様々な理由から育休中に退職することを決めるママも少なくありません。なかなか周りにも相談しづらい育休中の退職ですが、実は損をしない退職日の選び方や失業給付についてなど知っておくべき制度がいくつかあります。この記事では育休中の退職を検討しているママに向けた、退職日の最適なタイミングや失業給付の受給方法などについて解説します。
もくじ
ここでは、育休中の退職と育児休業給付金の取扱いについて解説します。
そもそも育休中の退職ができるかについてですが、法律的にも特に問題なく退職することができます。ただし職場ではあなたの復職にむけて体制が組まれている場合もありますので、退職時にはその辺りも考慮して退職意向を伝えると望ましいですね。
やむを得ない理由から育休中に退職した場合でも、育休明けすぐに退職した場合でも基本的には給付金の返還は不要です。ただし、育児休業給付金はあくまで職場復帰を前提として設けられている制度の為、初めから退職予定だった場合は対象外となります。なお育休中に退職した場合は、それ以降の育児休業給付金は受給できません。
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育休中の退職においては、退職日を数日ずらしただけで損をしてしまう場合もあります。ここでは育児休業給付金の支給単位期間の概要と、損をしない退職日の設定について解説します。
支給単位期間とは育休開始日から起算し1ヶ月ごとの期間のことをいいます。たとえば6月15日から育休を開始した場合は、6月15日~7月14日が最初の1支給単位期間となります。育児休業給付金は、この支給単位期間ごとに計算され支給されているため、退職する場合は退職日をいつにするかによって最後の支給単位月が変動します。
基本的に退職日が含まれる支給単位期間の育児休業給付金は受給できません。ただし、支給単位期間の末日に退職日が設定されていれば、退職日を含む期間も受給できます。
例えば、育休開始日が6月15日で3ヶ月ほど育休を取得後、やむを得ない理由から9月中旬に退職したケースで考えてみましょう。
この場合、各支給単位期間は以下の通りになります。
支給単位期間1:6月15日~7月14日
支給単位期間2:7月15日~8月14日
支給単位期間3:8月15日~9月14日
退職日が含まれる支給単位期間分は受給できないため、最後の育児休業給付金は7月15日~8月14日の支給単位期間分になります。
支給単位期間の末日に退職日が設定されているため、退職日を含む期間も受給可能です。その為、最後の育児休業給付金は8月15日~9月14日の支給単位期間分となり、退職日を13日にした場合と比べ、1ヶ月分多く育児休業給付金を受給できます。
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育休中に退職した場合、退職後に失業給付を受け取ることは可能なのでしょうか?また失業給付を受給する場合の条件や、失業保険の申請方法もあわせて解説します。
失業給付が受けられる基本的な条件は、離職前の2年間に雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上あり、かつ再就職の意志があることになります。育休中の退職であっても上記を含む条件に合致していれば、基本的に失業給付を受け取ることができます。育休明けの注意点としては、支給額の算出対象が育休前の6ヶ月間に支払われた給与になることです。育休中は会社からの給与はほとんど支払われないことが多く(育休手当は国の雇用保険からの支給です)、育休中の給与から算定した場合、非常に少ない支給額になってしまうためこのようなルールになっています。この給与を基準に計算したうえで失業給付の金額が決定されます。
失業保険の申請は、住所地を管轄するハローワークで行います。まず、ハローワークで「求職の申込み」を行ったうえで、「雇用保険被保険者離職票」を提出します。その際には、以下の書類が必要です。
申請確認後に審査が行われ、通過すれば「受給資格」が決定されます。そのうえで、「雇用保険受給者初回説明会」が行われ、失業保険の給付が開始されます。
詳しくは以下のハローワークインターネットサービスのページでも確認できます。
>>関連ページ: ハローワークインターネットサービス雇用保険手続きのご案内
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育児休業給付金は、設定した退職日によって受給額が変動します。そのため、育休中に退職する場合は損をしないタイミングに退職日を設定することも重要です。また退職後、働く意欲がありその他の条件に合致する場合は、育休後でも失業給付を受け取ることが可能です。育休中の退職に関する正しい知識をもって制度を活用したいですね。