「子供が生まれる前と同じように働きたいと思うけど、そもそも保育園に入れない…。」特に待機児童の多い地域では、このように復帰の前段階で壁に当たってしまう人も少なくないようです。
一般的に、共働き家庭で夫婦ともにビジネスパーソンとして活躍するためには、お子さんを保育園に預けることが必須と考えがちです。しかしながら、実は専業主婦家庭のお子さんが通うイメージのある幼稚園や、少し耳慣れない認定こども園といった施設でも、しっかり働く時間を確保することが可能なんです。
共働き家庭の幼稚園選びについて、幼稚園のメリット・デメリット、決め手となる幼稚園のカリキュラムや費用など詳しく解説します。
もくじ
幼稚園は文部科学省管轄の「教育」機関です。教育というと、「読み・書き・計算…」等と思い浮かべますが、幼児期においては「遊び」の中で得られる学びも大きいものです。
幼稚園によってどのような教育に重点を置いているのか、方針は様々です。この方針によって日々のカリキュラムが大きく異なるため、ご家庭の教育方針に基づいて選ぶことが重要です。
幼稚園をざっくり分類すると、「お勉強幼稚園」と「のびのび幼稚園」の2つにわかれます。
午前中は机に向かっている時間をとり、読み書きや百玉そろばん・フラッシュカード等を行う。園によっては、「お受験」(小学校受験)を見込んで入園させている家庭も多くみられる。
午前も午後も自由遊びの時間を多く取り入れ、その中でコミュニケーション力や発想力を育むことに重点を置いている。
入園説明会や見学に積極的に参加し、家庭の教育方針と合致している幼稚園を選ぶことが大切です。
園によって大きく異なります。毎日お弁当、毎日給食、週に●回お弁当で残りは給食という場合など様々です。また、食育という観点で教育の一部として給食を扱っている園もあります。自治体がまとめている幼稚園案内に、各園の情報が出ているケースが多いので参考にしてください。
幼稚園の行き帰りに、希望者に対して送迎バスを提供している園もあります(別途バス代金)。地域毎にバス発着の拠点を設けて何人かまとめて乗降する園と、各園児の家の前がバス発着の拠点になる園があります。
また園の都合により巡廻時間が異なったり、巡廻地域から外れる地域もありますので、「自宅から園まで遠いけれど、送迎バスがあるから大丈夫。」と想定されている方は、事前の確認が必要です。
幼稚園の方針によって、「平日の行事が多くある幼稚園」と「主要な行事は土日に行う幼稚園」があります。また、保護者が準備や運営に参加する必要があるケースもあります。
最近では、保護者が働いていることを前提に、行事は土日中心に園職員主導で行うようにしている幼稚園も増えているようです。
ただ、中には、「土日に行事を行った場合、翌週の月曜日に振替休日が発生する」という園もあるので、入園前に細かく確認しておくことをお勧めします。
また、すべての行事に保護者が参加する必要がない場合もあるので、参加したい年間行事予定と勤務先の有給日数等の確認をしておくと良いでしょう。
参観日を月に1度設けているけれど、それには行けないと割り切って、年に1回の平日親子遠足と運動会(土日開催)だけは参加するようにしています。「平日プールお手伝い」の呼びかけが園からあるのですが、うちは共働きなので1回も出られません。
申し訳ないけれど仕方が無いことなので、行事等で他の保護者の方と顔を合わせた時には、「いつもありがとうございます。」と感謝の心を伝えています。
年2回、園主催のバザーがあります。中古品や手作り雑貨を出すのが通例となっているのですが、私はフルタイム勤務で時間がとれず、しかも手作り雑貨なんて作ったこともありません。バザーは平日開催なので当日は欠席ですが、前日夜のバザー準備にだけ顔を出すようにしています。
土日祝日に加えて、長期休業(春・夏・冬休み)がある場合があるので、注意が必要です。園が休みのときは預かり保育も休みの園もあれば、預かり保育は常に可能な園もあります。夏休み等、長期休業前は午前のみの教育時間という園もあります。一方で、土日や長期休業中も預かり保育を実施している園もあります。
一般的に私立は公立の2倍の費用がかかりますが、自治体によっては一部助成のある地域もあります。
全国平均の費用額は下記の通りです。目安にしてください。
私立幼稚園年間総額: 490,008円公立幼稚園年間総額: 222,264円
(教育費・課外活動費・給食費等を含む)
(※出典: 文部科学省「平成28年度子供の学習費調査」)
この他に、入園準備として園服代金やスモッグ、鞄等が必要な園もあります。
その価格も園によって幅があり、私立幼稚園においては2万円~10万円が目安です。
フルタイム・時短正社員の家庭に、幼稚園のメリット・デメリットを聞いてみました。
→習い事は親にとって送迎が負担となりますので、園内で指導してもらえるのは魅力的ですね。
運用方法は、希望者のみ別途費用で外部講師が来園して指導する園や、通常カリキュラム内での指導(費用は教育費に含む)など、園によって異なります。
もちろん、習い事プログラムが無い園もあるので事前に要確認です。
→全員がほぼフルタイム共働き家庭の保育園と異なり、共働き家庭でも時短やパートタイム勤務、専業主婦(夫)など、園児の家庭環境はさまざまです。
「みんな同じ」ではなく、「うちはこうだけど、○○ちゃん家は違う。」というような他者との違いを自然に受け入れられる環境です。
→園にもよりますが専業主婦(夫)、アルバイトやパートタイム勤務の保護者が多く、フルタイム・時短正社員の保護者は少数派。
役員の集まりやランチ会等が平日にあり、疎外感を感じることも。
「働いているから」を理由にして敬遠せず、平日夜や休日の集まりにはできる限りで集まりに参加したり、役員の役も家でできることをお手伝いしようとする意識をもつようにしています。
→園によっては、幼稚園の通常時間を終えて14時に降園する、お迎えが来る園児が多い場合があります。
「14時降園がうらやましい」と子供が寂しい持ちになることがあります。
そのときに可愛そうと思うのではなく、働くパパママとして、仕事の話を聞かせたりイキイキと働く姿を見せることを通して、「働くこと」についてのキャリア教育ができる良い機会と考えています。
預かり時間が長くなった場合、お昼寝がない園だと小さいうちは体力がもたないことも。とにかく睡眠を優先するため、帰宅後すぐに夕食を食べさせられるようにしておき、19時帰宅でも20時半就寝を目指せるような時間管理をしています。
一言に「幼稚園」と言ってもその特色・特徴は園によって多彩です。保育園とは異なり、幼稚園は特色に応じて選ぶことができるため、預かり時間などがクリアできている前提で、園の教育方針や特色を調べる中で、家庭内での「我が子をどう育てていきたいか」を擦り合わせる良い機会になると思います。
また近年は、幼稚園もワーキングペアレンツの増加に合わせて、働きながら預けられる方向性に変わってきているケースが多く見られます。これまで「預かり保育」を実施していなかった園においても、「来年度から預かり保育開始!」という園も毎年増えています。
今回ご紹介した幼稚園の選び方の観点を参考にしながら、まずは地域にどんな園があるのかリサーチすることから始めていきましょう!