最近よく耳にする「フレックスタイム制」。始業・終業の時間を自分で自由に決めることができる働き方のことです。
この働き方は、共働き家庭において大変便利な勤務形態です。上手に利用すれば、無理なくフルタイム勤務が可能になる場合もあります。
今回は、夫は勤務時間固定、妻はフレックスを活用してフルタイム勤務をしている共働き家庭にインタビューをしました。フレックス勤務のメリット・デメリットや、フレックス勤務をするママの1日のスケジュールをご紹介します。
もくじ
フレックスタイム制(以下「フレックス」)とは、 各日の始業・終業時刻を自分で決定できる制度です。
会社によっては、始業時刻だけでなくその日の実働時間を自由に決めることができる「マンスリーフレックス」「スーパーフレックス」と呼ばれる制度を設けていることもあります。
マンスリーフレックスの場合は、1日8時間働く必要はありません。たとえば1ヶ月間で合計160時間勤務の場合、ある日は1日6時間、ある日は1日10時間といった形で労働時間を自分で決定し、合計で月間160時間になるように調整することができます。
一言で「フレックス」といっても会社によって運用体制はさまざま。コアタイム(必ずオフィスにいなければならない時間)がある会社・ない会社、1日8時間は必ず実働しないといけない会社、マンスリーフレックス制のように1ヶ月間の総勤務時間の帳尻が合えばOKな会社などがあります。
Yさんのご家庭はママのYさんがマンスリーフレックス勤務、パパが勤務時間固定の会社で勤務しています。
Yさん「夫が勤務時間固定だったので、私はフレックスを活用して、朝型勤務にしていました。夫婦で送りとお迎えを分担して、子供を保育園に預ける時間をなるべく短くしています。
フレックス勤務で朝早くから勤務開始し、早めに退勤して家事・育児に時間があてられるよう工夫しています。」
【1日のスケジュール】
パパ:勤務時間固定、9時半~18時半(営業マネージャー)
ママ:フレックス勤務、通常7時半~16時半くらいで勤務(事業開発)
【 6:00】ママ:起床・朝食
【 6:45】ママ:家を出る
パパ:子供とともに起床・朝食準備・朝食
【 7:30】ママ:勤務開始
【 8:30】パパ:保育園送り・出社
【 9:30】パパ:勤務開始
【16:00】ママ:退勤
【16:45】ママ:保育園お迎え
【17:15】ママ:帰宅・夕食準備
【18:30】ママ:夕食・片付け
【19:30】ママ:子供と入浴・子供と遊ぶ
【20:30】パパ:退勤
【21:00】ママ:子供の寝かしつけ
【21:30】パパ:帰宅・夕食・家事(洗濯・保育園準備など)
【22:00】ママ:就寝
ママはもちろんですが、ママに限らず共働き家庭で夫婦どちらかがフレックス勤務するメリットはたくさんあります。
ママが家庭と仕事を両立するとなると、時短勤務が一般的。フレックス勤務だと勤務時間の前倒しが可能なので、収入を減らさずにフルタイム勤務しながら家庭との両立が可能です。
保育園の保護者会に出席する場合、時間固定勤務ですと「有給を半日取得して出席」となりますよね。でも、フレックス勤務だとその必要がありません。
当日は早めに仕事を切り上げて保護者会に顔を出し、勤務時間が足りない分はほかの日に少し早く出て埋め合わせをすることができます。
同様に、「朝起きたら子供の鼻水がひどい。風邪を悪化させないように、病院に連れて行ってから出社しよう」といった場合に、勤務時間に縛られることなく子供に最善を尽くせるので助かってます。
フレックス勤務は仕事上でも利点があります。これは朝型勤務の利点とも言えますが、朝はオフィスにほとんど人がいないため、集中できてとても仕事がはかどりますよ。電話がかかってくることもありません。
午前中にはその日のマストの仕事が片付き、午後はメンバーのサポートをするなど仕事に余裕ができるようになりました。
また、勤務時間中の中抜けもできるため、直接業務とは関係ないけれど今後のキャリアアップに繋がるようなセミナーや、有識者の方のお話を聞きに行く時間が作れます。
仕事の合間に歯医者さんにいけるのも助かっています。子供がいるとなかなか自分の病院に行けないので、平日昼間に通院を済ませることができるのはありがたいです。
家事・育児は基本的に「朝が夫・夕方が私」と時間で分担しています。夫に朝早めの時間で仕事が入った場合には、私の出社時間を遅らせる事で対応しています。
私が保育園送りを担当するときにいつも思うのは、フレックスのおかげで登園時にストレスを感じることがないと感じています。子供がグズって準備が進まないってあるあるだと思いますが、その場合も「早く、早く!」と焦らずにすみます。
フレックスは遅刻という概念がないため、いつも心に余裕を持って子供を送り届けることができています。
フレックスだからといって、特に業務で困ることはありませんね。私の部署では特にコアタイムの設定はありませんが、メンバーが集まりやすい昼食前後の時間に打ち合せを行っています。
また、朝や夕方はみんな揃わないもの、という共通認識ができ上がっているので、深い議論が必要な内容は昼の時間にミーティングを設定します。
それ以外の時間はチャットシステムを使って、各自都合の良い時間で連絡を取り合うようにしています。
フレックス勤務のデメリットをあえてあげるとすれば、自己管理能力や調整力が問われるということでしょうか。
業務の忙しい時期とそうでない時期をあらかじめ見すえて、1ヶ月の中での勤務時間を調整する必要があります。
また、個人プレーで仕事をするわけではないため、打ち合せや共同作業が必要な業務については、関係者とのスケジュール調整が必要です。
ただ、これは固定時間で勤務する場合も必要な能力なので、フレックスのデメリットとして強調することではないかもしれませんね。
新しい働き方のひとつとして、ママおよび共働き家庭におけるフレックス勤務をご紹介しました。
収入を減らすことなく、家事育児の必要な時間帯に合わせて仕事の時間調整ができるため、子育て家庭にとっては大変メリットの多い制度です。
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