ワーママが転職する際に特に重視する項目のひとつに、「労働時間」が挙げられます。
子どもの送迎や家庭の事情などを総合的に考えてフルタイム就労が厳しい場合、時短勤務が選択肢となるでしょう。
しかし、転職後すぐに時短勤務できるとは限らず、「最初はフルタイムが必須」という企業も多いもの。
時短勤務は法律で認められた権利なのに、なぜ?と感じることも多いのではないでしょうか。
今回は、転職後すぐに時短勤務するのが難しい理由を解説します。
なお、リアルミーキャリアでは転職後すぐに時短勤務できる求人を多数扱っています。
ハローワークや一般的な総合型転職サイトで時短勤務できる求人が見つからないときや、時短勤務の希望を叶えながら短期間で転職活動を終えたいときにお役立てください。
もくじ
まずは、時短勤務にまつわる現状を整理しながらお伝えします。自分の会社だけでなく他社の事例やビジネス業界全体のトレンドを知り、転職活動に役立てましょう。
厚生労働省の調査によると、「小さな子どもを抱える従業員が時短勤務を利用している」と回答した企業の数は、年々増加していることがわかりました。
他にも所定外労働の制限・フレックスタイム制度・テレワークなどさまざまな取り組みが始まっており、いずれも導入率が伸びています。
また、大企業では時短勤務を認める子どもの年齢を大幅に引き上げるなど、独自の取り組みも始まりました。
今後も子育てと両立できる職場環境を目指す企業が増えると予想されており、時短勤務もしやすくなるでしょう。
参考:トヨタ 「時短勤務」拡充へ “子どもの年齢 18歳まで認める” | NHK
時短勤務の導入率が上がる一方、入社直後から時短勤務できる企業はまだまだ少ないのが現状です。
あくまでも「既存の従業員が時短勤務を取得する」率が伸びているだけであり、始めから時短勤務を前提とした採用活動がされるのはレアケースと言えるでしょう。
「時短勤務できるのは入社して1年経ってから」と就業規則で定められていることが多く、特に大企業など従業員数が多い職場ではこの傾向が強いとされています。
なお、厚生労働省が作成したモデル就業規則にも、時短勤務は入社1年を超えた従業員向けの制度だと記載されています。
最初から時短勤務を前提として入社してくることを想定していない制度であり、今でも慣例的に続いているのです。
育児・介護休業法では「3歳未満の子どもを育てている従業員から希望されれば時短勤務を認めなくてはならない」と規定されています。※令和7年より、3歳以上でも時短勤務を使える、始業時刻を変更できるようにするなど措置を講じることを義務付けるように法改正があります。
具体的には「3歳になる誕生日の前日まで」が時短勤務の取得要件とされており、これに該当する人であればパパでもママでも時短勤務できるようになりました。
しかし、これは「子どもが3歳になれば時短勤務を必ずしも認めなくてもよい」ということでもあります。
実際に多くの企業では時短勤務は子どもが3歳になるまでとルールづけられており、それ以降はフルタイムに戻すのが前提とされてきました。
保育園への送迎や小学校生活のサポートに苦戦する保護者のなかには、「子どもの年齢に関係なく時短勤務したい」と考える人も多いです。
どこまで時短勤務を認めるかは企業ごとにさまざまなので、まずは自社のルールをチェックしてみることが大切です。
(※)参考:育児・介護休業法のあらまし|厚生労働省
つまり、転職後すぐに時短勤務できない主な理由として、下記が挙げられます。
つまり、時短勤務で入社する人を想定していない就業規則になっていることが多く、ルール上取得できないのが主な理由となっています。
また、「短時間しか働けないのであればパートとして雇いたい」「そもそもフルタイムを前提した求人しかない」という事情があることも。
フルタイムと時短勤務との採用枠を分けている企業も珍しく、まだまだ転職後すぐに時短勤務するのは難易度が高いといえます。
時短勤務のニーズ自体は伸びておりかつ人手不足が加速していますので、今後就業規則を見直す企業が増える可能性はあります。加えて、時短勤務希望者が転職の選択肢を狭められてしまうのは多様性の考え方からすれば理不尽と言えるでしょう。ただ、今すぐの時短勤務転職を検討している方にとっては、まだ壁があるということです。。
もし転職後すぐに時短勤務できない場合、どのような弊害が起きるかシミュレーションしてみましょう。
自分の工夫でどうにかなりそうなことであれば時短勤務しない選択肢もありますが、物理的に無理な状況が続くのであれば、他の手段を考える必要がありそうです。
フルタイムで働く場合、一番のネックとなるのが保育園の送迎です。
「保育園が開くより前に親が出勤しなくてはいけない」「退勤してからお迎えに行こうにも保育園の閉園時間を過ぎてしまう」という場合、フルタイムで働くことはできません。
とはいえ深夜遅くまで開いている保育園は非常に少なく、そこまでしてフルタイムで働きたいかという葛藤も起こりがちです。
まずは余裕を持って送迎できるか、時間のシミュレーションをしてみましょう。
万が一交通網の遅れや渋滞が発生したとき、残業になったときのことも考えておくのが大切です。
保育園時代には工夫で乗り切れたとして、子どもが小学校に進学するとともに急に仕事と両立できなくなったと感じる家庭も多いです。
学童に無事入れたとしても、地域によっては保育園より先に閉室してしまうことがあります。
どうしても子どもひとりで自宅にいる時間が長くなり、目が行き届かないことを不安に感じるかもしれません。
宿題や交友関係のサポートも必要になるので、むしろ小学生になってからの方が自宅にいる時間を長くしたい、と感じる保護者も多いです。
保育園時代だけでなく小学生になってからのことも考え、長く働ける環境に身を置くことがおすすめです。
時短勤務できずフルタイムを続けた場合、生活がバタバタして子どもの体調やメンタルに影響が出るケースがあります。
平日夜の時間が足りず、食事とお風呂を済ませてすぐに寝る毎日が続いてしまうと、親子の関わりが少なくなります。
絵本やおもちゃで遊べる時間がなくなったり、何気ない会話をする余裕がなくなったりすることもあるでしょう。
急かしてばかりの毎日に、親子ともども疲れ切ってしまうことが多いのです。
また、睡眠時間が足りなくなって体調を崩しやすくなることもあるので要注意。
未就学児のうちは特に体調を崩しやすく、急変も多いので安易な判断は禁物です。
フルタイムで働いて家事も育児も、となるとママ自身の負担も大きくなります。
疲れが取れず体調を崩して欠勤したり、休みの日に寝込んでしまって子どもと遊べなかったり、意外な落とし穴があるかもしれません。
イライラが募ると子どもを叱ったり夫婦喧嘩になったりすることも増え、家庭内の雰囲気が悪くなってしまうことも考えられます。
子どものためだとわかっていても、ストレスフルな毎日を過ごすのはつらいもの。
過剰な負担がかからない範囲で仕事を調整するのも、大切な要素です。
転職後すぐに時短勤務できない場合、基本的にはフルタイムで入社することになります。
どうしてもフルタイム入社できない場合、派遣やパートとして全く別の角度から転職活動することになるので注意しましょう。
下記では、それぞれの場合のデメリットを解説します。
フルタイムで復職する場合、前述のような送迎時間の問題や家庭との両立の問題が出てきます。
夫や両親のサポートが得られるとも限らず、ベビーシッターやファミサポは毎日予約できるわけではないので、どうしても大人の手が足りなくなってしまうこともあるでしょう。
なんとかギリギリのラインで生活を回していても、長年続けるのは無理と感じるかもしれません。
また、家族に負担をかけてまでフルタイムで働き続けることにママ自身が罪悪感を抱いてしまい、途中でキャリアからドロップアウトするケースも出ています。
ただし、テレワークやフレックスタイム制度が使えるのであれば、無理なくフルタイムで働ける場合もあります。
収入を最大化しつつ、ワークライフバランスも重視したい!というときは、多様な働き方を認めてくれる企業を優先するのもひとつの手段です。
派遣会社に登録し、派遣社員として就労する方法もあります。
パートよりも高めの時給で働けることが多く、実務経験があれば有利な条件で働けることも多いです。
一方、2015年の派遣法改正により、同じ事業所で派遣社員として働けるのは最大3年までと定められたので注意しましょう。
どんなに条件がよい企業であっても、3年働いたら派遣先を切り替える必要があり、定期的に職場が変わります。
当然、職場のメンバーも勤務先も仕事内容も変わるので、腰を据えてじっくり働く環境を整備したいワーママには向かないかもしれません。
場合によっては派遣から正社員として登用してくれるケースもありますが、その場合はフルタイム就労を前提とするなど、時短勤務できない可能性も出てきます。
パートとして転職する場合、就労時間の融通は効きますが正社員としてのキャリアを手放すことになるので注意が必要です。
一度正社員の職歴が切れてしまった場合、ブランク期間に応じてどんどん再就職が難しくなります。
子どもの手が離れてから正社員として転職しようにも、年齢に見合った経歴・スキルがないことが理由で面接に通らないかもしれません。
将来性の高い若手やハイスキルを持つ同年代と同じ土俵で戦えず、悔しい思いをすることも多いのです。
今後また正社員として働くのを想定しているのであれば、今が大変でもパートではなく時短勤務正社員の道を探った方がよいでしょう。
正社員のポジションを失わないままどうしても就労時間を制限したい場合、やはり転職後すぐに時短勤務するのが理想です。
数が少ないとはいえ、転職後すぐに時短勤務できる求人は存在するので、諦めず転職活動してみましょう。
ここでは、理想に近い求人を探すためのコツやポイントを解説します。
気になる求人が見つかったら、事前に時短勤務の可否や開始時期を確認してから応募しましょう。
直接人事部に問い合わせたり、求人要綱をチェックしたりする方法があります。
ただし、前述の通り多くの企業では入社直後の時短勤務を前提としておらず、一気に採用のハードルが上がるのが事実です。
ダメ元で何十社にも連絡を入れ続ける覚悟を持ち、めげずに続けることがポイントです。
明らかに秀でているスキル・経験・実績がある場合、面接時に交渉できる可能性があります。
企業側も「これだけ高いスキルを持っているのであれば時短勤務でもしっかり貢献してくれるかもしれない」とポジティブな見方をしてくれるので、意外と交渉がうまく進むかもしれません。
しかし、最初からフルタイムの業務量を任せる前提で求人票を作っている場合や、労働時間の長さを重視したい場合も多いのが現状です。
そもそも入社してすぐ時短勤務できる就業規則になっておらず、希望されても応えられない企業も多いので注意しましょう。
せっかく面接に出向いたのに不合格になってしまうことが多いのを覚悟し、チャレンジすることが大切です。
最もおすすめの方法は、ワーママ専門の転職エージェントを活用することです。
トライアンドエラーで自己流の転職活動をすることもできますが、転職後すぐに時短勤務できる求人に出会えるまで、相当な時間がかかります。
また、うまく求人が見つかっても選考を突破できるとは限らず、高い倍率が壁になるかもしれません。
一方、ワーママ専門の転職エージェントでは、下記のような企業の求人を取り扱うことが多いです。
ワーママならではのキャリアプランづくりを応援しつつ、選考対策もしてくれるので困ったときは相談してみましょう。
ハローワークや一般的な総合型転職サイトに限界を感じたときや、効率よく短期間で転職先を確定させたいときにこそ、頼るべき存在です。
時短勤務を導入済みの企業でも、転職してすぐ時短勤務を開始できるとは限りません。
あくまでも既存の従業員に向けた制度であり、新規採用者を対象としていないケースが多いので注意しましょう。
リアルミーキャリアは時短正社員に特化したワーママ専門の転職エージェントです。
時短勤務で就業スタートできる求人が多いので、お困りの方はお気軽にご相談ください。
自分のキャリアプランや強みのアピール方法も確立し、選考を突破できるよう一緒に対策していきましょう!