小1の壁が不安…時短勤務を続けられず転職で働き方を変えた体験談

                   
子供が小学校に入学してからも時短勤務で働ける環境で仕事をしたい、そう考えて転職した体験談です。
※写真はすべてイメージです

子どもが小学校への進学を控えている家庭にとって、「小1の壁」は大きな課題となります。実際に、「小1の壁が不安」「小1の壁に当たってやむを得ず退職するしかなかった」という声はよく聞くものです。
しかし、働き方を変えたり転職したりすることで小1の壁を乗り越えた人もいます。本記事では、転職で小1の壁を乗り越えた体験談を紹介しながら、小1の壁に備える方法を解説します。

転職して小1の壁を乗り越えた体験談

思い切って転職活動をしたことで、小1の壁で悩む前に対策できました。

早速、転職して小1の壁を乗り越えた体験談を紹介します。何を目的に、どんな転職活動をして成功したのか、チェックしてみましょう。

フルタイムへの復帰で小1の壁に直面

Kさん(30代・子供1人)
東京都在住で30代後半のワーキングマザーです。子供は9歳の女児が一人います。育休明けは企業の経理事務として10時から16時まで時短勤務していました。やりがいのある仕事ではありましたが、子供が小学校に入学する前からフルタイムでの復帰など働き方で悩むようになり、35歳の時に転職を決意しました。

大学を卒業してからずっと同じ職場で働いてきました。経理事務一筋で、周りからも頼られる存在だったと思います。産休から育休を経て職場に復帰した時は「待ち望んでいた人が帰ってきた」と歓迎され、自分の居場所に戻ってきたようで嬉しかったです。小さい我が子を保育所に預けて夕方まで働く事には少し胸が痛みましたが、それでも時短勤務が許されていたので仕事と育児の両立はできていました。職場が自宅から少し遠かったものの、子どもは比較的体が強く、体調不良などで呼び出しの電話がかかってくる事もほとんどありませんでした。

順調に仕事をしていましたが、子供の小学校入学が間近に迫ってきた頃に「小1の壁」について考えるようになりました。会社では子供が小学校入学するまでの間は時短勤務を許可していますが、入学後は不可としています。お願いすれば聞き入れてくれるかもしれないと淡い期待を抱きましたが、私の申し出はあっさりと断られました。そもそも時短勤務で働いている正社員は、私以外に誰一人いませんでした。同じように共働きしているワーママ社員はいましたが、夫が在宅で仕事をしている、または祖父母と同居しているなど家庭環境が違ったので参考にはなりません。

忙しいながらも楽しく、やりがいを持って仕事ができていたのは時短勤務が可能であったこと、そして保育所のお迎え時間の融通が利くことが大きかったんだと気づきました。もちろん保育所もお迎えの時間が決まっていますが、どうしても間に合わない時は時間を過ぎても預かってもらっていました。しかし、子供が通う予定の小学校の学童は17時までと時間が決められています。鍵を持たせて一人で帰宅させようかとも考えましたが、土地柄あまり治安の良い場所ではありません。遅い時間帯に一人でトボトボと歩く娘の姿を想像すると、まずは自分の働き方を変えなければと強く感じるようになりました。

小学校入学前から転職活動を開始

小学校に入学する半年前から転職活動を開始しました。ただ経理の仕事を一手に引き受けていたので、ひんぱんに仕事を休んで転職活動する訳にもいきません。

転職活動をしていると周りに知られると職場にも居づらくなるので、効率良く新しい仕事が探せるよう、転職エージェントを利用しました。最初にキャリアアドバイザーによるヒアリングで希望する条件を伝えておくと、その条件に沿ってスキルに見合った求人を紹介してくれます。気に入った求人があれば面接を受けるのですが、面接の日程調整もしてくれるので、転職活動のために休む日は最小限に抑えられたのも良かったです。

なるべく自分のスキルが活かせる職場が良いと考えていましたが、一番に優先させたいのは、自分の仕事のために子供に負担をかけない事でした。時間の融通が利いて、なるべく自宅から近い所で求人情報を提案してほしいとキャリアアドバイザーに伝えておきました。

転職活動を始めて3か月が経った頃、介護施設での事務の求人情報を紹介されました。事務全般を任されるとのことで、経理事務はもちろん、介護事務としての仕事も業務内容に含まれます。いわゆる「何でも屋」の印象を受けましたが、職場が自宅から30分以内で通える事や時短勤務が可能である点に惹かれ、すぐに面接を希望しました。

社員思いで働きやすく時短勤務できる職場へ転職

面接を受けに行った時の職場の印象は、とにかく忙しそうというものです。ただ忙しそうにしていながらも、出会った人はみな気持ちよく挨拶してくれたので、アットホームで温かい雰囲気のある職場だなとも感じました。

面接で聞かれたのは、「なぜこちらの面接を受けようと思ったのか」、「今の職場を退職する理由はなぜか」というもので、ありのまま正直に話をしました。私の話を聞いた上で、時短勤務をしている職員が数名いることを教えてもらい、その場で「前向きに入社を考えて下さい」と言われ、ホッとしたのを覚えています。

早めに転職活動を始めたため、引継ぎ業務も時間に余裕を持ってスムーズに行えました。長く勤務していた職場なので、最後にしこりを残さず退職できたのは良かったです。

新しい職場は目新しい業務ばかりなので、まるで新入社員のような気持ちで働いています。経理事務のスキルには自信がありましたが、介護事務の知識は皆無で、周りに頼ってばかりの毎日です。それでも、30代後半にして新しい仕事にチャレンジできるのは新鮮で、やりがいも感じます。そして何より子供が学童から帰る前に自分も帰宅できるので、「おかえり」と出迎えてあげられるのがうれしいです。

小1の壁に備えるチェックリスト

当時所属していた会社は時短勤務が保育園の卒園までで、小学校入学と同時にフルタイム復帰が前提となっていました。

ここでは、小1の壁に備えるチェックリストを紹介します。事前に考えておきたいポイントをピックアップしているので、見落としがないか確認してみましょう。

小学校の登校時間・下校時間

まずは小学校の登校時間・下校時間を確認します。何時から何時までに登校するのか、平常授業の日は何時に下校するのかチェックしておきましょう。

共働き家庭の場合、特に朝の出発時間が大切です。家庭によっては、「子どもより先に両親が家を出る」ということが起こります。その場合、親がいない状態で子どもが家を出発しなくてはいけません。短時間とはいえ朝から留守番をさせること、時計を見て適切な時間に家を出ること、施錠や戸締りをしなくてはいけないことなど、丸ごと任せるには不安な点も多いでしょう。同じ小学校に通う上の子がいないと、いつの間にか子どもが遅刻してしまう事態も起こり得ます。

また、小学校は想像以上に短縮授業が多いものです。入学してしばらくは午前中の下校になる他、長期休暇の前後やイベントのある日は早めの下校になることも理解しておきましょう。

登校班の有無・集合時間

地域によっては登校班制度が設けられていて、近所の子ども同士で連れ立って学校へ行くことがあります。安全な登下校を目的とした制度であり、高学年の児童がリーダーになってくれるため、安心の仕組みと言えるでしょう。

とはいえ、登校班が全ての家庭にフィットするとも限りません。登校班は少し余裕を持って集合時間を定めていることが多く、1人で登校するより早めに家を出なくてはいけないこともあります。登校班の見守り係として定期的に親の参加が必要であったり、登校班の集合に遅れたときは親の送迎が必須だったりする地域も少なくありません。事前にルールを確認しておきましょう。

登校班がない地域の場合、小1の子がひとりで学校まで歩いていけるか、事前にシミュレーションが必要です。不安なときは仲の良い友達と待ち合わせて行くなど、親同士の相談が求められます。

小学校までの通学時間・経路

小学校まで、子どもの足で片道何分かかるか、事前に計算しておきましょう。低学年のうちはまだまだ歩幅も小さく、重い荷物がある日や雨・雪の日は特にゆっくりとした登校になりがちです。「なかなか青にならない信号」「道幅が狭くて詰まりがちな場所」など、同じ小学校でも登校ルートによって特徴も変わります。お子さんの体力や歩くスピードには個人差があるので、実際に歩いて時間を計測しておくと安心です。

また、通学時間を加味して何時に家を出る必要があるか、駅まで通勤する親とどこまで一緒に歩けるかなど、家庭ごとのリアルなシミュレーションが必要です。

学童の入所可否・開所時間

共働き家庭の多くは、放課後の子どもの居場所として学童を選択します。学童(放課後児童クラブ)は保護者が就労などで昼間に家庭にいない児童を対象とする施設であり、保護者の就労状況(勤務時間・日数など)に応じて入所可否が決まります。

保育園と似ているシステムですが、「同居の祖父母の就労が加味されるか」「どの程度の規模・定員で毎年どの程度の入所漏れが生じるか」など、入所に関する詳細は大幅に異なります。定員を超えた場合は入所できないこともあるので、注意しましょう。入所できない場合、高額な利用料を負担して民間学童を利用するか、民間学童がなくて子どもの行き先がなくなるか、など厳しい選択になることがあります。

また、学童は小学校に併設されていることが多いですが、なかには近隣施設まで移動しなくてはいけないケースもあるので事前に確認しておきましょう。学童の開所時間も地域・学童ごとにさまざまで、場合によっては「学童を使っても親より先に子どもが帰ってきてしまう」「長期休暇中や土日祝日に学童を利用できない」というケースも考えられます。

学童以外に利用できる放課後の居場所

学童以外に利用できる放課後の居場所を確認し、いざというときに頼れる先を見つけておくのもおすすめです。地域により異なりますが、例えば以下のような場所を検討しておくのがおすすめです。

放課後子ども教室

放課後子ども教室とは、文部科学省が推進する「小学生を対象とした放課後の活動拠点」です。子どもたちが安全・安心な環境で多様な体験ができ、豊かな人間性を育むことを目的としています。

学童保育とは異なり、保護者の就労状況に関わらずどの子どもでも利用できるのが特徴です。万が一学童の入所申請に落ちてしまったときは、放課後子ども教室の利用を検討してみましょう。ただし、「おやつが出ない」「長期休暇中や土日祝日は閉室している」「学校がない日(振替休日など)は使えない」など、学童より制限が多いのも現状です。学童より預かり時間が短めに設定されていて、基本的に17時頃までしか使えないのも懸念点です。

児童館・子ども館

児童館・子ども館は子どもが無料で使える場所であり、地域の子どもたちの健全な育成を目的とした児童福祉施設として常設されています。乳幼児向けの遊具・絵本、小学生向けのボードゲーム・図書、中高生向けの音楽スタジオやダンススタジオなど、幅広い年代に対応した設備があります。放課後に少し遊びに行く場所として最適で、係員など大人の目がある場所で遊ばせたい家庭からも人気です。

ただし、学童保育のように長時間預かってくれる場所ではなく、朝から晩まで毎日児童館・子ども館で過ごす子は稀です。特に長期休暇中は子ども自身が「児童館・子ども館に飽きた」ということが起こりやすく、なかには昼休みとして閉室時間が設けられている児童館・子ども館もあるので注意しましょう。

学校開放

学校開放とは、学校の施設(校庭、体育館、余裕教室など)を、授業時間外に地域住民に開放する取り組みです。子どもたちの放課後の居場所づくりや、地域住民の交流・生涯学習の場として活用されています。最低限の見守りのみで運営されていて、昔の「放課後に学校で遊ぶ」という感覚に近い形で使えます。

ただし、学校開放は学校の施設を授業時間外に開放する趣旨で運営されているため、利用できる時間帯が限られます。学童保育のように、小学校の授業終了後から夕方まで長時間預かってもらうことは難しいでしょう。学校行事や会議などで利用できない日も多く、学童保育のように宿題のサポートや学習指導は期待できません。

民間の習い事

学習塾・そろばん教室・書道教室・絵画教室・スポーツクラブなど、習い事を駆使して放課後に居場所を作る方法もあります。費用はかかりますが、子どもの興味・関心を伸ばしつつ退屈な放課後にすることを避ける手法と言えるでしょう。特に、自習室完備の学習塾や、利用の時間・曜日を限定しない比較的自由な習い事であれば、毎日でも利用できるのが強みです。

ただし、週5日全てを習い事で埋めてしまうと、子ども自身が多忙になり小1から疲れ果ててしまう可能性があるので注意しましょう。また、習い事の送迎・レッスンバッグの準備や支度・宿題や課題の管理など、意外と親の出番も多くて却って手間になることも考えられます。

ファミリーサポート

ファミリーサポートとは、地域で子育ての支援を受けたい人と行いたい人が会員となり、育児の相互援助を行う会員組織です。正式名称は「ファミリー・サポート・センター事業」であり、各市町村が主体となり実施されています。

小学校や習い事への送迎をお願いしたり、放課後にファミリーサポート会員の自宅で過ごさせてもらったり、フレキシブルな利用が可能です。相性の良いファミリーサポート会員が見つかれば、第二の自宅のようにリラックスして過ごせる関係性が作れるでしょう。

ただし、利用の頻度・時間・回数は都度相手と相談する必要があり、いつでも100%利用できるとは限りません。また、利用できる時間や子どもの年齢に制限がある場合もあるので、事前にルールや制度を理解しておく必要があります。

園時代から仲の良い友達たちの過ごし方

保育園・幼稚園時代から仲の良い友達が放課後どう過ごすのか聞いておき、子どもが1人で過ごす時間を減らす方法もあります。仲の良い友達のほとんどが学童で過ごすのであれば、自分の子も学童へ行き渋らず楽しく過ごせるかもしれません。反対に、仲の良い友達のほとんどが自宅で過ごしている場合、「自分も学童ではなく家に帰りたい」という可能性があるでしょう。

また、ママ友コミュニケーションを最大限活用してお揃いの習い事を始めたり、児童館・子ども館・図書館・科学館など放課後に使える便利な場所を教えてもらったりするのもおすすめです。

子どもが小学生になって以降の働き方

自社の就業規則を確認し、子どもが小学生になって以降の働き方をシミュレーションしておくことも重要です。例えば、「時短勤務できるのは子どもが小学生になるまで」と規定されている会社の場合、子どもの進学と同時に自分もフルタイム就労に切り替えなくてはいけません。働く時間が長くなり、残業・出張が増えるなど、今までとは違う働き方になるケースもあります。結果、想像以上に小1の壁が高くなるケースもある他、学校行事や子どもの急な体調不良に対応しにくい場合も出てくるので注意しましょう。

時短勤務を延長できるか、リモートワークやフレックスタイム制度を利用できるか、進学と同時に近くのオフィスに異動願を出せるか、などありとあらゆる可能性を検討してみましょう。どうしても両立が厳しそうなときは、早めに転職を考える必要があります。

小1の壁を乗り越える方法

小1の壁対策として、入学の半年前から転職活動を開始しました。転職エージェントを活用することで効率的に進められました。

ここでは、小1の壁を乗り越える方法を紹介します。今のままでは厳しそうと感じた人は、以下いずれかの手法を採用してみましょう。

パパママの生活を見直す方法

小1の壁を乗り越える方法として最もオーソドックスなのは、「パパママの生活を見直す」ことです。小学校入学は子どもにとって大きな節目であると同時に、保護者にとっても生活の変化が大きい時期です。以下のなかに使えるものがないか、確認してみましょう。

時短勤務に切り替える(時短勤務を継続する)

子どもの小学校入学と同時に時短勤務に切り替える(または今の時短勤務を継続する)のがおすすめです。

時短勤務であれば出退勤時間を調整できるため、夜遅くまで学童に預ける心配がありません。また、保育園より開所時間が短い学童を利用する場合でも対応しやすく、子どもの下校時間と保護者の退勤・帰宅時間を合わせられます。帰宅してから宿題や音読をチェックしたり、翌日の持ち物を揃えたりする時間も確保でき、親子ともに精神的な余裕が生まれます。

まず、勤務先の会社に時短勤務制度があるかどうか確認しましょう。直属の上司やチームのメンバーにも早めに相談し、時短勤務に切り替えやすくするのも効果的です。

ただし、「時短勤務できるのは子どもが満3歳になるまで」と規定している企業が多いのも事実です。少し長期間時短勤務を認めている企業でも、「子どもが小学生になるまで」とされていることも多いので、事前に自社の規定をチェックしておきましょう。どうしても時短勤務をしたいときは、入社直後から時短正社員として勤務できる希少求人を見つけるなど、対策が必要です。

フレックスタイム制度を活用する

フレックスタイム制度があると、夫婦で分担しながら子どもの生活リズムに合わせて働きやすくなります。例えば朝少し遅めに出勤するフレックスタイム制度を使えば、子どもの登校を見送ってから仕事をスタートできます。夕方少し早めに退勤するフレックスタイム制度を使えば、夕方以降の習い事・学童の送迎・帰宅してからの宿題に使える時間を確保できるでしょう。

また、夫婦で曜日ごとにフレックスを使うなど工夫すれば、家事や育児の分担も見直せます。月水金は夫が送迎、火木は妻が送迎というように、曜日ごとに役割を設けてもよいでしょう。

リモートワークを活用する

リモートワークであれば親が自宅で働けるため、「いってらっしゃい」「おかえりなさい」が言える生活を構築できます。万が一放課後の居場所が見つからないときでも、最低限親の目がある場所で子どもに過ごしてもらえるのもメリットです。仕事中は子どもが1人で過ごすことになりますが、目の届く範囲にいてもらえるので「急な来訪者や地震・火事に子どもだけで対応できない」「鍵を忘れた子どもが家に入れない」などのトラブルも予防できます。

また、フルリモートでなくても週数回リモートワークができるだけで、子どもの安心につながることもあります。「火曜日は学童に行かず帰ってきてもいいよ」と言える柔軟さが、小1の壁の解消につながるかもしれません。

フレキシブルな働き方ができる会社に転職する

今の会社でフレックスタイム制度やリモートワークが使えず、時短勤務もできない場合、フレキシブルな働き方ができる会社に転職するのもひとつの手段です。特に、「学童に入れなかった」「子どもの不安が強い」など物理的な心配が多いときは、思い切って早めに転職を検討してもよいでしょう。実際に子どもの進学に合わせて仕事環境を変える保護者は多く、良い転職先を選べばワークライフバランスも向上します。

また、これまでの経験を活かせる業種・職種に転職すれば、キャリアが途絶えてしまうこともありません。時短正社員を目指せば正社員としてのポジションも維持でき、子どもが大きくなってからもう一度本格的に働きたいときにも安心です。

自宅近くの会社に転職する

リモートワークできない職種での経験が長い場合、自宅近くの会社に転職する方法があります。通勤時間を短縮できるので、「子どもより先に親が家を出発する」「学童が閉所しても親がまだ帰ってこれない」などのミスマッチを減らせます。時間効率もよくなるので、仕事前後の時間を有効活用しやすくなるでしょう。

また、リモートワークやフレックスタイム制度を使える場合でも、オフィスと自宅との距離が近いに越したことはありません。出勤する場合の通勤時間も短縮し、家庭や子育てに使える時間を確保するのがおすすめです。

ただし、そもそも自宅周辺にオフィスが少ないエリアの場合、求人が少なくて転職活動が難航することが多いです。「郊外だと年収や待遇などの条件が低い」「通勤しやすい都心に引っ越そうにも生活費が高くなりすぎて無理」などの壁に阻まれることも。オフィス街に近いエリアに住んでいて、世帯収入が高めの人向きの選択肢です。

子どもの生活を見直す方法

小1の壁に際して、子どもの生活を見直す方法もあります。毎日の放課後や長期休暇中も安心・安定して使える「放課後の居場所」は学童なので、以下いずれかの学童に入所できるよう、入学前から最大限対策しておくことをおすすめします。

公設学童を使う

公設学童は、地方自治体が運営する放課後児童クラブのことです。小学校の校舎内や敷地内に設置されていることが多く、通学の心配もありません。学校の友達の利用率も高いので、よく知っている友達と遊べる安心感も強いです。

また、自治体からの補助金を受けて運営されているため、民間学童と比較して利用料金が安く設定されているのもメリットです。学校と連携して運営されているため学校行事や急な休校などにも対応しやすく、金銭的な負担もほぼありません。経済的な負担を軽減しながら子どもを預けたいときや、通学の負担を減らしたいときに検討しましょう。

民間学童を使う

民間学童は、株式会社やNPO法人などの民間企業が運営する学童保育施設です。公設学童(公立学童)とは異なり、独自の教育プログラムやサービスを提供しています。近年は他の民間学童との差別化を図るため、英語・プログラミング・スポーツ・芸術など、習い事のようなプログラムが充実している民間学童も増えてきました。なかには小学校の校門まで送迎バスを出してくれる民間学童もあり、多少自宅から遠い民間学童でも通学の負担を減らせます。

ただし、公設学童に比べて利用料金が高額になる傾向があるので注意しましょう。なかには月10万円単位でコストがかかる民間学童もあり、長期休暇中や送迎を利用する場合はさらにオプション料金がかかります。公設学童に比べて施設数が少なく、希望する施設に入れない場合もあるので、早い段階で見学・申し込みが必要です。

小1の壁を乗り越えるポイント

結果として自宅から近く時短勤務ができるところへと転職を決めることができました。

最後に、小1の壁を乗り越えるポイントを解説します。以下の点を意識し、小1の壁を乗り切りましょう。

小学生になったからといって急に仕事を増やすのはNG

「子どもが小学生になればある程度手が離れるはず」「小学生になれば自分でできることも増えるはず」と考えてしまいがちですが、小学生になったからといって急に仕事を増やすのはNGです。小学校低学年のうちはまだまだ親の手が必要な時期であり、学校・学童への行き渋りや通学途中の迷子など、意外なトラブルが起こるかもしれません。宿題や翌日の準備などやるべきことも増え、子どもの友達づきあいも一気に拡大することから、子ども自身が疲れ果ててしまうケースも多いです。保護者が仕事で忙しく、子どものサポートが不足すると生活習慣の乱れや学習意欲の低下につながる可能性があるので、急に仕事を増やすのは避けましょう。

ある程度小学校生活が軌道に乗り、仕事を増やして問題ないと感じられるタイミングまで待つのがポイントです。むしろ小学校進学と同時に時短勤務に切り替えるなど、働くペースを下げる家庭があることにも注目しておきましょう。

入学前から小学校や学童保育の情報を集めておく

小学校入学は、子どもにとっても保護者にとっても大きな変化になります。できる限り入学前に小学校や学童保育の情報を集めておき、思わぬトラブルを避けられるようにしましょう。

情報源として、既に小学校に通う上の子がいるママ友や、児童館・子ども館の職員など地域密着で働いている人たちが挙げられます。その他、個人情報の特定に最大限気を付けながら地元特化版の掲示板を使うなど、工夫してみましょう。小学校の時間割・学童保育の開所時間や申請方法・入学に必要な書類や学用品・民間学童の評判などをリサーチしておくのがおすすめです。

夫婦・親戚・ママ友との協力体制を早めに構築しておく

夫婦・親戚・ママ友との協力体制を早めに構築しておき、いざとなったら頼れる先を見つけておくのがおすすめです。夫婦で協力体制を構築しておけば、「月曜日はママが早く帰ってこれる」「火曜日はパパが遅めに家を出れる」などフレキシブルに役割分担できます。近くに住む祖父母など親戚がいれば、協力してもらえる曜日や時期を聞いておくことで相談しやすくなるでしょう。同じように働くママ友と情報交換したり、本当に緊急の際に頼れる近所のママ友を見つけておいたりすれば、お互いに頼り合うことも可能です。

入学前に生活リズムを小学校モードに近づける

小学校の時間割に合わせた生活リズムに慣れておくと、入学後の生活にスムーズに対応しやすくなります。早寝早起きや、時間割に合わせた行動を意識するなど、工夫してみましょう。手軽に始めたいときは小学校までの通学ルートを散歩してみたり、小学校関連の絵本を買ってわくわく感を高めたりする方法もあります。

その他、生活リズムだけでなく学習面を早めにサポートしておくことも有効です。ひらがな・カタカナは読めるようにしておいたり、自分の名前が書けるようになっていたりすればまずは安心です。ひとりで着替えができる、好き嫌いせず食べられる、困ったときに親や先生に言える、などの生活習慣も身につけておけば大きなつまづきもなくなります。

忙しい毎日でも子どもとの時間を意図的に作る

小学生になってからは親子ともに忙しい毎日を送ることになりますが、時間に追われる日々のなかでも子どもとの時間を意図的に作るよう意識しましょう。「可能な日は家族みんなで夕食を囲む」「寝る前に読み聞かせの時間を作る」など、できる範囲でも構いません。

学校での出来事を子どもがポツリポツリと話せるリラックスタイムがあることで、不安や不満を吐き出すことにつながります。また、家族で楽しく過ごせる時間があれば、気持ちの疲れを払拭して翌日頑張るエネルギーも与えられるでしょう。忙しい毎日でも、少しの工夫で子どもとの時間は作れます。大切なのは、時間よりも心のつながりです。

親子ともに「失敗しても大丈夫」の姿勢にする

親子ともに「失敗しても大丈夫」の姿勢を持ち、おおらかに構えることが大切です。小学生になると、当然ながら「宿題を忘れてしまった」「弁当箱を学童に置いてきてしまった」などの失敗も増えます。ときにはお友達トラブルが起きて相手の家庭へ謝りに行ったり、急に学用品が壊れて急いで買いに走ったりすることもあります。

日々が忙しいとついイライラしてしまいがちですが、失敗から学ぶ経験を通して、お子さんは困難を乗り越える力を身につけるもの。親子ともにバタバタな日を楽しむ姿勢でいれば、小1の壁が後々良い思い出に切り替わるかもしれません。

ママ自身の息抜きも大切にする

小1の壁を家族全員で乗り越えることは何よりも大切ですが、それと同じくらいママ自身の息抜きも大切にしましょう。お子さんが小学生になると、生活リズムの変化や新しい環境への対応で、ママは想像以上に心身ともに疲れてしまうことがあります。だからこそ、意識的に息抜きをして、心身の健康を保つよう意識してみましょう。

仕事が最大のストレスになっているときは転職も検討し、働き方を子どもにフィットさせながらやりたいこととの両立を目指すのもおすすめです。

まとめ

小1の壁は、子どもが小学生になる全ての家庭に起こり得ます。だからこそ事前の情報収集と働き方の見直しにより、入学以降も快適に暮らせる基盤づくりが欠かせません。理想的な暮らし方ができる仕事にしておけば、小1の壁にも子ども関連のトラブルにも対処しやすくなります。

リアルミーキャリアは、ワーママ特化型の転職エージェントです。小学校入学に備えて働き方を見直しておきたい方や、転職して仕事と家庭の両立をしやすくしたい方は、お気軽にご相談ください。