育児休暇の終了後の復帰。出産前までのイメージでは「やっていける」という意気込みが強く、そこまで大きな不安を抱えることはなかったかもしれません。
赤ちゃんのお世話で毎日あっという間に時間が過ぎて、仕事と育児の両立について考える間もなく、仕事復帰になってしまったママも多いことでしょう。
実際に仕事を開始して、育児・家事・仕事の両立のハードさに現実的な「限界」を感じ、ワーママ生活の厳しさに直面。「こんなにつらいなら、仕事を辞めてしまいたい…」と思うママもいるかもしれません。
ワーママの退職スイッチが入るタイミングには、共通点が多いもの。退職したいと悩む時期があるのは、あなただけではありませんよ。ここでは、ワーママの退職が増えやすいタイミングについて解説します。
もくじ
何か退職のきっかけになる大きな原因や嫌なことがあったわけではないけれど、ささいなことが積み重なってモヤモヤがたまっている、というワーママは多いのではないでしょうか。
このモヤモヤの正体は人によってさまざまですが、退職したいと思う本質的な理由はおもに以下の3つにわけられます。
育児休暇から仕事に復帰すると、ライフスタイルが大きく変わります。 金銭的な余裕やキャリアを考えて仕事を頑張りたい気持ち、子供の時間を優先に考えて育児に専念したい気持ち、このふたつの感情の葛藤に悩むことは多いもの。
葛藤しながらもなんとか仕事を続けていると、今度はマミートラックに陥ったり、時短勤務や子供の病気で休むことで肩身の狭さを感じたり、ワンオペ育児で仕事と育児の両立に限界を感じたり、ますます仕事に対し後ろ向きな気持ちが出てくることがあります。
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こんなにモヤモヤしているのに、子供との時間を犠牲にしてまで今の仕事を続ける意味はあるのだろうか…と悩んでしまうのは無理はないもの。
そして、このモヤモヤを感じやすい、ワーママ特有の退職が増えるタイミングがあるのです。
毎日ずっと一緒だった可愛いわが子。泣いたらすぐに抱きしめて、笑顔に癒やされて、大変なこともあるけれど毎日の成長を見守ることができる幸せ。子供との時間は、言葉にできないほど愛おしくて貴重なものです。
保育園申し込みの時期が近づいてくると、「子供から離れたくないから仕事を辞めたい」「仕事と育児を両立できる職場ではないから転職したい」なんて考えがちらほらでてくることも。
第二子以降の育児休暇の場合は、赤ちゃんのお世話をしながら上の子の育児をするハードさに参ってしまい、とても仕事と両立はできないと怖気付いてしまうこともあるようです。
仕事を続けるか・続けないかは正解があるものではなく、仕事を続けるにしても、家庭に入るにしても、メリットデメリットはあります。金銭面でとくに支障がないのであれば、仕事復帰をやめて育児に専念するのもひとつの選択肢です。
実際に、育児休業を終了したママの10.5%(※)は退職しているというデータがあります。育児休暇が今後の働き方や家庭とのかかわり方を見直すきっかけとなり、退職が増える時期なのは間違いありません。
※参考文献:厚生労働省「平成30年度雇用均等基本調査」の結果概要
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仕事が始まると、とにかく体力的にも精神的にも、とてつもなく大きな疲労がのしかかってきます。
仕事に疲れたからといって、育児は決しておろそかにできないもの。保育園に通う子供は「保育園の洗礼」とも言える体調不良を繰り返し、看病疲れと日頃の疲労から親も体調不良になることがあります。
子供が熱を出せば仕事を休まなければならなくなり、職場からの「ママだから仕方ないよね」という言葉も、会社に迷惑をかけているのではという気持ちをふくらませてしまうでしょう。
生活が大きく変わる育休復帰直後は、メンタルが弱りがち。子供の病気の多さや、残業できない肩身の狭さ、これまで通りパフォーマンスを発揮できないもどかしさやなどから、ささいなことをネガティブにとらえてしまう傾向があります。
そんな育休復帰直後は、ワーママが退職を考えるタイミングのひとつです。
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子供が3歳になると同時に、時短勤務が終了となる会社は多いもの。フルタイム勤務を余儀なくされ、仕事と育児の両立に困難を感じて退職するママは少なくありません。
また、0~2歳児までを対象とした小規模な保育園に子供を通わせている親は、3歳以降の預け先を探すための保活をしたり、新たな保育園に入園して慌ただしくなったりする時期も重なります。この3歳の保活問題は「3歳の壁」ともいわれています。
さらに、育休復帰直後のバタバタからひと段落することで、キャリアアップが望めず仕事にやりがいが感じられない「マミートラック」を意識しやすいのもこの時期。
ちょうど子供が3歳のタイミングで第二子を妊娠し、妊娠を機に退職を決断するママもいます。
このように、さまざまな要素でワーママが仕事を続けることが難しいと感じやすいのが、この3歳のタイミングなのです。
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保育園は共働きを前提とした施設なので、ワーママにとって仕事ができる環境が整っていました。預け時間も朝早くから夕方までありましたし、必要に応じて延長保育をすることもできました。
しかし、これはあくまでも保育園時代の話。小学校にあがると、そこにはワーママであれば誰もが通らなければいけない「小1の壁」が待ち受けています。小学1年生の帰宅は基本的に午前中。小学校はあくまでも勉強を教える場であって「保育」ではないため、下校時間以降は学童保育施設に通うことになります。
学童は預け時間が保育園より短く、フルタイムで働くママは頭を悩ませます。小学校1年生の子供が1人で学童から家に帰り、大人が帰るまでお留守番をするということは、あまりも現実的ではありませんよね。
子供の預け時間の問題以外にも、何かと親の出番が多い頻繁すぎる学校行事や、勉強・メンタル面の子供のケアなど、身動きがとりづらくなるのがこの子供が小学生になる時期。
仕事と小学校生活の折り合いを付けられなかったとき、退職を選択するママが増えるのも無理はありません。
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小学4年生になると放課後の学童がなくなり、親が帰宅するまでは親の目が届かなくなります。
これが「小1の壁」の次に来る「小4の壁」です。小学4年生ともなれば1人でお留守番ができる子もいますが、放課後どこで誰と遊んでいるのか、何をして過ごしているのか、まだまだ親は心配な時期です。
勉強や子供の学校生活のサポートも低学年のころより複雑なものとなり、親は子供としっかり向き合うことを求められます。さらに中学受験を考えている家庭であれば、塾の送り迎えや、受験勉強の管理・サポートの問題も出てきます。
学童がなくなることでの子供の居場所や、中学受験と仕事との両立の難しさを見すえて、小4になってから退職を考えるママは少なくありません。
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仕事と育児のモヤモヤを抱えているとメンタルが弱り、もうなにもかも嫌だという気分になるのは、きっとワーママなら誰にでもあることではないでしょうか。
誰に言われたわけでもないのに、自分はもう会社に必要とされていない、期待されていない、など勝手に思いこんでしまうことも。
退職が頭をよぎるときは、ワーママには退職スイッチが入りやすい時期があることを思い出してみてください。同じ思いをしているワーママは自分だけではないということと、退職に思いいたるタイミング的なものを意識することで、「今はそんな時期かも」と冷静になれるかもしれませんよ。
ワーママが仕事を退職したいと思うのは、タイミング的なものがあるので、決してあなたのせいではありません。毎日十分頑張っているのですから、どうか自信を持ってください。
退職スイッチのタイミングはいずれも、自分を含めた家族の環境が大きく変わる時です。働き方を見直す必要があるタイミングを見通すことができれば事前にある程度準備することも可能です。
そのためには、来たるべき時に備えて自分の中で「望ましい状況」と「望ましくない状況」をまとめることが大切です。例え環境が変化としても働きつづけたいのか、それとも子どもに向き合いたいのか、何を優先するのかはっきりさせましょう。事前にシミュレーションをしておくだけでも心の準備はできるものです。
働き方に関しては、
と昔より選択肢は増えてきています。その点も加味して転職を検討してもよいでしょう。
どうしても退職を検討するのであれば、やめることによって得られるもの・失うものについてしっかり把握しておきましょう。自分の5年後・10年後ありたい姿をイメージしながら慎重に検討を重ねることをおすすめします。
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現状の悩みを解決するには退職という選択肢しか思いつかない……そんな状況かもしれませんが、子育てに理解のある企業への転職も選択肢のひとつです。
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情報収集することで視野を広くして、さまざまな選択肢を検討してみてくださいね。