子供がいないときは仕事中心の生活をしていた方でも、子供が生まれると私生活はもちろんのこと、仕事に対する価値観も大きく変わるケースは少なくないでしょう。
仕事・育児・ライフスタイルに対する希望のどれかを諦めざるを得ないと考える方も多いかもしれませんが、すべてを理想に近づける工夫をしている方もいます。
自他ともに認めるワーカホリックだったKさんは、子供が生まれたことを機に働き方を見すことにし、理想の働き方ができる会社に転職。やりがいのある仕事にまい進しながらも、自然豊かな環境での子育てを実現させたワーママの体験談をご紹介します。
仕事と育児で忙しいワーママがリモートワークをまじえて自分の望むライフスタイルを実現するためには、どのようにすれば良いのでしょうか。
Kさん(30代)
自営業の夫と娘(3歳)の3人家族。デジタルマーケティングのコンサルティングファームにて、マネージャーとして組織を率いる。出産を経て、現在は都内のIT系企業に転職し、時短正社員としてリモートかつフレックス勤務。
もくじ
同棲時代は、職場へのアクセス重視で都心に住んでいた私たち。都心は通勤や買い物など何かと便利でしたが、子供が生まれてからは、都心から少し離れた空気の良い場所に住みたいという気持ちがより強くなりました。
都心部のは地価の高騰が続いていることに加え、お互い幼少期を地方都市で過ごしたこともあり、もっと自然がある環境に身を置きたいと思っていたのです。
そのとき思い描いていた理想のライフスタイルは以下です。
【住まい】
・空気の良い場所
・高額なローンは抱えたくない
【子育て】
・自然が豊かな環境
・遅くまで保育園に預けたくない
あるとき、たまたま住宅展示場のイベントに立ち寄った私たち。紹介されていたのは、都心から少し離れた場所にある分譲マンションでした。
空気が良くてとても開放的。夫が「住むならここだね」と即断。これも縁だと思い、一目ぼれしたマンションを購入することにしました。
少し郊外なので都心のような多額のローンに縛られることはなく、それも決断を後押しした理由でした。
子供が生まれる前まではかなりのワーカホリックで、仕事の楽しさも苦しさも存分に味わってきました。
郊外への引っ越しと同時に通勤時間が倍になり、これまでと同様に働くことが難しくなったため、働き方の見直しが必要になりました。仕事はやりきった感覚もあったため、育児寄りの生活にシフトしてもいいという考えもありました。
ただ、いつか子供も手が離れる時が来ます。その時に自分がやりたい仕事に就き、いきいきと働ける選択肢を持っておきたかったため、自分の市場価値を高め続けられるような仕事を続けることはあきらめませんでした。
転職の際に重視した条件は以下の3つです。
あくまでも育児や家庭が優先です。家族の時間を確保するため、これは最も重視した条件です。
前職での経験や職種に執着はありませんでした。市場価値が高められて、やりがいを感じられる仕事であればどんなものでも挑戦する気持ちでした。
時間制約がある中で新しい仕事にチャレンジするためには、勉強時間の捻出が課題だと考えていました。
満員電車では通勤時間を有効活用できないため、都心寄りではなく家から近い郊外の勤務地を希望したのですが、転職エージェントに「そんな案件はないですね。」とバッサリ告げられ…。こちらは条件から除外しました。
いくつかの求人を見せてもらい、とくにピンときたITベンチャーの営業職の選考が進み、無事に時短勤務での入社が決まりました。
これまでのキャリアとは違った職種ですが、時短やリモートなど子育て中に最適な制度があったことと、自分のやりたいことにも近い業種だったため、全力で取り組めそうな事業だったことが決め手となりました。
転職条件の最優先にして正解でした。もともとエンドレスに仕事に没頭してしまうタイプなので、もしフルタイムの環境を選んでいたら、転職先でも子育てそっちのけで仕事をしていた状態になっていたと思います。
限られた時間で効率良く仕事をしながらも、娘に対して、我が家の子育て方針を意識し、ある程度時間をかけて子育てができています。
たとえば、近所の土手に行って緑豊かな中で遊ばせたり、自然豊かな公園でピクニックをしたり、毎日家族でおしゃべりする時間を多くもったりといった具合です。
そんな日々の積み重ねからか、最近3歳になった娘は大人が時々ドキッ!とするようなしっかりした発言をします。そんな日常を楽しめるのも、時短勤務で時間的に余裕があるおかげです。
これは条件には入れていなかったのですが、ピンときた会社がたまたまリモート勤務を柔軟に使うことができる会社でした。
朝、娘を保育園に送った直後から、自宅や近隣のカフェでパソコンを広げて勤務スタート。時間も体力も無駄にすることなく仕事に取り掛かれるので、毎日とても助かっています。おかげで、郊外に住むデメリットを極限まで排除できていると感じます。
通勤時間をどう効率的に学習に使うか、などと考えていましたが、そもそも通勤時間をなくすことができました。資格勉強にあてたり家事にあてたり、時間を有効活用できています。
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仕事内容においては、自分の市場価値を高めることを一番の条件としていました。また、年齢を考えると、新しいことにチャレンジするなら今しかないとも。
現職は、IT系の営業職ということで、未経験の職種、業種です。給与面では大幅にダウンしましたが、修行期間の勉強代ととらえています。IT業界は他業界よりもリモートワークの導入率が高く、この業界でキャリアを作っていくことは今後の働きやすさ担保にもつながると考えています。
なにより、事業内容に大きく共感しているため、やりがいをもって取り組めていることに満足しています。
一見大成功のように見える今回の転職ですが、転職して戸惑ったことももちろんあります。
柔軟にリモート勤務が使えるとはいえ、営業先への訪問や社内のミーティングなどで通勤は必要です。そうなると、やはり郊外から都心への移動時間は少しネックに感じます。
当初は電車の中で仕事ができると想定していましたが、セキュリティの問題もあるうえに座れるケースはほとんどなく、スマホで連絡を確認をするくらいで精一杯ですね。
先日なんて、都内からの帰宅が遅くなり子供のお迎え時間ギリギリになってしまい、あせる気持ちからコートを電車の中に置き忘れてきました…。
前職は出産前から長く勤務していたので、時短勤務という限られた時間でも最大限パフォーマンスするイメージができましたし、実際に可能でした。
しかしながら、今回の転職では未経験職種へのキャリアチェンジと時短勤務が同時に訪れました。未経験の仕事を時短でスタートすることの難しさに直面し、苦労しているところです。
業務ツールの使い方をはじめ、業務の前提となる知識もゼロ。成果を出すために必要なスキルも身についていないことが多い状態。すべて手探りの状態ですが、時短勤務だと時間をかけてカバーすることはできません。
未経験の仕事を時間制約があるなかでスタートすることが、これほどまでに苦戦を強いられるものとは思っていませんでした。
しかし私には、そこで右往左往している時間もありません。このタイミングで新しいことにチャレンジすると決めたのは自分です。
ベンチャーでは即戦力が求められるため、少なからずプレッシャーがあります。早く成果を上げたい…!という自分自身へのもどかしさも付いて回りますが、必ずモノにしていこうと自分自身を奮い立たせる日々です。
未経験職種への戸惑いなど多少の不安はあるものの、現在の仕事と育児のバランスはベストな状態です。もう少し子供の手が離れてきたら、仕事寄りにシフトするかもしれません。
今後もそのときどきの自分の理想のライフスタイルを考えながら、仕事か家庭のどちらにも振り切らない、ちょうど良いバランスでやっていきたいと考えています。
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