多くのワーキングマザーが抱えている悩みのひとつに、「仕事が終わらない」ことが挙げられます。保育園のお迎えやその後の育児・家事に追われているワーキングマザーは、仕事が終わらないからといって残業できるとは限りません。どう仕事を進めればいいか悩んでしまう方も多いでしょう。
今回は「仕事が終わらない!」と悩んでいる方に向けて、対処法を紹介します。
もくじ
そもそもワーキングマザーの仕事が終わらないと、どのような影響が出るのでしょうか。独身時代とは異なる働き方を理解するためにも、下記をチェックしてみましょう。
仕事が終わらず残業をしていると、保育園のお迎えに遅れてしまいます。日によってお迎えの時間が大幅に変わってしまうため、子どもの生活リズムが崩れやすくなるでしょう。
また、お迎え時間をオーバーしそうなときは一旦仕事を中断してでも保育園に連絡する必要があり、手間が生じます。万が一延長保育の時間内にお迎えに行けない場合、保育園に多大な迷惑をかけてしまうことも知っておきましょう。
時間の制限がある中で働く必要があることを理解し、仕事のスケジュールを調整することが不可欠です。
お迎えの時間が遅くなると、子どもと遊ぶ時間がなくなります。夕食・お風呂・就寝までノンストップになることが多く、夕方から夜にかけての時間帯がバタバタしがちです。本当は時間をかけて子どもと遊んだり話を聞いてあげたりしたいと思っていても、なるべく安定した生活リズムを構築するため後回しにせざるを得ないのです。
また、「もう21時を過ぎてる!」と時間を気にしてイライラすることも増えがちです。ゆったりした気持ちで子どもと向き合うためにも、仕事は時間内に終わらせてお迎えに向かいましょう。
残業が続いてお迎えが遅くなると最低限の育児だけで手一杯になり、家事がおろそかになります。家族で分担しても手が回らず、家が乱雑になってしまうかもしれません。
もちろん、家事を完璧にこなそうと考えず、時には手を抜くことも大切です。しかし自分が理想とするレベルの掃除や料理ができないことが原因となり、ストレスを感じる方も多いものです。
残業は育児だけでなく家事にも影響することを理解し、最低限に留めていきましょう。
疲れが取れず、翌日の業務に集中できなくなることも懸念点です。残業をしてから保育園のお迎えに行くとその後の時間帯がバタバタしやすくなり、やりたい家事が後回しになることが多いです。子どもを寝かしつけた後に家事を片付けているうちに、睡眠時間が短くなってしまうでしょう。慢性的な寝不足状態に陥りやすく、集中力を欠いてさらに仕事が終わらなくなる「負のループ」に突入します。
また、慢性的な寝不足は体調不良の原因になります。日々パワフルに過ごすためにも、寝不足が天敵であることを知っておきましょう。
「仕事が終わらない」ということは、想像以上のプレッシャーになります。育児・家事に与える影響を考えてストレスを抱えたり、仕事を肩代わりしてくれる上司・同僚への申し訳なさで落ち込んだりすることもあるでしょう。家族にも職場にも迷惑をかけていると悩んでしまい、気持ちも暗くなってしまいます。
ママ自身の精神状態を健康に保つためにも、仕事は時間内に終わらせることが理想です。仕事が終わらない原因を探り、対策していきましょう。
時間内に仕事が終わらない原因として、下記3つが挙げられます。
それぞれの例を挙げていくため、自分に当てはまる項目を探っていきましょう。
まずは、自分の働き方に原因がある原因をピックアップします。職場や環境を変えても仕事が終わらない状態が続きやすいため、早めの対処が必要です。
タスクや優先順位を可視化できていない場合、非効率的な仕事になりやすいです。
例えば自分が担当すべきタスクを見落としていると、仕事の抜け・漏れにつながります。周りに指摘されて初めて気づき、急ぎでタスクを消化するなどその場しのぎの仕事が多くなってしまうでしょう。仕事のクオリティも下がるため職場内の信頼を損ねやすく、居心地が悪くなってしまいます。
また、優先順位を見誤ったことが原因で残業が生じることもあります。「今日中に終わらせなければいけない仕事がある」という状態を回避し、余裕を持ったスケジューリングをしていきましょう。
業務上のミスが多いことも、仕事が終わらない原因になります。
ミスを修正したり1から仕事をやり直したりする手間が生じるため、ひとつのタスクを完了させるまでの時間が何倍にも膨れ上がってしまうでしょう。「仕事が遅い」と思われることも多くなり、誰にとっても得のない結果となってしまいます。ミスが原因でトラブルが生じた場合、トラブルへの対処やクレームの沈静化を図るためさらなる時間が必要です。
本来やりたかった業務も後回しになってしまうことが多く、どんどんスケジュールが遅れてしまうのです。
体調不良・ストレス・慢性的な疲労を抱えている場合、業務への集中力を欠いてしまいます。
確認漏れによるタスクの見落としやミスコミュニケーションが増え、「うっかりミス」が生じます。ミスをカバーするために本来必要でなかった業務が発生することも多く、仕事を増やす原因になりかねません。
また、体調不良で欠勤して仕事が溜まってしまうことも想定できます。仕事に臨むコンディションが万全か、改めて振り返ってみましょう。
職場に原因があり、仕事が終わらないケースもあります。自分の工夫だけでは限界があることが多いですが、下記をチェックしてみましょう。
業務量そのものが多く、自分だけでなく他の社員も仕事を大量に抱え込んでいるケースです。
全員が忙しいため細かなコミュニケーションを取る余裕もなく、風通しの悪い職場環境になることも懸念されます。残業が常態化しているからこそ、残業を断りづらい空気が漂うことも多いです。「みんな頑張っているのだから自分も残業しなければ」と思いやすく、仕事が終わらない状況が続いてしまうのです。
業務の割り振りが適切でないことも、仕事が終わらない原因になります。特定の人にだけ業務が集中している一方、手が空いて暇な人がいる場合はここに当てはまるでしょう。
他にも、時短勤務しているワーキングマザーであるにも関わらずフルタイムレベルの業務量が課せられているケースがあります。残業が前提の業務になっていないか計算し、相談していく必要がありそうです。
自分にしか担当できない業務が多いと、業務の割り振りに支障が出ます。「私がいないと仕事が回らない」という属人化が起こりやすく、同僚を頼れる環境ではなくなってしまいます。
また、退社後に緊急の連絡がきて自宅で仕事をするなど、持ち帰り残業につながりやすいことも注意が必要です。仕事とプライベートのオン・オフが切り替えづらくなるため、働き方の見直しが求められます。
慢性的な人手不足におちいっている場合、社員ひとり当たりに任せられる業務量が多くなります。専門外の業務も担当するシーンが増え、効率のよい働き方ができません。固定給の低さ・福利厚生の充実度合い・教育制度・人事評価制度などが原因での人手不足であれば、会社の体制を見直さなければいけません。
一方でワーキングマザーひとりの声で抜本的な見直しがされることは少なく、やり場のない悩みを抱えやすくなってしまいます。
働く環境に原因があり、仕事が終わりづらくなっていることも考えられます。下記に当てはまる場合は、環境の見直しが必要になるかもしれません。
自宅とオフィスの距離が遠く、通勤時間が長いと働ける時間が短くなります。時間が限られているため任せられた仕事を完遂できず、やり残しが増える原因となります。自分が退勤した後に開催された会議の議事録に目を通したり、時間外に届いた連絡をチェックしたりする手間も生じます。
工夫を凝らして業務を効率化したとしても、時間の制約が大きいことは不利になることを知っておきましょう。
保育園の延長保育枠が短い場合、早めにお迎えに行く必要があります。その分仕事も早めに切り上げなければならず、働ける時間が短くなってしまうでしょう。働ける時間に応じた業務量が割り振られるとは限らず、仕事を抱え込むことが多くなります。
延長保育枠が短い場合は、あらかじめ時短勤務を検討しておくことが大切です。職場との相談が不可欠になるため、育休復帰時や転職時などに相談しておきましょう。
仕事と育児・家事を両立させるためにも、時間内で確実に仕事を終えることが理想です。下記では改善できるポイントや対策法を紹介するため、今「仕事が終わらない!」と悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
スケジュールの工夫次第で、仕事のしやすさは大幅に変わります。自分の働き方に原因がある場合、効率よく進めるコツを学んで実行していきましょう。
タスクを洗い出し、ひとつずつ正確な作業時間を計算してみましょう。優先順位も加味してスケジュールに落とし込んでいけば、いつ何から着手すべきか可視化できます。緊急案件や突発的な依頼に備えてスケジューリングすれば、余裕も生まれます。
また、業務の進行状況を把握し、都度細かく予定を組み替えていくことも重要です。「理想的なスケジュール」ではなく「実態に即したスケジュール」を作ることを念頭に置き、ズレを修正していきましょう。
事前準備を徹底することで、ミスや非効率を減らすことが可能です。
例えば、会議が始まる前に自分の意見や言いたいことを整理・整頓しておくことで、会議時間の短縮ができるでしょう。参加メンバーと事前に意見をすり合わせたり、前回会議で生じた疑問点を調べたりすることも有効です。朝の5分間を使って今日の業務を見直すことも、効率アップにつながります。
仕事を質を高めるための準備・段取りを意識し、行き当たりばったりな仕事を減らしていきましょう。
分からないことや確認事項は、早めに質問しておくことが得策です。後になって「オーダーと違う」などのミスマッチが発覚してやり直したり、トラブルになって対処に追われたりする事態を防ぎやすくなるでしょう。
上司・同僚との密なコミュニケーションは、ミスの予防にも役立ちます。日ごろから報告・連絡・相談する意識を徹底し、臆さずどんどん質問していくことが大切です。
一人で仕事を抱え込みすぎず、まわりに頼ることもポイントです。他の人でもできる仕事は積極的に割り振ったり、ノウハウやナレッジを共有したり、チームで働くことを意識するとよいでしょう。どうしても仕事が終わりそうにないときは早めにヘルプサインを出し、手を借りることも重要です。
いつ期限の仕事がどこまで進んでいるか常に共有し合う癖をつければ、カバーし合うことも容易です。
職場環境を整え、働きやすい会社づくりをしていく方法もあります。上司への相談が不可欠ですが、ひとりではできない改善策になるかもしれません。
業務の割り振りを見直してもらい、業務量そのものを調整する方法です。
上司や同僚に割り振る、単純作業をアルバイトやパートの社員に依頼する、アウトソーシングを依頼するなど、多彩な手段を提案してみましょう。
パフォーマンスへの影響やコストなども鑑みながら、最適だと思われる選択肢を選んでもらえます。
特に、時短勤務で働く場合は必須の項目だと言えるでしょう。
時短勤務なのにフルタイム同様の働き方を望まれている場合、無理が生じる可能性がとても高いため要注意です。
チーム制で仕事をするなど、ひとりにかかる責任やプレッシャーを分散する方法です。仕事が終わらないときに、チームメンバーの助けを借りやすくなるでしょう。自分に余裕があるときはチームメンバーのヘルプをして助け合ったり、同じワーキングマザー同士でシフト調整したりすることも可能です。
数人で編成された小さなチームであれば、コミュニケーションや情報共有もしやすくなります。部署内での会議などで、提案してみましょう。
残業を免除してもらい、定時ぴったりに退社する方法です。育児・介護休業法第16条の8 第1項では、3歳に満たない子を養育している社員は原則として所定労働時間を超えて働かせることはできないと規定されているため、相談してみるのもひとつの手段です。
しかし、「残業を免除してもらえる=仕事を時間内に終わらせなくても構わない」ということではありません。残業の免除はあくまでも保育園へのお迎えに遅れないための手段だと心得て、仕事を効率化するための手段は別に検討した方がよいでしょう。
時短勤務にして、業務量を調整してもらう方法です。こちらも育児・介護休業法23条にて、3歳に満たない子を養育している社員から要望があったときは時短勤務を適用することが義務付けられているため、相談してよいでしょう。
時短社員は働ける時間が限られているため、業務量も少なめになることが多いです。残業も断りやすく、ワークライフバランス重視の働き方ができます。また、時短社員でもパフォーマンス次第では昇給・昇格できるよう制度を整えている会社も増えています。会社の制度を調べながら、時短勤務の可能性を探っていきましょう。
今いる部署の業務量が極端に多い場合、部署異動することも選択肢のひとつです。自分の知識や経験が活かせる部署が他にあれば、異動願を出してもよいでしょう。
ただし、異動願が必ずしも受け入れられるとは限りません。会社も人事戦略と反する場合は希望が通らないこともあると知っておきましょう。
自分でできる工夫や会社への相談など、ありとあらゆる手を打っても解決できない場合は転職を検討してみましょう。ワーキングマザーに限らず働きやすい環境を求めて転職する人は多く、他の会社に目を向けてみると新たな選択肢に気づけるかもしれません。
特に、残業が少ない・テレワーク制度やフレックスタイム制度導入済み・土日祝休みの企業はワーキングマザーからの人気が高いです。なかにはワーキングマザー向けに独自の福利厚生を整備している企業もあるため、仕事探しをするときの参考にしてみましょう。
仕事が終わらない状態が長く続くと、育児・家事に支障が出るだけでなく自身のストレスも蓄積します。仕事の進め方を工夫したり会社に相談したりしながら、効率よく仕事を終わらせていきましょう。
どうしても家庭に影響が出てしまう場合、転職を検討することもひとつの手段です。ワーキングマザーが働きやすい会社を探し、理想の環境を求めて転職活動してみましょう。
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