転職に関するワーママのお悩みを聞いていると、「ITエンジニアを辞めたい」「ITエンジニアはつらい。転職したい」という声を耳にします。専門知識が必要な技術職なので一見かっこよく華々しい職業に見えますが、実際には家庭との両立に悩むITエンジニアも多いのが特徴です。
今回は、ITエンジニアを辞めたいワーママに向けて、転職のコツやノウハウを解説します。別会社のITエンジニアになる選択肢も、完全別職種にキャリアチェンジする選択肢も残しながら、自分にとって理想的な道を探っていきましょう。
もくじ
そもそもワーママがITエンジニアを辞めたいと感じる理由は、主に3つに分かれます。下記で代表的な理由を解説するのでチェックしてみましょう。
日進月歩で技術革新が起こるIT業界では、最新技術に関する理解や情報収集が欠かせません。新しいツールを触ってみたり、難しいプログラミング言語に挑戦したり。工夫しながら業務効率を上げることも求められます。
一方、小さな子どもを抱えているワーママは育児時間が長く、自由になる時間が少なくなりがち。授乳・夜泣き・子どもの看病等に追われているだけであっという間に時間が過ぎてしまい、自発的に技術を学ぶ余裕がなくなってしまいます。
結果、「勉強が足りなくて仕事に支障が出ている」「最新技術についていけなくて仕事にならない」と感じるワーママエンジニアが増えるのです。業務効率だけでなく職場での評価につながる他、自分への自信もなくなってしまい、モチベーションが下がることもあります。
ITエンジニアはクライアントワークであることが多く、仕事のペースやスケジュールを自分で決めることができません。クライアントワークとは取引先から発注を受けてツールやシステムを制作する仕事であり、納期・制作物のクオリティ・要件定義など顧客の都合に合わせなくてはいけないシーンが多いです。自主制作と違って自由度が低く、時には厳しい納期設定や緊急対応を求められることもあります。
子どものスケジュール第一で働くしかないワーママの場合、必ずしも緊急対応できるとは限りません。子どもの送迎や寝かしつけ等の時間と被ったときは、やむを得ず上司や同僚に仕事を代わってもらうことも多いです。
結果、「緊急対応できないなら責任の大きな仕事を任せることはできない」「大きなプロジェクトからは外れてもらう」という判断を下されてしまうことも。昇進・昇格に影響するだけでなく、ITエンジニアとしてのやりがいやモチベーションも少なくなってしまいます。
客先常駐エンジニアの場合、勤務時間のコントロールができません。客先常駐とはクライアント企業のオフィスに出勤して働くスタイルであり、雇用元である自社のオフィスに行くことはほとんどありません。クライアントの勤務時間に合わせて出勤する必要があるため時間をコントロールしにくく、保育園・学童の送迎や夕方以降のプライベート時間に影響します。
また、客先常駐はクライアントが変われば出勤先も変わるのが特徴であり、相性の良いクライアントだからといってそこでずっと働けるわけではありません。プロジェクトが変わればクライアントも変わり、クライアントが変われば出勤先も勤務時間も変わるので、生活リズムを保ちにくくなります。
最悪の場合、「クライアント次第では働けなくなる」「クライアントが変わって保育園の送迎に間に合わなくなった」という事態も起こり得ます。物理的に転職せざるを得ないケースも多く、キャリア形成が妨げられたと感じるかもしれません。
ITエンジニアは負担が大きく大変な職種である一方、メリットも多いです。実際にITエンジニアとして効果的なキャリア形成ができているワーママも多く、働きやすさは職場環境・仕事内容・専門知識の有無により大きく変動します。
下記ではワーママがITエンジニアとして働く主なメリットを解説します。
引用:マイナビニュース「ITエンジニア フルリモートで働く人の割合は?」より
ITエンジニアはテレワークで働くことが多い職種であり、ほぼ100%テレワークである「フルリモート」をしている人も16.3%存在します。通勤時間がないため子育て中でも長く働きやすく、収入を上げながらワークライフバランスも向上できるのがメリット。子どもが体調不良でどうしても保育園・学校を休まなくてはいけないときでも、合間を見ながら少し仕事ができるなど、欠勤を防ぎやすい働き方として知られています。
また、フルテレワークでなくても週に数回テレワークできるだけでありがたいと感じるワーママも多いです。家族と予定を調整しながら働くなどフレキシブルな動きを取れるので、無理なく働きたいというワーママに最適です。
テレワークが盛んになりつつあるとはいえ、まだまだフル出社しなくてはいけない職種も多いです。IT企業ではエンジニアに限らずテレワークを導入しているケースが多いので、周りの理解も得やすいでしょう。
ITエンジニアは専門知識が必要な職種であり、時代ニーズも高まっているので給料が高めに設定されています。経験と実績を積めばどんどんキャリアアップでき、同年代と比較しても良い待遇に恵まれるかもしれません。何かとお金のかかる子育て期において、高年収を確保できるのは大きなメリットと言えます。
また、年功序列ではなく実力主義で人事評価しているIT企業が増えているので、若手でも技術・知識次第ではどんどんキャリアアップできるのもポイント。勤続年数が長くなるまで待つ必要もなく、モチベーションややる気次第では若いワーママでもしっかり稼げる仕事です。
急速なIT化・DX化が進み、AIなど最新技術に対する注目度も上がっている昨今、ITエンジニアの市場価値は年々高まっています。IT企業以外でもITエンジニアを欲する声が増え、常に多数の求人がある「売り手市場」となりました。転職先に困ることがないので、もしキャリア形成に違和感があっても「次がある」とポジティブに考えることができ、より良い条件を求めてキャリアアップ転職するなど将来の選択肢も豊富になります。
また、転職だけでなくフリーランス独立や起業などさまざまな選択肢があるのもポイント。副業で年収を上げたり、フリーランスになって自分のペースで働けるようにしたり、技術があれば自分のキャリアも自由自在です。
ここでは、ITエンジニアのワーママが転職する場合の選択肢をいくつか提示します。「転職したいけどどんな職種に移ればいいかわからない…」という人は、下記を参考にしてみましょう。
ITエンジニアという職種自体にやりがいを感じているのであれば、ITエンジニアのまま転職するのがおすすめです。特に自社開発企業のエンジニアであればクライアントワークから脱却できるため、スケジュールや仕事内容も比較的自由になります。もちろん社内調整は必須ですが、無茶な緊急対応や納期の短縮を求められることは少なくなるでしょう。
また、自社開発企業のエンジニアであれば上流工程に携わりやすく、企画や要件定義の段階から積極的に関わることができます。自分のアイディアを形にして世に出したい人や、より実践的なイノベーションに関わりたい人におすすめです。
テクニカルサポートとは、システムや機材など商品サービスに対する不具合・問い合わせ・故障や修理受付をする職種です。カスタマーサポートやヘルプデスクと似ていますが、テクニカルサポートはより技術的な知識が必要なのがポイント。問い合わせに対して技術的なアドバイスをすることも多く、IT分野に対する深い知見が求められます。
もともとITエンジニアとして働いていたのであれば、テクニカルサポートの仕事でも知識が役立つでしょう。チャット・電話・メール等での対応が中心なのでテレワークもしやすく、かつクライアントワークでもないので納期に追われることもありません。
IT企業の営業職として転職すれば、専門知識も営業スキルもある人材として成長できます。営業職である以上営業スキルの高さも重要ですが、扱う商材がツールやソフトウェアだった場合、当然ながらITに関する深い知見も求められます。既にある知識を活用できたり、効率よく学べる方法を知っていたりすれば、営業職としても高い成果を上げられます。
また、技術的な知識で営業職をサポートする「セールスエンジニア」になる方法もあります。専門性の高い商材を扱う企業で導入していることが多く、特定分野における知識を強化できます。
普段からパソコンを使って作業してきたITエンジニアであれば、事務職への転職も可能です。Word・Excel・PowerPointなど基本的なOAソフトが使えて、業務管理ツールなどの操作にも抵抗がないのであれば、想像以上に早く仕事を覚えられるでしょう。
ただし、ITエンジニア職と比較して事務職の求人数は少なく、高いスキルがなくても働けるので競争も激化しがちです。給与水準もITエンジニアより低いことが多いので、キャリアダウン転職になってしまうリスクについても承知しておきましょう。「テレワーク比率が低い」「転職してからのスキルアップやキャリアアップが難しい」などのデメリットにも目を向けながら、慎重に判断するのがおすすめです。
リアルミーキャリアはワーママ特化型転職エージェントであり、ITエンジニアの転職もサポートしています。ITエンジニアからITエンジニアに転職したい人はもちろん、全く異なる職種にキャリアチェンジしたい人もサポートしているのでお気軽にご相談ください。
なお、リアルミーキャリアでは下記のような求人を紹介できます。
その他、「転職しようか迷っている」「どの分野で転職すればいいかわからない」などぼんやりとしたご相談もうけつけています。今の働き方のままでよいか迷っている方は、お気軽にご活用ください。
ITエンジニアは非常にニーズが高く働く条件も良い一方で、「クライアントワークなのがつらい」「プライベート時間を取れない」などのデメリットも多いです。特に子どもや家族の都合で動くことの多いワーママにとって、ITエンジニアのままではいられないと感じるシーンも多いでしょう。
リアルミーキャリアは、仕事について悩むワーママをサポートしています。ITエンジニアへの転職もそれ以外の職種への転職もできるので、まずは自分の将来像を明確にするところから始めましょう。