営業職として働いているワーママのなかには、「これ以上営業を続けるのは無理!」
「できれば事務職に転職したい!」と考える人も多いのではないでしょうか。
子どもが生まれるとプライベートに合わせた働き方になりやすく、独身時代や出産前と同じように働けないことにジレンマを感じる人もいます。
今回は、営業職から事務職に転職したいワーママに向けて、それぞれのメリット・デメリットや転職のコツを解説します。キャリアダウンを避けつつ転職したいときにお役立てください。
もくじ
実際に、営業職から事務職にキャリアチェンジしたいワーママは多いです。
営業職の場合、会社によっては厳しいノルマを課すことがあり、時には残業や休日出勤で売上をカバーしなくてはいけないこともあります。
クライアントワークのため、ターゲットの属性によっては「土日祝日関係なくいつでも社用携帯が鳴る」「夜間の対応を求められることが多くてかなり不規則な働き方になる」という人もいるでしょう。
子どもがいる状態である程度プライベートの時間を確保したい場合、営業職として働き続けるのに限界を感じるワーママも多いのです。
一方、事務職は業種を限定せず必ず必要な職種であり、安定した求人数があるのが特徴
です。
その分応募者も多く激戦になることがありますが、転職により少しでも働く負担を減らしたいワーママにとっては魅力的な職種となっています。
ここでは、子育てを機に事務職が人気になる理由について、詳しく解説します。
今の仕事がストレスフルな人は、下記に該当する部分がないか振り返ってみましょう。
子育てが始まると、保育園や習い事への送迎が発生するため時間の制約が増加します。
朝は自分の支度も子どもの支度もしながら時間通りに送り届ける必要があり、どうしてもバタバタしてしまいがち。
夜は決められた時間までにお迎えに行く必要があるため、常に通勤時間を加味しながら仕事を済ませるプレッシャーに追われます。
出産前のように気軽に残業することもできないので、仕事が終わらないまま帰宅したり同様に引き継いだりすることも増え、フラストレーションが溜まるかもしれません。
営業職の場合、時間の制約が増えることで目標達成が厳しくなるのが最大の難点です。
与えられたノルマをクリアできなかったり、顧客との接点が減ってしまったりするので、仕事にも多大な影響が出てしまいます。
営業職として働くときのやりがいやモチベーションにも影響し、子育てを機に営業職からの転職を検討する人が増えるのです。
子どもはどうしても急な体調不良をすることが多く、ワーママの欠勤・遅刻・早退も多くなります。
例え有給や介護休暇が残っていても、だからといって仕事に影響はないとは限りません。
自分が担当するはずだった業務を同僚に代わってもらう申し訳なさや、大切な案件が流れてしまうことによる機会損失を考えると、多大なプレッシャーとなるでしょう。
場合によっては「急に仕事を休まれると困る」「他の人に迷惑がかかるから急な早退は避けてほしい」と暗に言われることも少なくありません。
フレキシブルかつフットワーク軽く動くことが求められる営業職だからこそ、仕事を休まなくてはいけない不意の事態に弱いのもデメリットです。
「ワーママが営業で働くのは難しい」というイメージは、子どもの体調不良に合わせにくいからだと言われています。
ワーママでもそれ以外でも与えられるノルマは基本的に同じであるため、出産前と同じく数字のプレッシャーがのしかかります。
それでいて「子どもが体調を崩したらどうしよう」「急な残業があって保育園のお迎えに間に合わなかったらどうしよう」というリスクが常に頭をよぎってしまうことも多いです。
どちらにも全力投球できない日々が続いて精神的に疲れてしまい、営業職に限界を感じるワーママもいます。
また、仕事にフルコミットする場合は子どもと過ごす時間が短くなってしまうので、どこか罪悪感を抱いてしまうのもデメリット。
完璧な両立が難しいからこそどちらも中途半端になってしまい、フラストレーションを抱える原因となってしまいます。
ここからは、営業職から事務職になるメリット・デメリットを解説します。
まずは職種を変えて理想的な働き方ができるようになるメリット部分から確認してみましょう。
営業職と違って外勤(外回り)が要らない事務職は、体力的に続けやすいのがメリットです。
雨の日でも雪の日でも外にでかける大変さや、交通網の遅れに合わせてフレキシブルに動く大変さがないからこそ、本来の仕事に集中できるのもポイント。
帰宅して以降にも体力的な余裕があるため、子どもと全力で遊んだり家事をこなしたりすることも可能です。
営業は体力勝負になるシーンも多く、産後の体調回復次第では難しくなってしまうのもデメリット。
どうしても厳しいと感じたときは、基本的にオフィスワークである事務職を検討してよいでしょう。
事務職は営業職ほど厳しいクライアントワークではないため、時間をコントロールできるのがメリットです。
決められた期限に間に合えば自由に仕事のペースを組み立てることができ、クライアントからの無茶の要望に左右されにくいのもポイント。
事前に仕事を寄せておけば有給も取りやすく、どうしても残ってしまった仕事は自宅で片づけることもできるなど、フレキシブルな対応ができます。
営業職の場合、クライアントからの急な呼び出しや緊急対応に追われることも多いです。
営業事務は取引先から急な依頼をされることがありますが、社内業務だけを担う事務所であればその心配も要りません。
事務所にノルマや目標が課せられることは少なく、数字のプレッシャーから解放されるのがメリットです。
せっかくノルマを達成しても翌月にはゼロスタートで始めなければいけない徒労感や、個人ノルマだけでなくチームノルマも達成しなくてはいけない大変さもありません。
数字の未達を残業でカバーするなど無茶な働き方にもなりにくく、精神的な余裕も生まれます。
常に数字ばかり気にして仕事をすることに嫌気がさしている人は、これを機に事務職など別職種への転職も検討してみましょう。
ストレスフリーに働ければ帰宅後の家庭にも優しくできるなど、副次的な効果も生まれます。
営業職から事務職になるのはメリットが多い一方、デメリットもあるので注意しましょう。下記では主なデメリットを解説します。
事務職にはインセンティブ給がなく、高年収が期待できないのがデメリットです。
インセンティブ給とは販売実績やノルマの達成状況など成果に対して支払われる給与であり、「奨励」「報償」として与えられる性質があります。
基本給に追加して支払われる歩合給のような仕組みであり、成果を上げれば上げるほど高いインセンティブ給が支給されるため、性別・年齢にかかわらず高年収を目指せます。
一方、事務職にはノルマなどのプレッシャーがない一方、インセンティブ給などのシステムもありません。
そもそも営業職より事務職の方がスタート時の年収が低めに提示されることが多く、マイナビの調査では営業職の平均年収が447万円であるのに対し、営業事務・一般事務の平均年収が347万円であるという結果が出ています。(※)
事務職は毎月固定の金額で働くことになりやすく、相当高いモチベーションがないと自発的な努力がしにくくなるのもデメリット。
「営業職のときより年収が下がった」ということにならないよう、慎重に転職する必要があります。
(※)参考:マイナビ「職種別平均年収ランキング」
営業職のように定量評価するのが難しい職種の場合、実力主義ではなく年功序列で評価されることが多くなります。
転職したばかりで勤続年数が短いとどうしても昇進・昇給が遠のいてしまい、キャリアがリセットされたように感じるかもしれません。
また、自分より明らかに仕事が遅い人であっても勤続年数の長さが理由で昇進している姿を見て、フラストレーションを抱えてしまうこともあります。
「頑張ってもなかなか評価されない」「評価体制があいまいでやる気がなくなる」という感想になりやすく、やりがいも下がることが多いのです。
同じ事務職でも、担当領域によってはキャリアアップできる未知が狭まります。
特に一般事務など特別な経験・知識を要さない事務職の場合、パート・アルバイトから正社員として再就職を狙う人たちや未経験の人たちでもできる仕事になるため、キャリアアップするのは難しいでしょう。
下記の通り、営業職と比べて事務職の求人倍率は低くなっています。
事務職はどの業種にも必要な仕事であるため求人数は多いですが、その分人気が高く、スキルなしでもできる事務職求人には応募が殺到します。
結果、求人倍率が「1」を切る数値になってしまい、競争が激化しているので注意しましょう。
「事務職は替えの人員が多い」と思われるからこそ年収も低くなりやすく、営業職のように成果次第で昇給できるイメージができなくなります。
人事・労務・法務・経理のように専門知識を要する事務職であれば、その分野のプロフェッショナルとしてキャリアアップできる可能性があります。
その分知識強化が必須となるため、勉強時間を確保して臨みましょう。
ここでは、営業職から事務職への転職で有利になるポイントを解説します。
下記の項目について、具体的なエピソードや経験・知識とともにアピールできれば選考通過率を上げやすくなります。
営業職は数字にコミットとして働くことの多い職種であり、目に見える成果にこだわる性質が強いです。
数値目標がないからこそ成果を後回しにしてしまいがちな事務職でも、処理件数や処理にかかった時間数の短縮を強烈に意識することができれば生産性は大幅に向上します。
常に結果にこだわる姿勢を見せることで、生産性の低下を懸念している企業から内定を得やすくなるのです。
営業事務に転職すると、営業職の経験が活きることが多いです。
営業職がどんなタイミングでどんな資料・データを必要としているか肌感覚で分かる他、クライアントへの提案シーンを想定したわかりやすい資料を作成できるなど、随所で経験を役立てられるでしょう。
現場で働く営業職の大変さを理解しているため、定期的に労わりの声をかけられたりスピーディーで端的なコミュニケーションができたりするのも、元営業職ならではの強みです。
「営業事務の○○さんにサポートしてもらえると仕事がやりやすい」と言ってもらえる存在になりやすく、双方にとってメリットのある働き方が叶います。
営業職には、難しい気質の取引先であっても円滑な人間関係を構築するコミュニケーション能力が身についていることが多いです。
豊かなコミュニケーション能力は社内コミュニケーションや部門間コミュニケーションにも積極的に活用でき、認識違いのないスムーズなやり取りを可能にします。
細かな項目についてスピーディーに社内調整したり、イレギュラーな対応でも通す交渉力を発揮できたりすることも多く、頼もしい事務職になるのもポイント。
現場で働く人を強力にサポートすることができれば、社内における信頼も高まってどんどん評価されていくでしょう。
営業職から事務職へ転職するに当たり、下記の点について懸念されることが多いです。
弱みとなるポイントでもあるので、自分の持っているスキルや今後の努力でどうカバーするかアピールし、内定を確実なものにしていきましょう。
これまで資料作成やデータ分析を営業事務に任せていた場合、事務スキルやOAスキルの低さが課題となることがあります。
「WordやExcelは最低限しか触れない」「見やすく分かりやすいPowerPoint資料を作れない」となった場合、事務職として必要なスキルセットがあるとはみなされません。
特に、高いコミュニケーションだけで円滑なやり取りができていたタイプにとっては、ドキュメント作成能力が大きな課題となることが多いです。
人事・労務・法務・経理などの部門で働く場合、担当領域ごとに異なる専門知識が求められます。
労務であれば社会保険や各種補助金・助成金関連の知識が、法務であれば会社法・労働法をはじめとする各種法律の知識が必須です。
入社後に実務を担当しながら少しずつ覚えていくのが一般的ですが、実務経験のある人が同時に応募してきた場合、どうしても不利になるので注意しましょう。
転職前に少しでも勉強してきた姿勢や、今後の自己研鑽に対するモチベーションを伝えることが大切です。
給与水準・待遇・職場環境を調べてどうしても営業職から事務職への転職が難しそうなときは、下記の選択肢を検討しましょう。
営業職の経験を活かしつつ、営業とは違う働き方ができます。
インサイドセールスは、メール・電話・オンラインツールなどをフル活用する内勤型営業職です。
外勤型営業職のように外回りが要らないため体力的に続きやすく、雨の日雪の日の外回り負担がなくなるのがメリット。
基本的にオンラインでの営業となるためテレワークとも相性がよく、在宅勤務で営業を続けることも可能です。
営業職のひとつであるため、成果次第では高いインセンティブ給が付与されるのもポイントです。
ノルマなど数字のプレッシャーは相変わらずありますが、外回りへの負担を感じて別職種への転職を検討している人にはおすすめです。
カスタマーサポートは、顧客からの問い合わせやクレームに対応する職種です。
コールセンターのように電話で相談を受け付けるタイプの企業もあれば、メールやチャットで相談を受け付けるタイプの企業もあり、運用体制はさまざまです。
営業職として培ってきた高いコミュニケーション能力を活かしやすく、きめ細かで丁寧なサポートができれば顧客満足度を上げることもできます。
電話営業ではないため数字的なノルマもほとんどなく、対応件数より対応品質を重視される傾向にあるのもポイントです。
精密機器メーカーや通信会社等のカスタマーサポートであれば技術的な質問に応えなくてはいけないシーンもあるため入社後の勉強が必須ですが、その分やりがいのある仕事と言えるでしょう。
最後に、営業職から事務職への転職を検討するときの注意点を解説します。
ミスマッチのある転職やキャリアダウン転職にならないよう、下記に配慮するのが大切です。
営業職から事務職に転職する場合、ほとんどのケースでは年収が下がってしまいます。
特に一般事務などスキルがなくてもできる職種の場合は年収が下がりやすく、インセンティブ給もないため賞与も少なくなることが多いです。
できる限り営業経験が活きる仕事に転職し、キャリアダウンを避けられるよう対策しましょう。
中途採用では前職での年収を加味して入社条件を調整してくれるケースもあるので、希望年収を伝えながら交渉するのもおすすめです。
ただし、明らかに採用予算を超える年収を提示してしまうと、そもそも内定すら得られなくなってしまうので注意しましょう。
転職を検討するということは今の仕事に何かしらの不満や不都合があるということですが、根本的な原因が「職種」にあるのか、もう一度見つめなおしましょう。
「ノルマに追われるのが疲れた」「クライアントワークから離れたい」など、営業職として必須の条件自体がつらいのであれば別職種への転職が最適です。
反対に、「今の会社ではあまり稼げない」「営業職は好きだけど社内の人間関係が悪い」という場合、営業という仕事に問題があるのではなく会社に問題がある場合があります。
その場合は営業職から別職種に転職するのではなく、営業職のまま会社だけ変えるのがおすすめです。
会社を変えれば働きやすさも劇的に改善される場合があるので、検討してみましょう。
営業職から事務職に転職するのであれば、事務職用のスキルセットを習得する必要があります。
経理であれば経理の知識が、労務であれば労務の知識が必要になるため、「事務職は楽だろう」というイメージだけで転職するのは禁物です。
専門知識の習得を入社前に済ませるのは非常に難しいですが、基本的なOAスキルやドキュメント作成スキルであれば習得できるので、少しだけでも勉強してみましょう。
前向きに努力する姿勢を伝えることができれば、内定獲得率もグッと上がります。
ワーママ転職に迷ったときは、ワーママ特化型の転職エージェントに相談するのがおすすめです。
子育てを機に会社に求める項目や働き方の理想像が変わるのは「よくあること」です。
ただし、職種を変えての転職やワーママ転職に関するノウハウを持っている人は少なく、独身時代の転職とは毛色が異なるため苦戦する人も多いのです。
ワーママ特化型の転職エージェントであれば、ワーママに合ったキャリアプランの構築や選考対策が可能です。
保育園の送迎に際して配慮してほしいことや子どもの成長に合わせたキャリアアップイメージなどをまとめることもできるので、まずは相談してみましょう。
営業職は高いインセンティブ給とやりがいを感じられる仕事ですが、ワーママになると子育てとの両立面で厳しいと感じるシーンが増えていきます。
事務職への転職を検討するのであれば、強みを活かした年収交渉や企業選定をしながらキャリアダウンを防ぐことが必須です。
リアルミーキャリアでは、営業職からキャリアチェンジしたいワーママ向けの支援もおこなっています。
転職すると決まっていない段階での相談も歓迎なので、お気軽にお問い合わせください。