務の定義は広くとることができます。定義を広くとることができる分年収の幅も広く、受け持つ業務の内容や量によって年収が大きく異なることも珍しくありません。
社外で活動することが多い営業担当者をサポートする役目の仕事で、営業担当者が顧客との交渉をより円滑に進めるために、営業事務はあらゆることをサポートします。
営業担当者が担当する顧客に関しての、見積書や請求書の作成、発注データや受領書などの入力管理、営業担当が必要とする資料の管理や準備など、営業担当者をサポートする役割が強い職種です。業務量が多いことが多い営業事務ですが、営業職に理解のある方にはやりがいのある仕事なのは間違いありません。
ただ、営業担当者に合せる業務となりがちなため、業界や会社の規模によっては、残業が発生したり、仕事量が増えたりなど、時間の融通がきかないことも考えられます。家庭と仕事を両立したいワーママは、具体的な業務内容や、会社の社風を確認することがポイントです。
医療事務は、病院やクリニックなどの医療機関で働く事務職です。福利厚生の充実度、時間の融通がききやすい、近所の病院に勤めることができる、未経験可の募集も多いといった理由から、子育て中のママに人気のある職種です。
具体的には、受付や会計業務、クラーク業務、レセプト業務などが主な仕事内容です。クラーク業務とは、患者さんの呼び出しや、カルテやレントゲンの準備などが主な業務で、患者さんと病院をつなぐ役割を担います。
レセプト業務とは「診療報酬明細書(レセプト)」に関する業務で、患者さんが提出した健康保険証に対して、健康保険組合や国民健康保険組合が負担する医療費の明細を作成する業務のことです。 一見すると難しそうな業務ではありますが、レセプト専用のPCがあるので、作業自体は覚えれば誰にでもできます。
医療事務は資格がなくても働くことができますが、医療事務の資格があるほうが採用で有利なのは間違いないでしょう。
企業が扱うお金の流れを管理する仕事で、売上や支払いだけではなく、経費や旅費の精算管理、請求書の発行、銀行振込や支払伝票などの支払いに関する事務業などが主な仕事内容です。
売掛管理、買掛管理、給与計算などに関する月次決算や月次決算補助や、銀行預金や手形の管理などに関する月次補助など、専門的なスキルや知識が必要となる職種なので、専門性が高く給料面もほかの事務職と比べ高い傾向にあります。
経費の計算や現金出納業務などの一般的な経理事務であれば、PCスキルと一般事務のスキルがあれば難なくこなすことができますが、月次決算や月次補助など決算に関する業務の場合は、最低でも簿記検定2級が必要とされています。
ワーママが転職をする際は、「家庭と仕事を両立させること」が一番のポイントになる場合が多いもの。そのためには、ワーママの条件と企業側の条件を上手く一致させる必要があり、この見極めが転職成功の一番のコツになります。
ワーママの条件と企業側の条件を上手く合せるためには、ワーママに理解のある企業を選んで応募することが重要です。ワーママに理解のある企業を見分けるポイントは以下です。
子育てサポート企業とは「くるみん認定」とも呼ばれています。仕事と子育て両立のための一定の要件を満たした企業に向けて、次世代育成支援対策推進法に基づいて厚生労働省が認定した企業です。
つまり、応募する企業が「くるみん認定」であれば、厚生労働省が認定した子育てサポート企業であり、ワーママに対しても理解があるということにもなるので、応募する会社を選ぶ際の参考になりますよ。
採用に不利だと思い、勤務時間や子供のことを伏せたまま選考を進めてしまうと、いざ働き始めたときに会社に迷惑をかけてしまいます。時短勤務や定時退社が絶対にゆずれない条件なのであれば、面接時にしっかりと伝えることが大切です。
そのかわり、短時間で生産性を上げるためにこれまで工夫してきたことや、どうしても残業しなければいけないときの対策(夫や実家に預ける、ベビーシッターを利用する、家に持ち帰るなど)もセットでアピールするようにしましょう。
忙しくてワーママ向けの企業探しができなかったり、自身の状況を上手く伝える自身がなかったりする方は、ワーママ専門の転職エージェントを利用するのもおすすめです。
自分の希望に合った求人の紹介、履歴書や職務経歴書の作成サポート、模擬面接の実施などの面接対策、企業との条件交渉などをしてくれるので、忙しいワーママの転職活動の味方となってくれるでしょう。
時短勤務制度やワーママ在籍の有無、育休取得の実績などは、なかなか面接では聞きづらいもの 。時短勤務や残業なし希望などこちらから言い出しにくい条件面の交渉も、エージェントがすべてやってくれますよ。
ワーママが事務職へ転職する際に役立つスキルをご紹介します。
事務職は業種を問わず、来客対応や電話対応など、外部とのやり取りが多くなるため、コミュニケーションスキルは事務職に共通して役立つスキルです。
事務職の仕事は来客対応や電話対応といった外部とのやり取りだけではなく、時には現場に指示を送るなど、社内での伝達役を任されることもあります。依頼や指示を正確に理解して伝えることが重要になり、その際にもコミュニケーションスキルがあれば業務をスムーズに行えるでしょう。
来客対応や電話対応などに並んで、書類作成や伝票管理などPCを使った業務は事務職のメイン業務です。基本的にWord(ワード)、Excel(エクセル)の一定レベルは求められるので、使い勝手の良い関数はある程度理解しておいた方が良いでしょう。
基本的なPCレベルがあれば業務に支障をきたすことはないですが、Excelの幅広い関数の知識があれば、業務そのものを効率化できることがあります。事務職に就いてからでも良いので、PCスキルのレベルアップを目指していきましょう。
会社の規模にもよりますが、一般事務の場合さまざまな業務の兼任を求められることがあります。なかには人事事務や営業事務、秘書などの仕事を兼任することも。自身のスケジュール管理はもちろん、仕事上必要となる書類のスケジュール管理なども業務になるので、高いスケジュール管理能力が求められます。
スケジュール管理能力は業務としても役に立つスキルですが、自分自身の仕事の管理にも役に立つでしょう。幅広い分野で役に立つので、身に付けておいて損はしないスキルです。
簿記検定などお金に関する専門的なスキルや資格で、会計事務や経理事務の仕事を行う際に重要となるスキルや資格です。会計事務や経理事務を対象に募集している企業は、応募条件に「簿記検定〇級以上」と記載していることが多いです。会計事務や経理事務を目指す方は、専門的な知識やスキル、資格などを身に付けることから始めましょう。
法務事務職に求められる知識やスキルで、契約書のチェックと管理を行う上で役に立ちます。契約書は法律にも関わる書類なので、法律に関する専門的な知識やスキルがあれば業務をスムーズに行うことができます。
また、契約書以外にも、例えば商品の開発・販売の際に、知的財産権や特許などの管理も法務事務が行うことが多いので、その際も専門的な知識やスキルがあれば、開発・販売をスムーズに行え、商品に関する問い合わせにもスムーズに対応できるでしょう。
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自宅から車で十数分という近さの会社で事務員の募集をしているのを見つけたとき、奇跡だと感じてすぐに応募しました。 まったくの未経験でしたが無事に事務職として採用され、そこからは気合いで乗り越える毎日です。
専門用語が飛び交ったり、会社独自のやり方で行う事務処理などがあったりするので、最初はとにかく覚えるのに必死でした。先輩達はなるべくわかりやすいように教えてくれていたのですが、常にそばに付きっきりで教えてもらえるわけではありません。自分で勉強し、積極的にさまざまなことを覚える努力は必要不可欠です。応募時の自己アピールでもみられるポイントだと思います。
また、先輩達と積極的にコミュニケーションをとるようにしました。わからないことがたくさんあったので迷惑をかけることも多々ありましたし、今後さまざまなことを教えてもらう機会も多いだろうと考えてのことです。
コミュニケーションをとる努力といっても、難しいことではありません。先輩達から会話に誘われた際に笑顔で対応したり、挨拶や受け答えをはっきりするようにしたりという基本的なことです。しかし、これらは新しい職場でなじむためにはとても重要なことになります。自分や相手のことを知ることで、仕事上の関係がうまくいく場合も多いですよ。(30代 子供2人)
事務職は、家庭と仕事との両立を考えた上で、 ワーママにとって働きやすく魅力的な職種です。
しかし、事務職といっても仕事内容や忙しさは会社によってさまざま。業界や会社によっては時間の融通がきかず、育児と両立できないなんてこともありえます。事務の人員が足らずトイレに行く暇もないくらい忙しい会社や、事務に繁忙期があって休日出勤を余儀なくされる会社もあります。
念願の事務に転職したものの「本当はこんなはずじゃなかった」とならないためにも、「ワーママに理解のある企業」を一番のテーマにして転職先を選ぶことが大事だと言えます。
勤務時間なのか、事務職という職種なのか、通勤距離なのか、お給料なのか、自身の現状や環境をしっかりと自己分析し、それを理解してくれる企業を選ぶようにしましょう。
必要であればワーママに特化した転職エージェントを活用し、納得のいく形で事務職での転職成功を目指しましょう。
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