30代で転職を考える場合、「子持ちである」ということが不利に働くではないかと感じることもあるでしょう。
20代のときのようなフットワークの軽さがなく、かつ40代のような長いキャリアや専門性もないことから、何を売りに転職すべきか迷う人も少なくありません。
今回は、30代子持ち女性が転職するコツを紹介します。
ママに理解がある会社の求人を探すポイントにも触れるので、参考にしてみましょう。
もくじ
まずは、30代子持ち女性が転職に不利とされる理由を解説します。
もちろん問題なく転職に成功する人もいますが、まだまだ30代子持ち女性を避けようとする会社があることも事実です。下記で具体的な理由をチェックしていきましょう。
子どもがいるワーママは、保育園・学童へのお迎えがあり残業できないのがネックです。
働ける時間がシビアなので、会社は「本当はもっと任せたい仕事があったのに…」と感じることもあるでしょう。
また、退勤時間直前にトラブルや緊急案件が舞い込んだ場合、残業できる誰かに業務を引き継ぐ必要があります。
引き継がれた側の人は「子どもがいるから仕方ないとはいえ、なぜ自分にしわ寄せが?」と思うかもしれません。
依頼できる業務の量と社内の人間関係を総合的に考えると、30代子持ち女性の採用に慎重になる会社が出てしまうのです。
小さい子どもは、頻繁に体調不良を起こします。
その場合、父親か母親かどちらかが仕事を調整しなくてはならず、多くの家庭では母親が仕事を休む(もしくは遅刻・早退する)ことが多いです。
仕事を半ば強引に引き継いででも保育園に迎えに行ったり、なかなか子どもの熱が下がらず何日も出勤できなかったりすることもあるでしょう。
その分会社側は業務を調整しなくてはならず、「であれば子どものいない人を採用したい…」と考えるのが本音かもしれません。
また、インフルエンザや新型コロナウイルスが流行して学級閉鎖が起きたときなどの対応も求められ、会社にとっては採用がひとつのリスクとなるのです。
こうした育児への理解の無さは、その会社の文化や年齢構成に影響を受けます。男性が多い職場でも子どもが小さいパパ世代が多ければ実態を理解しているケースもあります。
子どもがいる家庭の場合、長期の出張ができない可能性が高いです。
夫や両親の手を借りながら出張に出るワーママもいますが、1週間単位の長期出張や海外出張は難しいと感じる人が多いでしょう。
とはいえ、職種によっては出張が不可欠であり、「出張ができないなら不採用にするしかない」という事情があることも事実です。
事前に出張の有無を調査してから応募するなど、対策しておきましょう。出張があるのは主には営業職です。また、業界でいえばメーカーなどが多いでしょう。
IT業界は営業活動もリモートで行うケースも多く、相対的にネックになる可能性が低いでしょう。
早朝・深夜・休日は保育園が空いておらず、子どもの預け先がないため働くのが非常に難しくなります。
土日関係なくシフト制で勤務しなければいけない仕事や、夜勤などがある仕事にはそもそも応募できない方も多いのではないでしょうか。
24時間365日体制で動く必要がある業種の場合、自分が早朝・深夜・休日に対応するシーンがあるか確認しておく必要があります。
シフト制の勤務があるのは、たとえばサービス業、飲食業、コールセンターなどです。そうした業界を避ければ特に問題はないでしょう。
転勤を伴う人事異動命令があった場合、家族帯同で引っ越すか、自分だけ単身赴任するかしかありません。
家族帯同で引っ越す場合、夫も転勤・退職する必要がありキャリアの方向性が大きく変わってしまいます。
引っ越し先で保育園が見つからないのであればそもそも働けなくなってしまうので、再度の保活に望む必要も出てきます。
また、自分だけ単身赴任する場合は家族がバラバラになってしまい、子どもの傍にいることができません。
そのため、転勤を命じられたらそもそも退職を検討するワーママが多いのです。
こちらも地理の影響を受けにくいIT業界であれば転勤の心配をする必要は相対的には少ないでしょう。また、企業によっては地域限定採用のような制度を有していることもあります。待遇面はやや劣るものの、現実的な選択でしょう。
前途多難で非常にハードルが高く感じられる30代子持ち女性の転職ですが、問題なく成功するケースもあります。
そこには、背景として少子高齢化による労働人口の減少があります。大手企業が先陣を切って働き方改革を進めているのも、労働人口の観点からいえば働く女性をもっと増やしたいという思惑があります。
つまり、大局的な視点からいえば働く女性にとっては追い風環境になりつつあるのです。以下にもう少し具体的に記載します。
近年、少子高齢化による労働人口減少の影響を受け、年齢・学歴よりも経験・実績を重視する会社が増えています。
人材の流動性が上がっているので「転職するのが当たり前」な社内になりつつあり、勤続年数をさほど気にしなくなっているのも追い風と言えるでしょう。
30代子持ち女性であっても、即戦力となるスキルがある場合は転職市場で優位に立てる可能性が高いのです。また、スキルを評価してもらえれば今まで以上の待遇を提示されるなど、メリットも増えています。
転職が当たり前になり、スキルに応じた報酬が提示されるということは、つまるところ徐々に実力主義に移行しているということです。実力さえあれば、会社に貢献してくれるならば、年齢や子どもの有無は気にしないということです。
労働人口の減少は、若手の採用に与える影響も大きいです。
若手の採用に苦戦する会社が増え、30代であっても十分若手として通用するようになりました。2024年現在、労働人口に占めるシニアの割合が増えた結果、15歳〜44歳の労働者の人数は労働人口の半分以下でしかありません。
会社からしてみれば、20代若手採用や新卒採用にこだわろうと思ってもこだわれない時代です。それどころか30代までで採用することすらも難しくなっている。
一昔前は「転職は35歳以降は難しい」なんて言われていましたが、いまや20代や30代だけをターゲットにする企業が時代遅れになりつつあるのです。
働き方改革や新型コロナウイルス感染症対策のニーズが増大し、柔軟な働き方を認める会社が増えています。
例えばテレワークやフレックスタイム制度など、時間・場所を限定しない働き方が増えました。
また、コワーキングスペースでの勤務やサテライトオフィス勤務を認めている会社では、通勤時間を可能な限り短縮しようとする動きが取られています。
他にも、土日祝日の副業を許可している会社があったり、子どもが大きくなっても時短勤務できるよう制度を拡充している会社もあります。
現在はコロナウィルスの影響が収まりつつあり、出社回帰の動きも出ていますが、それでも以前に比べればテレワークを利用している企業は増えています。
テレワークが使えれば育児中でもフルタイムできたり、子どもの送迎を柔軟に行えますから、これは大きな変化と言えるでしょう。
年齢や家族のハードルを超えて転職を成功させたいときは、下記のコツを押さえておきましょう。
ただ転職するだけでなく、満足できる転職にするためにもご参考ください。
時短勤務を希望する人は、入社直後から時短勤務できるか調査しておきましょう。
特に大手企業や有名企業の多くは、「入社して1年経過していること」を時短勤務にする必須条件として掲げています。これは、時短勤務制度の成り立ちとして既存の社員向けの制度として作られているからです。
つまり、最低でも1年間はフルタイムとして働く必要があるので、入社後に無理が生じないかシミュレーションしておく必要があるのです。
一方、入社直後から時短勤務できる会社であれば、現職で時短勤務をしている方であれば特に、生活スタイルを大きく変えなくても転職することができます。
時短勤務からフルタイムに切り替えると子どもの送迎等、仕事とバランスをとるのが非常に難しくなりますから、ここは必ずおさえておくべき点でしょう。
テレワークやフレックスタイム制度など、柔軟な働き方ができる会社を探しましょう。
子育て家庭を応援する福利厚生が整っていたり、中抜けを認めてくれたりする会社もおすすめです。
今は使うつもりがない制度でも、子どもが進学したタイミングや体調を崩した日などに使うかもしれません。
選択肢が多いことで働きやすさが向上する可能性も考えながら、求人をチェックしてみることがポイントです。
ただし、こうした制度は業界によって普及度合いに差があります。IT業界がもっとも普及していますが、現職の経験によってはIT業界へ挑戦することが難しい場合もあるでしょう。
そうした場合でも、たとえば
…など、何らか制度がある会社だと良いでしょう。
自分を高く評価してもらいたいときは、自分の経験・知識・実績が活きる仕事を探すのが大切です。先述した労働人口の減少、実力主義の普及という文脈からいえば、転職後早い段階から活躍してくれることを企業としても望んでいます。
早期に実績を出すことができれば待遇が改善されることはもちろんのこと、柔軟な働き方を交渉したり、子ども関連で休みをとったりすることもしやすくなります。
実績を出す、働き方の柔軟性を確保する、さらに両立しやすくなる…という良いサイクルを回すことが理想です。
なお、転職エージェントでは職務経歴書の作成を代行してくれるところもあります。強みや実績を言語化する時間がなかなかとれないという方は、エージェントを頼ってみると良いでしょう。
転職理由や志望動機はあらかじめ掘り下げておき、履歴書・職務経歴書の作り込みや採用面接時のアピールに活かします。
客観的に経験やスキルを伝えたり、熱意やモチベーションをアピールできたりすれば、良い評価を得られる可能性が高まります。
ただし、働き方を重視する理由ばかり述べないように意識しておきましょう。
「子どもが小さいので無理せず働ける職場に転職したかった」「17時までに絶対退勤したいので、残業のない御社を選んだ」というのは一見立派な志望動機に見えますが、雇う側の会社側はメリットを感じることができません。
お互いwin-winな採用になることを第一に考え、キャリアイメージとの合致度合いや自分が貢献できる内容も確実に伝えることが大切です。
「子どもが病気になったときはどうしますか?」「お子さんが小学生になったら働き方を変える必要がありますか?」など、子どもに関する質問への対策を練っておきましょう。
体調不良時にスムーズに夫と連携できたり、いつでも頼れる親戚が近くにいたりする場合は安心して伝えることができます。
もし自分が休む場合、休む必要があることを明確に伝えたうえで、仕事を溜めないためにできることを伝えていくことがポイントです。
また、5年後10年後の家族像もイメージしながら、無理なく働けることを伝えられればさらに印象がよくなります。
会社は「せっかく雇うのであれば長く働いてほしい」と感じていることが多いので、会社側の不安を払拭するような面接にしていきましょう。
育児中の方からすれば、「そういう質問をされるということは育児に理解がないのでは?」と少し気分が滅入るかもしれません。ただ、企業側としても人を採用するかどうかは非常に重たい決断ですから、そうした質問もやむなしと考え対策しておきましょう。
企業理念や社風に賛同していること、人見知りをせず誰とでも仲良くなれることなど、新しい環境にスムーズに順応できる様子を伝えるのも大切です。
とくにベンチャー企業やスタートアップ企業では会社独自のカルチャーが形成されていることが多いので、柔軟な姿勢を示した方がよいでしょう。
あらかじめどのようなタイプの人が働いているのかリサーチし、それにふさわしい受け答えができるよう対策しておくのも効果的です。
最後に、ワーママ専門の転職エージェントを活用するメリットを解説します。
一般的な総合型転職エージェントと異なり、ワーママのサポートに特化していることやワーママ人気の高い会社・求人の数が多いことが特徴です。
効率よく転職活動を進めつつ満足できる選択がしたいときにこそ、活用してみましょう。
ワーママ専門の転職エージェントには、過去の経験・実績を評価してくれる会社の求人が集まります。
年齢・子どもの有無・学歴ではなく、保有スキルだけで勝負できるのでフラットな評価が得られます。
自分のスキルを正しく評価してもらいたい人や、子持ちであることが大きなネックとなるのを心配している人こそ登録してみましょう。
ワーママが働きやすい会社の求人も集まりやすく、応募の選択肢が広がります。
テレワークやフレックスタイム制度だけでなく、入社直後から申請できて利用期限のない時短勤務や多彩な福利厚生まで、さまざまな強みを持つ会社があるのでチェックしてみましょう。
また、ワーママの多い会社や子育てに理解のある会社も多く、罪悪感なく働けるのもメリットです。
ワーママ専門の転職エージェントに在籍しているキャリアアドバイザーは、ワーママならではの悩みを理解してくれます。
「2人目を検討しているのでまた近々産休・育休を取るかもしれない」「子どもの療養に付き添いたいので定期的に休みをもらうかもしれない」など、直接企業の採用担当者には伝えづらいことも相談してみましょう。
ひとりひとり異なる理想に合わせて求人を提示してくれるので、自分で細かく企業を選定する手間を省けるのもメリットです。
転職エージェントのキャリアアドバイザーは、求人の紹介だけでなく面接微調整や入社条件の交渉も担当してくれます。
在職中の転職活動であってもバタバタしづらく、スケジュールを相談しながら予定を入れてくれるので大いに頼っていきましょう。
また、転職市場の相場と照らし合わせながら希望額以上の年収になるよう交渉してくれたり、細かな福利厚生を利用できるよう事前に相談してくれたりする可能性もあります。
満足できる転職したいときこそ、プロの力を頼るのがポイントです。
30代子持ち女性は一見転職に向かないと思われがちですが、ポイントを押さえて転職活動すれば納得できる会社が見つかります。
経験を活かしながら効率よく転職するためにも、ワーママ専門の転職エージェントを活用してみましょう。
リアルミーキャリアも、ワーママ専門転職エージェントのひとつです。
特に時短正社員の転職に強い媒体なので、ワークライフバランスを重視して転職したい人はぜひご相談ください。