学童保育に通えば、これまで通り仕事を続けることができると思っていたのに…。 学童の送迎や宿題サポート、頻繁な学校行事への対応など、こんなに多くの問題があったなんて!
思ったよりも困難が多かった小1の壁に立ち向かい、親子で話し合いながら解決したNさん。今回は、親子に立ちふさがった小1の壁を解決したワーママの体験談をご紹介します。
Nさん(30代 保育士 子供2人)
夫と小学校1年生の息子、保育園に通う3歳の娘の4人家族。正職員・フルタイムの保育士として勤務。
もくじ
私が住む京都市は比較的待機児童の少ない地域で、二人の子供たちも苦労せず保育園と学童保育に入ることができました。
小学校に入学する前は、学童保育にさえ入ることができれば、これまで通り仕事を続けることができると思い安心していました。
しかし「小1の壁」は、学童保育に入れただけでは立ち向かえないくらい高い壁だったのです。
私が働いている保育園はシフト勤務制で、遅番の場合は19時まで勤務があります。一方で、息子が通う学童保育は終了時間が18時30分。この時間までにお迎えに行けない場合は、17時の集団帰宅でほかの子供たちと自宅に帰ることになります。
このことは事前にわかっていたことだったので、我が家では入学直後から息子に鍵を持たせることに。17時にほかの子供たちと帰宅後、私が帰宅するまで留守番をしてもらっていました。
ところが17時に帰宅するお友達はママの仕事が早めに終わる子や、自宅に祖父母がいる子供ばかり。完全な鍵っ子は我が家の息子のみでした。はじめは鍵を持つことを楽しみにしていた息子もだんだんと不安になり、入学後1ヶ月でお迎えに来てほしいと泣いて訴えるようになってしまったのです。
仕事を早く上がれるようシフトを調整して何とか対応しましたが、長期間は無理と言われ頭を抱えてしまいました。
保育園は基本的に共働き家庭しかいないので、保育園の行事は週末に設定されることがほとんどでした。保護者会も土曜や夕方以降に開催されるなど、仕事を休まなくても行事に参加できていました。
しかし、小学校の行事はそうはいきません。運動会のみ土曜日に開催でしたが、それ以外の行事はほぼ平日開催でした。授業参観や学習発表会、給食試食会、年度初めや学期末などには家庭訪問や個人面談もあり、息子の通う小学校ではすべて平日の日中に開催されます。
平均すると月に1~2回は子供の行事のために仕事を休まなくてはいけなくなります。さらにPTA役員の活動をしたり、保育園に通う下の子がいたりすると、ますます仕事を休む頻度は多くなるでしょう。
息子はかなり甘えん坊で授業参観には必ず来てほしいというタイプなので、仕事のやりくりがとても大変です。忙しくて休みが取れず、学校行事に参加できず息子に怒られたこともあります。休んでばかりで職場でも肩身が狭くなりますし、子供の行事に行けなかったことに対する自己嫌悪もあり、よく落ち込んでいました。
ワーママにとって、帰宅後の家事はスピード勝負ですよね。我が家には息子のほかに3歳の娘もいるので、夕食の準備、お風呂、寝かしつけと大忙しで、ゆっくり座る暇もありません。
そんなときに息子から宿題チェックを要求されるとイライラがマックスに達してしまうことがあります。小学校の宿題は1年生からほとんど毎日出ます。入学してすぐは宿題に慣れていないため、私がつきっきりで一緒にしていました。それだけで毎日1時間程度は費やされてしまいます。仕事から帰宅後の1時間が失われるのは、ワーママにとってはかなりの痛手ですよね。
だんだんペースがつかめてくると一人で宿題をするようになりましたが、プリントのマル付けや音読確認などは各家庭でするように小学校から言われています。チェックのたびに家事の手を止めなければいけません。
また、忘れ物が小1のあいだは非常に多いです。教科書や筆箱の中身、体操服の有無など毎日子供と一緒に確認する作業はかなりの負担でした。
学童のお迎えが間に合わないという問題に対しては、習い事をさせることで対応しました。あるとき先輩ママから学童保育のお迎えに間に合わない子供は、学童の後に習い事をすることで対応していると聞き、早速我が家も取り入れることに。
学童保育の集団帰宅の時に自宅ではなく習い事に向かい、習い事の場所に親がお迎えに行くという方法です。もともと小学校に入ったら何か習い事をさせたいと漠然と思っていたので、この解決方法は我が家にぴったりでした。
候補として、一定の月謝で毎日通えるそろばん塾、書道教室、個人塾がありました。息子とも相談して、宿題もできるという個人塾に毎日通わせることにしました。これで、私が遅番の時も、息子を寂しがらせずにお迎えに行くことができるようになりました。同じ学童から一緒に塾に行く友達もでき、毎日楽しそうに通っています。
この塾では、宿題のチェックもしてくれるので家庭での宿題チェックの時間を大幅にカットできたことも大きいです。
毎月の予定は学校のお便りで知らせてくれますが、お便りをもらった翌週に突然行事が組まれていることもあり、仕事の調整が間に合わないことも多々あります。
そこで年間予定表を確認し、かなり先の予定まで把握するようにしました。数ヶ月先を見越して早めに休みの希望を伝えておくと、職場の理解も得やすいように思います。私自身も月単位ではなく年単位で予定を考えるようになり、余裕をもってスケジューリングができるようになってストレスが減りました。
また、行事には優先順位をつけて息子とも事前に話し合うことで、すべての行事に参加しなくても良いとすることにしました。具体的には、運動会や学習発表会のような大きなイベントには参加すること、授業参観のように年に数回ある行事は行く月と行かない月を決めるというようにしています。
息子も前々から行かないと伝えておくと、納得してくれるようになりました。家庭訪問や個人面談は担任にも仕事の状況を伝えし、なるべく早く予定を伝えてもらうようにお願いしたところ、快く対応してもらえました。
我が家は私・夫・息子・娘の四人家族ですが、夫は朝が早く夜も遅いため、平日は完全にワンオペ育児です。息子が小学校に入学してからは生活のリズムがなかなか整わず、家の中は荒れ放題で、やらなければいけないことばかりが山積みでした。
保育園はワーママに優しく忘れ物をしたり提出物が遅れたりしてもどこか大目に見てもらっていましたが、小学校はそうはいきません。働いていないママもたくさんいるので、ワーママにばかり配慮できないのは当然でしょう。
そこで、私はこの積りに積もったさまざまなタスクを解決するために、息子に家庭での役割を与えることにしました。具体的には、毎日のお風呂掃除と洗濯ものの片づけをお願いしました。
たったこれだけのことですが、格段に家事が楽になりました。山積みのやることリストの中から、一つか二つ減るだけでも心が軽くなります。息子も不器用ながらも毎日しっかりと手伝ってくれています。長女ももう少し大きくなったら何かお手伝いをしてもらおうと考えています。
家族が助け合っているという雰囲気ができ、親と子の絆も強まりました。小学校1年生になったら、できる範囲から子供に家事を手伝ってもらうのはおすすめですよ。
小1の壁はそれぞれの家庭によってさまざまだと思いますが、私は予想したよりもずっと高かったです。
息子が寂しがったり私のストレスがたまったりするたびに仕事を辞めようかと考えましたが、この壁を乗り越えたら今後もずっと働き続けることができると思い、何とか踏ん張りました。
小1の壁を乗り越えるのは私一人の力では無理だったと思います。支えてくれるまわりの環境はもちろん、子供自身の力も借りることが小1の壁に立ち向かう方法であり、一緒に解決することで親子ともに成長できる機会だと考えています。
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