育休明けに派遣に転職!正社員を辞めた後悔も派遣の良さも感じているワーママの体験談

                   
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育休明けのタイミングで転職を検討するワーママは多く、なかには派遣社員に雇用形態を切り替えて働き続ける方もいます。正社員と派遣社員は求められる仕事内容も働き方も違い、それぞれにメリット・デメリットがあるので慎重に検討していきましょう。

本記事では、育休明けに派遣に転職したワーママの体験談を紹介していきます。記事後半では派遣社員として働くメリット・デメリットやワーママ正社員として家庭と両立させるコツにも触れるのでご参考ください。

育休明けに派遣に転職した体験談

早速、育休明けに派遣に転職したワーママの体験談を紹介します。どのような悩みがあって、どんな価値観で派遣社員への転職を決断したのか、参考にしてみましょう。

Aさん(30代・子供1人)
こんにちは!東京都在住、3歳の男の子をもつ30代のワーママです。育休明けに正社員から派遣社員へ転職し、都内の企業にて経理事務として働いています。私が正社員から派遣社員へ転職した理由や転職活動の方法、そして転職後に感じることなどをご紹介します。

出産前の働き方

大学卒業後、都内のメーカーへ就職しました。職種は経理事務です。事務系の仕事なら何でも良いと軽い気持ちで求人に応募したところ、無事に採用されました。簿記などの資格も持っておらず、経理とはどのような仕事をするかもわかっていない状態でしたが、上司や先輩のフォローもあり、順調にスキルを磨いていく事ができました。雑用から決算整理に携わるまで成長でき、経理の仕事の楽しさも感じられるようになったと思います。

復帰後の時短勤務で感じたこと

仕事が順調な頃に妊娠し、出産後は育休を取る事になりました。休みに入る前は職場のみんなから「早く復帰してね。待ってるよ」と声をかけられていたので、何の不安も無かったです。そして息子を出産し、1年の育休を経て職場復帰する事になりました。子供は保育園に入れましたが、お迎えもあるため17時までの勤務は難しい状況です。上司に相談し、時短勤務にさせてもらう事にしました。育休明けの頃はようやく元の場所に戻れた感じがして、とてもうれしかったです。ただ次第に居心地の悪さを感じるようになっていきました。

経理の部署では、計算が合わなければ部署総出で原因を突き止めていくのですが、私は16時半には会社を出なければいけません。申し訳ないと思って残ろうとすると、「早くお迎えに行ってあげて」と帰されてしまいます。また産休中、育休中に私の仕事を引き継ぐためパートの女性が入っていたのですが、明らかに私より重要な仕事を任されています。正社員でありながら中途半端な立場で、仕事に対する意欲も失っていきました。そして他の所ならもっと楽しく仕事ができるはずと思い、転職を考えるようになりました。

転職活動をはじめた時期

転職活動を始めたのは、決算がひと段落した頃です。決算前はとにかく忙しく、パート女性へ嫉妬するどころではありませんでした。ただ繁盛期が過ぎると一気に業務量が減り、気持ちにも余裕が生まれるようになりました。この時期なら有給も取りやすく、周りに迷惑をかけません。そこで気になっていた人材派遣会社に登録してみる事にしました。正社員で働き続けたいという気持ちはありましたが、育児や家事と両立しながら働くのは正直大変です。派遣なら周りに迷惑をかけず、もっと楽な気持ちで働けると思いました。

登録から仕事が決まるまで

派遣会社に登録した後は、コンシェルジュに仕事探しの相談をしました。自分のスキルや経験と希望条件をすり合わせて職場を紹介してくれるので、ミスマッチが少なくなると思います。いくつかの会社を紹介されましたが、その中から選んだのが大手の食品会社です。大きな会社で働けるという点に魅力を感じ、また自分がやってきた事が活かせる業務内容なので、ここならすぐに馴染めそうと思いました。

派遣社員として働くメリット

ここからは、派遣社員として働くメリット・デメリットについて解説します。まずはメリットからチェックしてみましょう。

勤務地や勤務日に関する希望が出せる

派遣社員の場合、勤務地や勤務日に関する希望に合わせて派遣先を選んでもらえるため、比較的要望が通りやすいのがメリットです。「自宅から通勤〇分圏内で」「土日祝日は完全にお休みがいい」などの要望も可能なので、ライフスタイルに合わせて希望を出してみましょう。正社員、特に総合職の場合は勤務地や勤務日に関する要望を出しにくいことと比較すれば、ワークライフバランスも取りやすくなります。

ライフスタイルや生活リズムに合わせて勤務しやすい

派遣の仕事は、短時間勤務・週数日勤務・時間帯指定などさまざまな条件で選べます。子育てや介護との両立に悩む方であっても比較的就労しやすく、生活リズムを立てやすいのもメリットとなりました。なかには「3ヶ月間だけの短期仕事」「イベントや繁忙期に合わせた単発の仕事」などもあり、スポット的な働き方も可能な求人があります。

その他、週の勤務日数が3~4日に抑えられている求人もあるので、週5日フルタイムで働くのは厳しいという方でもチャレンジできます。

パートやアルバイトより時給が高い

パート・アルバイトの求人として多い飲食店・小売店と比べると、オフィス勤務の多い派遣社員の時給は比較的高めに設定されているのもメリットです。厚生労働省の調査によると、首都圏におけるパート・アルバイトの平均時給が1,185円であるのに対し、派遣社員では1,525円を記録するなど、大きな差となって表れています。現在は「同一労働同一賃金」の考えかたが広がっているため同じ職種で限定するのであればパート・アルバイトと派遣社員の差は少しずつ解消されつつありますが、地元のスーパー等で働くよりは高い時給が期待できると言えそうです。

(※)参考:派遣労働者の同一労働同一賃金について|厚生労働省

(※)参考:派遣の職種別平均時給

困ったときやトラブル発生時は派遣元を頼れる

派遣社員の場合、派遣先での仕事のやり方に困ったときやトラブルが発生した時は派遣元を頼れます。派遣元は、仕事内容・人間関係・労働条件など就業中の様々な悩みや相談に乗ってくれます。派遣先企業との間でトラブルが発生した場合、派遣元が間に入って解決をサポートしてくれるので、相談先を確保しておきたいときには貴重な存在となるでしょう。

また、なかにはキャリアカウンセリングやスキルアップのための研修・資格取得支援に力を入れている派遣元も存在します。派遣会社によっては独自の福利厚生サービスを提供している場合もあり、安心して働けます。

職場の雰囲気を確かめてから正社員への切り替えを検討できる

派遣社員から正社員に登用されるケースもあり、職場の雰囲気を確かめてから正社員への切り替えを検討できるという点でメリットがあります。入社後のミスマッチを防ぎ、安心して正社員への切り替えを検討できるため、思わぬ退職を防ぎやすくなるでしょう。派遣期間中に、企業の経営状況・将来性・社員の評価制度などを確認しておくことも可能です。

とはいえ、ほとんどの派遣求人はスポットでのニーズに対応するものであり、正社員登用を前提としていないことが多いです。満期を迎えればそのまま派遣先が切り替わってしまうので、自分が希望しても正社員として雇い入れてもらえるとは限りません。

派遣社員として働くデメリット

派遣社員として働くメリットは多数ありますが、一方でデメリットも存在します。ここでは派遣社員として働くデメリットについて解説します。

自分が就労継続を希望しても契約満期で終了されるリスクがある

派遣社員の場合、同一の派遣先で働く期間は原則として3年までと定められています。いわゆる「派遣3年ルール」と呼ばれる制度であり、派遣社員の低い待遇のまま正社員レベルの仕事を求められるような抜け道を防ぐために制定されました。

3年経過した後は派遣の終了または正社員登用を検討されることとなりますが、基本的に派遣社員の求人はスポットのニーズに対応するものであり、正社員登用が約束されているわけではありません。自分が就労継続を希望しても契約満期で終了されるリスクがあり、気に入った会社であっても泣く泣く去らなくてはいけないケースが多いです。雇用の不安定性があることをデメリットとして理解しておきましょう。

定期的に職場が変更となるため安定性が低い

派遣社員は最長でも3年単位で定期的に職場が変更となるため、ワークライフバランスの安定性が低いのがデメリットです。例えば「前回の職場は家から15分の場所にあったのに、次の職場は家から1時間かかる」などの不都合も生じます。派遣社員を始めた瞬間の勤務先が理想的であっても、数年後に劇的な環境変化が起こるかもしれません。そのたびに職場の人間関係もリセットしなくてはならず、コミュニケーション能力やストレス耐性も求められます。

また、職場が変わるたびに求められるスキルも変わるため、スキルや経験の安定性が低いことも課題です。多くの職場を経験できる一方、専門的なスキルを深く習得しにくいので注意しましょう。

タイミング次第では理想的な職場が見つからない

契約満了後、次の仕事が見つかるまでの期間に収入が途絶える可能性があるのも派遣社員のデメリットです。派遣の求人情報は常に変動しており、希望する条件の仕事が常にあるとは限りません。特に人気のある職種や条件の良い仕事はすぐに募集が終了してしまうことが多く、子育て・家事との両立を第一にして求める条件が増えれば増えるほどマッチングしづらくなるのも現状です。また、仕事が見つかっても、希望する勤務地・勤務時間・職種・給与などの条件がすべて一致する求人がでないケースもあるので注意しましょう。

常に次の就労先を探し続けなくてはいけないプレッシャーや、万が一ブランクがあいた場合の生活費など、考えるべきことは多いです。景気動向によっても求人数が変動するので、数十年と長く続けられる働き方ではないとする見方もあります。

できる仕事や責任が正社員とは異なる場合が多い

派遣社員と正社員とでは、できる仕事や責任の大きさが異なる場合が多いです。スキル的には十分に担当できる仕事でも、「派遣社員だから」という理由で任せてもらえないかもしれません。派遣契約で定められた業務範囲内での仕事が中心になるからこそ、全体的な企画や運営に関わる機会は少ない傾向にあるのです。

実務経験は身についても、リーダーシップやマネジメントなどの経験は身につかないことが多く、理想のキャリアとギャップを感じることもあります。より広範囲な業務や責任の大きい仕事がしたいときは、正社員の方がおすすめです。

正社員に比べて給与や福利厚生が劣る場合が多い

正社員と派遣社員とを比べると、派遣社員の方が給与・福利厚生が劣る場合が多いのも懸念されます。派遣社員は時給制や日給制が一般的であり、固定制の正社員に比べて収入が不安定になることがあります。お盆・正月・ゴールデンウィークなど長期休暇中はその分働ける日数が少なくなり、月収も下がってしまうので注意しましょう。

また、派遣社員にはボーナスや退職金が支給されないことも多く、年収換算するとどうしても見劣りしてしまいます。昇給の機会が少なく、キャリアアップによる収入増が見込みにくいという意味でも、デメリットに感じることが多いでしょう。

長く安定して働きたいなら正社員がおすすめ!

もし長く安定して働きたいのであれば、やはり派遣社員より正社員の方がおすすめです。

正社員は雇用期間の定めがないため、長期的に安定して働けるのがポイント。企業の業績悪化など特別な理由がない限り、解雇されるリスクがありません。企業によっては、正社員向けに独自の制度(リモートワークやフレックスタイム制度)を充実させているケースも多く、働きやすさの向上に寄与しています。

社会的な信用が高いので、住宅ローンやクレジットカードの審査が通りやすく、マイホームやマイカー購入時にもメリットを感じるかもしれません。

ワーママ正社員として家庭と両立させるコツ

最後に、ワーママ正社員として家庭と両立させるコツを解説します。「派遣社員ではなく正社員でいたい!でもワークライフバランスも意識したい!」と思ったときは、以下を検討してみましょう。

時短正社員として転職する

時短正社員になることで、仕事と育児の両立がしやすくなります。時短正社員の場合、その名の通り正社員のポジションを維持したまま労働時間だけ短縮できるため、子育てや介護との両立を目指す人におすすめです。正社員だからこそキャリアの維持もでき、スキルアップしながら将来的に昇進・昇給を目指せます。収入や雇用も安定していて、経済的な不安も解消しやすいでしょう。

とはいえ、「時短勤務できるのは子が3歳になるまで」と法律で定められた最低限のルールに従って就業規則を作っている会社が多いです。今の会社が長期的に時短勤務できなさそうであれば、時短勤務の期限が長い(または期限がない)会社に転職することを検討しましょう。

フレックスタイム勤務やリモートワークができる会社に転職する

フレックスタイム勤務やリモートワークができる会社に転職するのもひとつの方法です。フレックスタイム制度では出退勤時間を調整できるため、子どもの送迎や学校行事などに柔軟に対応できます。リモートワークでは、通勤時間を削減して家事や育児に充てられるので、時間の余裕を通りやすくなるでしょう。柔軟な働き方ができるため、家庭ごとのスタイルに合わせて使えるのがメリットです。

転職エージェント等を活用し、フレックスタイム勤務やリモートワークに理解のある企業を紹介してもらえば、働き方の選択肢も増やせます。

ワーママ正社員転職に強い転職エージェントを頼る

転職エージェントを使う場合、総合型転職エージェントよりもワーママ正社員転職に強い転職エージェントを頼るのがおすすめです。ワーママ特化型転職エージェントにはワーママ歓迎の求人が多く集まる他、フレックスタイム勤務やリモートワークができる会社の求人や時短勤務できる期間に制限のない会社の求人が多く集まります。キャリアアップとワークライフバランスの維持を同時に実現できるので、まさにワーママにおすすめしたいサービスとなっています。

なお、ワーママ特化型転職エージェントである「リアルミーキャリア」では、求人紹介だけでなく選考対策や自己分析も最大限サポートしています。「本当に子連れ転職できるのか?」「派遣社員ではなく本当に正社員で転職できるのか?」など不安の多い方こそ、リアルミーキャリアをご活用ください。

まとめ

派遣社員は子育てとの両立がしやすい雇用形態ですが、長期的に見ると収入・雇用の不安定さや定期的に職場が変わる不便さが大きくなるのがデメリットです。長く安定して働きたいなら正社員でいつづけることを目標にして、働きやすい職場を探してみるとよいでしょう。

リアルミーキャリアでは、ワーママが働きやすい職場探しを支援しています。具体的な選考対策からキャリアの方向性づくりまで幅広く対応しているので、派遣社員になるべきか迷っている方は一度ご相談ください。