時短勤務・契約社員・パート、保育園入園に両親の雇用形態は影響する?

                   

両親の転職にあたって気になる、保育園の入園継続への影響有無。「共働き子育て家庭のための子供の預け先に関する基礎知識」でも解説した通り、認可保育園に入園するためには、両親が働いているなど、家族が子供の保育ができない事由があることが必要です。

その事由として認められている項目には、就労状況やひとり親、病気などさまざま設定されています。

今回は、転職によって正社員→契約社員、パートタイムなどに雇用形態が変わることで、保育園入園・継続にどのように影響があるのかを解説します。

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時短で転職先を確保!ただひとつ気になる雇用形態

大手電機メーカーにて、保育園に通う2人の子育てをしながら経理財務スタッフとして時短勤務をしているAさん(女性、36歳)。
現職では3歳までしか時短が認められないため、3ヶ月前から転職活動をはじめ、今回IT系ベンチャー企業の内定を獲得しました。
就業時間はこれまでの時短勤務と同じ7時間で、給与は下がったものの許容範囲内でした。

何より会議がない日などはリモート勤務が可能なため、働き易さが大幅に高まり大変魅力的な条件でした。
ただ一点気になったのが、雇用形態。
入社から半年間は有期雇用の契約社員として就業し、問題がなければ半年後には正社員となれる、というものでした。

給与条件等の待遇は正社員と相違ないということで家計上は問題なさそうですが、契約社員であることでやっと入園できた子供たちの保育園の継続に支障が出ないか、という疑問は残りました。
実際のところ、保育園の入園・継続はどのような基準で決定されているのでしょうか。

◆両親の雇用形態は保育園入園・継続には影響しない

結論から言うと、両親の雇用形態は保育園入園・継続には影響しません。
保育園の入園基準は、大きく分けて「基本指数」「調整指数」「父母の住民税額」によって決定されます。

基本的な考え方は、保育の必要な方に対して保育サービスを提供することであるため、就労時間や仕事と育児両立の難易度の高低が判断基準となっており、就労における雇用形態は問われません。
以下に、各基準について詳細を記載します。

  • 「基本指数」は就労など保育が必要な事由に対する指数で、最も重要視される基準です。40点が点数の上限となります。父母のどちらもフルタイム勤務(週5日、8時間拘束以上)のケースで40点満点となります。
  • 「調整指数」は上記を調整する指数で、ひとり親世帯や兄弟で異なる園の在園だと加点が、子供同伴で仕事が可能な環境や保育ができる親族が同居している場合などで減点がされます。
  • 「基本指数」と「調整指数」で同点となった場合は、同じ点数でも「基本指数」で比較したときに高いほうの家庭が優先されます。

それでも同点となった場合に、住民税納付額の低い世帯から優先して入園が認められます。100円単位で税額を比較するそうで、ここで最終的な決定となります。
※こちらで紹介した基準は自治体ごとに異なる場合があります。詳細はお住まいの地域の保育園案内をご参照ください

◆気をつけたい雇用契約上の就労時間

前項のとおり、Aさんのケースでは入社から半年間契約社員であっても、保育園継続にあたっては問題がないことがわかりました。

ただし、別の観点で注意すべき項目があります。
それは雇用契約上の就労時間です。
Aさんは転職先の雇用契約において、休憩含めて7時間勤務での契約を結ぼうとしていました。

一方、現在の勤め先では雇用契約上の就労時間はフルタイムの8時間で、育児を理由とした時短制度を使って7時間勤務をしています。
そのため、今回の就労時間変更で「基本指数」が満点の20点から19点に下がることになります。

待機児童の多い地域で基本指数が下がることは、退園につながるリスクが高いと考えられます。
転職先でも8時間勤務の雇用契約とし、育児等を理由とした時短勤務という立て付けにしてもらうことをお勧めします。

まとめ

今回は、あえて幼稚園を選んだ正社員ママの体験談をご紹介しました。

園によっては、園児の半数程度が幼稚園の預かり保育を利用しているという園もあります。

また、3歳を超えているの上の子は幼稚園の預かり保育利用、下の子は3歳未満で幼稚園利用ができないから保育園、というように兄弟バラバラの送迎に苦労しておられたママさんもいると思いますが、3歳未満でも幼稚園に預けられる園もあります。