育休復帰を予定していたものの、実際に育児を経験してみると想像以上に大変で「仕事への復帰は難しい…」と悩んでいるママも少なくないでしょう。そこで今回は、仕事復帰が難しい場合に育休明けすぐの退職は可能なのか、また育休後の失業手当や転職について詳しく解説します。育休後の退職についてどうしようか悩んでいるママは、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
育休明けにすぐ退職することは法律上何ら問題はありません。育休中の体験を通して育児の大変さなどに気づくこともあるため、復職についての考えが変わることは仕方のないことです。実際に平成30年度雇用均等基本調査によると、平成29年4月~平成30年3月の1年間の育休終了後に退職したママは10.5%います。10人に1人が育休明けに退職しているということですね。もちろん育休は復職を前提にしているため、実際に退職する場合はその辺りも考慮して周囲へ対応する必要があります。
さまざまな理由で育休後の職場復帰を断念する場合がありますが、退職の意向を伝える時期や伝え方には十分配慮が必要です。会社は職場復帰することを前提としているため、伝える時期が遅くなればなる程、人員確保や仕事のスケジュール調整などに影響が出てしまいます。そのため退職する意向が決まったら、退職予定日の1~2ヶ月前までには退職意向を会社に伝えましょう。また退職の意向を伝える際、会社に対する否定的な内容を退職理由にするのは避けましょう。会社への不満があったとしても育児の理由や今後のキャリア開発など前向きな理由を伝える方がスムーズに退職を進めやすくなります。
育休明けに退職すると、保育園入園の内定が取り消される場合があります。これは、退職後働いていなければ入園させる必要がないと判断されるためです。そのまま転職した場合には、保育園入園の内定が継続される自治体も多いですが、一部の自治体では元の職場に一度復帰して一定期間在籍することを求められることもあります。保育園の入園については自治体によって規定が異なるため、お住まいの自治体の規定を必ず確認しましょう。
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次に育休明けに退職する場合、育児休業給付金はどうなるかについて解説します。
育休中の退職や育休明けすぐの退職であった場合でも、基本的に給付金は受け取ることができ、退職後も返金の必要はありません。ただし、育児休業給付金は本来復職を前提とした制度であるため、はじめから復職しないつもりで育休を取得し退職した場合は、返金を求められる事もあるので注意しましょう。
育休期間中に退職を申し出ると、その時点で育児休業給付金の支給は終了します。また、社会保険料の免除も受けられなくなり、支払いが始まっていきます。そのため育休期間中の退職は、金銭面で損をすることが増えるでしょう。
さらに、退職日によって給付金が支給されるかどうかが異なるため注意が必要です。育児休業給付金の支給は1ヶ月単位の支給単位期間をもとに計算されています。仮に6月10日に育休に入った場合、6月10日~7月9日までの期間に対して給付金が支払われます。そのため、次月の7月に退職する場合、退職日を7月8日以前に設定してしまうと「育休期間を全うできていない」とみなされ、6月10日~7月9日の1ヶ月分の支給を受けられなくなってしまいます。逆に退職日を1日づらし7月9日にした場合は、6月10日~7月9日の1ヶ月分を受給することができます。
育休期間を全て使い切った後に退職した場合は、育児休業給付金は満額支給され、社会保険料の免除も最大限活用することができます。ただし、先述のとおりはじめから復職するつもりがなく受給した場合は返金しなければなりませんのでご注意ください。
育休期間満了後に予定どおり復職すれば、当然育児休業給付金は満額支給され、社会保険等の免除も最大限活用できます。しかし一度は復職したものの、思うように育児との両立ができずに退職を考える人も少なくありません。一度復職しているので復職した期間の長さに関係なく、育児休業給付金の返金は一切不要です。
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育休明けに退職した場合、育児休業給付金の支給も終了し金銭的に不安になるかもしれませんが、条件を満たせば失業手当をもらうことができます。失業手当が支給される条件は2つあり、1つは再就職する意思があること、もう1つは退職前の過去2年間で雇用保険に1年以上加入していることです。
また直近2年間で出産・育児などにより働けない期間があった場合は最大4年まで遡って加入状況を算定してもらうことができます。条件に当てはまる場合は、お住まいの地域のハローワークで申請手続きをすることが可能です。失業手当をもらうことができれば、退職後の求職活動も慌てず自身のペースで進めることができますのでぜひ活用したいですね。
なお育児や病気等が理由で求職活動をすぐに進めることが難しい場合、受給期間の延長を申請することができます。いずれのケースでも再就職の意思がある場合は、早めにハローワークにて申請手続きを行いましょう。
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育休期間中に転職活動を行い、育休明けすぐに転職するということも可能です。実際に、育児とは両立しづらい職場であるなど、さまざまな理由から育休明けすぐの転職を検討する人は少なくありません。
育休中の転職活動は育児に時間は取られるものの、復職後の転職に比べ活動時間の確保がしやすくなり、新しい仕事へ向けての良い準備期間となるでしょう。また、一旦復職したものの、両立が難しくすぐに転職活動をはじめた場合、ママの体力的な負担が大きくなるだけではなく、仕事の引継ぎなどを行った現職の職場にも負担となってしまうこともあります。そのため育休中に転職活動を進めるママも増えてきています。
ただし、育休中・育休明けの転職は「子供の預け先が決まっている」ことが前提です。採用する企業としても、子供の預け先が決まっていないと採用後実際にどのような働き方になるのかが不透明で、採用に踏み切りづらい為です。そのため転職活動は、保育園入園の内定が出る2月~3月が最も適したタイミングになります。
育児をしながら行う転職活動は、育休中・育休明けどちらの場合でも思うように進めることは難しいでしょう。円滑に転職活動を進めたい場合には、ワーママ専門のエージェントを活用するのも1つの方法です。エージェントを活用することで求人のピックアップや日程調整などの手間を省くことができます。またワーママ専門のエージェントであれば、時短で働ける正社員の求人や育児支援体制が整っている企業の紹介など、子育て中のママにとって働きやすい条件での転職をサポートしてくれます。
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本文でも紹介した通り、育休中に復職について悩み、育休明けすぐに退職してしまっても法律的には何ら問題はありません。しかし復職を待ってくれている職場への配慮や、保育園の入園についての課題も出てきます。そのため退職を決断する際は、活用できる制度やその他の選択肢についても十分に考慮することが重要です。また退職を機に仕事と育児の両立がしやすい職場へ転職するというのも一つの選択肢になるでしょう。
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