育休明け・育休中に転職するときのポイント
「元いた会社は子育てとの両立に向かない」「物理的に復職できない事情ができてしまった」などを理由に、育休開け・育休中に転職するワーママは意外と多いです。
とはいえ育休開け・育休中の転職はマナー違反だと思われてしまうこともあるため、躊躇う人も多いでしょう。
ここでは、育休明け・育休中に転職するときのポイントを解説します。
育休明け・育休中に転職することは問題ない!
大前提として、育休明け・育休中に転職することは全く問題ありません。
「育休を取らせてもらったら一度は復職しないと…」「復職してから最低でも1年は働いてから転職しないと失礼かも…」と考える必要はありません。
労働者であれば誰もが自由なタイミングで転職できるので、産休・育休の取得実績と転職タイミングとは切り離して考えてよいでしょう。
ママだけでなく、男性であるパパも同様に育休明け・育休中に転職することができます。
労働法上の制限もなく、虚偽での育休給付金受給など明らかに不当な理由がない限り育休給付金の返還を求められることもないので安心です。
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転職活動は保育園が決まり次第すぐがベスト!
育休明け・育休中に転職するタイミングは、保育園が決まり次第すぐがベストです。
子どもの預け先がないと、内定を得てもすぐに就業することができず、入社時期の相談もできません。
そもそも転職面接などに割く時間も捻出しづらく、効果的な転職ができないことも多いので要注意。
「内定を出そうにも出せない」と双方がジレンマに駆られてしまうので、まずは預け先の確保が急務です。
また、育休中の転職は保育園の内定に影響する場合があります。
市区町村によっては離職中だと合否審査時の点数が下がってしまい、そのまま再就職しづらくなることもあるので注意しましょう。
4月転職を狙うなら12月頃から、保育園の入園時期が曖昧なら2月頃から、など家庭の都合と照らし合わせて転職活動の開始時期を計算しておくのもポイントです。
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退職と同時に育休給付金は支給停止となる
育休給付金受給中に転職する場合、当然ながら前職の退職日をもって育休給付金も打ち切られてしまいます。
満額受給したいのであれば、育休明けすぐの転職を検討するのがよいでしょう。
反対に、育休給付金を得るメリットより転職先の条件の方が大きければ、思い切って早い段階で転職してしまうのもおすすめです。
損をしないタイミングを見計らうことも必要なので、転職はなるべく計画的に進めましょう。
伝え方次第で育休明け・育休中転職への印象は大きく変えられる
育休明け・育休中転職に対するネガティブなイメージは根強く、「せっかく休ませてもらったのに」「ポジションを空けてもらっていたのに申し訳ない」と感じるワーママは多いです。
実際に会社側がネガティブな受け取り方をすることもありますが、伝え方次第で印象は大きく変えられるので十分な配慮をして相談するとよいでしょう。
ポイントは「早めの相談」「復職したかったというスタンス」「引継ぎへの協力的な姿勢」にあります。
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育休明け・育休中にワーママが転職する理由
育休明け・育休中の転職理由は、必ずしも前向きなものとは限りません。
なかには「やむを得ず転職せざるを得なかった」「転職しか選択肢がなかった」というケースもあるでしょう。
以下では、育休明け・育休中にワーママが転職する主な理由を解説します。
育休明けの時短勤務を断られてしまったから
育休明けに時短勤務する予定でいても、会社との話し合いが上手くいかず、フルタイムで復職してほしいと言われてしまうことがあります。
育児・介護休業法では「3歳未満の子どもを育てている従業員がいる場合、時短勤務制度を設けなければならない」とされており、該当する従業員から時短勤務の要望があった場合、会社が断ることはできません。
しかし、子どもが満3歳になっている場合は必ずしも時短勤務の要望に応える必要はなく、それ以降の人事制度は会社側の決定に委ねられることとなります。
時短勤務を断られやすい条件もあるので、事前に確認しておくのがおすすめです。
産休・育休の期間が長く、子どもが3歳を超えてから復職する場合は事前に会社と働き方に関する相談をしておいた方がよいでしょう。
育休中に会社が倒産したから
稀な例ですが、育休中に会社が倒産してしまうこともあります。
会社が倒産すると退職扱いになるため育児休業給付金の支給も止まってしまいます。
その分失業保険の支給要件が下がるなど救済措置はありますが、保育園申請時に在籍情報を提出できず復職の大きなハードルとなることがあるため注意しましょう。
倒産に関する情報は早めに収集し、必要な書類を集めておくなど対策しましょう。
同時に保活や転職活動の準備を始め、条件に合致する企業の選考をどんどん受けることも大切です。
育休切りやマタハラに遭ったから
育休切りとは、育児休暇を取ることを理由に退職をせまったり、育休明けに「戻るポストがない」などと復職を拒み退職を強要したりする行為です。
マタハラ(マタニティハラスメント)も、妊娠・出産・育児・産休育休からの復職を理由に職務上の冷遇をすることとして危険視されています。
育休切りやマタハラは男女雇用機会均等法や育児・介護休業法など法律で明確に禁止されていますが、暗に育休切りを示唆されてしまう可能性はゼロではありません。
どうにか交渉して在籍し続ける方法もありますが、結局は社内での居心地が悪くなってしまうため、遠くない未来に転職する人が多いです。
まずは会社都合での離職票発行をしてもらうように努めつつ、早い段階で転職活動に踏み切りましょう。
厚生労働省が設けている専用のホットラインや専門機関への相談も検討しつつ、毅然とした対処にするのがポイントです。
育児に専念したいから
産休取得時は早々に復職するつもりでいても、実際に育児がスタートして気が変わる人も少なくありません。
小さいうちから保育園へ子どもを預けることが申し訳なく感じられたり、子どもの体調や性格によってはもう少し長く一緒にいないと厳しいと感じたりすることもあるでしょう。
「早いうちから習い事をさせたい」「療養に通う必要があって時間がかかる」など、仕事との両立に課題を抱えるケースもあります。
仕事と育児を両立できるか不安になったり、かわいい子どもと離れ離れになりたくなったりする心理も自然なものです。
ただし、問題を先送りにしてしまうと、いざ復職のタイミングが近づいたときに慌ててしまいがち。
育休を延長するのか、復職するのか、退職するのか、転職するのか、など複数の選択肢を挙げながら理想を探っていきましょう。
育休明け・育休中のワーママ転職を成功させるコツ
ワーママは小さい子どもを抱えながらの転職活動になるため、「体調不良時の看病が多いことや残業できないことを考えると不利なのでは?」と考えてしまいがち。
さらに育休明け・育休中であれば、保育園との兼ね合いや復職に関する不安など弊害になる要素が多く、転職を躊躇ってしまうことも多いです。
しかし、効果的な自己PRと自分に合った応募先企業の選定により、ワーママ転職を成功させられます。
以下ではワーママ転職の主なコツを解説します。
選考書類の準備は早めに済ませておく
本格的に転職活動を始める前であっても、選考書類の準備は今すぐ始められます。
とくに応募してすぐに必要となる履歴書・職務経歴書については、隙間時間を使いながら早めに完成させておきましょう。
困ったときは転職エージェントの添削サポートなどもフル活用しながら、選考通過率の高い書類にしていくと労力が少なくて済みます。
フルタイムか時短勤務か決めておく
フルタイムだけでなく時短勤務で働くワーママは多いです。
時短勤務だと保育園の送迎やその後のプライベート時間に余裕が生まれやすく、両立の助けになります。
平日の習い事もしやすく、ワークライフバランス第一に考えたいのであれば時短勤務がおすすめです。
ただし、時短勤務にはデメリットもあるので要注意。
フルタイムと比べて収入が減る、時短勤務できる期限に限りがある、業務内容に制限が出る、などのデメリットについても十分考えておく必要があります。
まずは理想的な働き方を可視化するため、保育園の送迎についてシミュレーションするなど対策しておきましょう。
フルタイムか時短勤務にするかが決まれば、あとは合致する求人を探しつつ選考対策していくだけです。
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入社直後から時短勤務できる企業を見極める
実は入社直後から時短勤務できる企業はかなり少なく、ほとんどの企業で「勤続1年以上の従業員が対象」など条件が定められています。
もしフルタイムではなく時短正社員として転職したいのであれば、入社直後から時短勤務できる企業の選定がカギとなるでしょう。
とはいえ、一般的な転職サイトで時短取得可否に関する情報が掲載されていることは少ないので要注意。
専門の転職エージェントを頼るなど工夫しながら、継続的に就業しやすい会社を探すのが先決です。
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まとめ
育休明け・育休中に転職を考えるワーママは多く、生活リズムや理想的な暮らしに合わせて働き方を見直すのは自然なことです。
なかにはワーママ転職がきっかけとなってキャリアアップへの道を歩み始めた人もいるので、「ワーママが転職するなんて無理」と決めつけずチャレンジしてみましょう。
理想的な転職のタイミングや成功のコツは、ワーママ専門の転職エージェントで相談することで効率よく情報収集できます。