ワーママが転職するときは、「時短勤務を取得したい」「毎週水曜日だけはどうしても残業できない」など、相談したい項目が多くなりがち。
とはいえ選考面接の際にあまり多くの条件を付け加えすぎてしまうと、印象を損ねたり内定が出なかったりすることもあります。
どんな項目についていつどの程度条件交渉するか、迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
今回は、ワーママ転職で必須となる条件交渉のポイントを解説します。
内定が出てから大きなギャップになってしまわないよう、事前に確認しておきましょう。
もくじ
原則として、時短勤務のような労働時間・労働条件に関する大きな相談事項は、選考中に伝えておくのがベストです。
後で大幅な条件相違が見つかった場合、内定自体を再考する必要が出てくるからです。
反対に、具体的な仕事内容・細かな福利厚生・手取り額含む正確な月収などは、後からの相談で問題ありません。
ここでは、内定獲得後ではなく選考中に時短勤務希望を伝える理由を解説します。
下記に当てはまるような相談事項があれば、時短勤務の申請に限らず早めに相談しておくとよいでしょう。
基本的に企業の求人はフルタイム就労が前提となっており、時短勤務を希望する場合は別途申請し、許可を得ておく必要があります。
そのため、時短勤務であることを伝えず内定を獲得した場合、後から「話が違う」と思われてしまうかもしれません。
「なぜもう少し早く相談してくれなかったのか」と心象が悪くなり、無事に入社できたとしてもイメージを損ねてしまう可能性も出てきます。
報告・連絡・相談をスムーズにできる人材だと評価してもらうためにも、事前の条件交渉があった方がよいでしょう。
時短勤務を取得するということは労働時間を短縮するということであり、その分任せる業務内容・量を調整する必要があります。
勤務できる時間に合う部署にしか配属させられなかったり、夜間に開催されるミーティングや出張に配慮する必要があったり、意外と手間がかかるもの。
本来依頼したかった業務を依頼できなくなる、企業側のダメージが大きくなるので注意しましょう。
最悪の場合は「雇うメリットがない」と思われ、やむを得ず内定を取り消されてしまうことも。
この場合、企業側が提示していたフルタイム就労ができないことが理由になるため内定取り消しに違法性はなく、転職活動期間を長引かせる理由になってしまいます。
給与形態は企業ごとに異なるため、時短勤務を取得する場合も企業ごとに異なる規則と照らし合わせながら給与・賞与を検討しなおす必要があります。
労働時間の短縮分をフルタイム給与から差し引くのが一般的ですが、各種手当やインセンティブの計算式が異なる企業も多いです。
正確な計算をして年収を交渉するためにも、時短勤務に関する事前の交渉は必須と思っておくのがよいでしょう。
また、特に給与については後からの交渉ができないケースも多いので、時短勤務をしたいこととおよその希望年収は事前に伝えておくのがポイントです。
時短勤務に関する社内規則は、企業ごとに異なります。
育児・介護休業法では子どもが3歳以下の人から時短勤務の申請があれば必ず許可しなくてはならないとされていますが、反対に言えば、法律で定められているのはそれだけです。
入社直後から時短勤務できるのか、子どもが何歳になるまで時短勤務を認めているのか、時短勤務する場合の給与テーブルがどうなるか、確認が必要です。
選考担当者が必ずしも労務管理に詳しいわけではないので、事前に相談しながら確認してもらうのがおすすめ。
また、ほとんどの企業では入社1年経過した従業員のみを対象に時短勤務制度を設けているので、入社直後から時短勤務を希望する応募者はそもそも内定の対象にならない、ということも多いです。
時短勤務で転職する場合、入社前に確認しておきたいポイントは多岐に渡ります。
下記では主な確認項目を紹介するので、チェックしてみましょう。
労働時間の長短に合わせて給与額が変わるので、給与規定・給与テーブルと照らし合わせながら提示してもらいましょう。
求人票に記載されているフルタイム用の想定年収から計算し、およその額を想像しておくことはできますが、実際に1円単位で計算すると想定と違ったということはよく起こり得ます。
「小さな子どもがいるため、9時から16時までの時短勤務を希望します。年収は〇万円以上を希望します」と具体的に記載するなど対策し、事前に伝えておけば後からの大きなミスマッチが生じることもありません。
ただし、給与額は転職前の年収を基準に提示されることが多いので、比較してあまりにも高すぎる金額を提示すると条件交渉が通らない(内定に至らない)ことが多いです。
入社直後は転職前の年収と同レベルもしくは少し上げたレベルに設定しておき、後は人事評価を経てキャリアアップしていく方がよいでしょう。
給与テーブルが明確に決まっている企業では交渉の余地がないこともあるので、要注意です。
給与額を提示してもらうだけでなく、給与額の内訳や計算方法を聞いておくことも大切です。
基本給だけでなく各種手当金や固定残業代の有無、賞与なども含めて計算しておくとよいでしょう。
提示年収が低いなと感じても、実際にはそれ以外に賞与が存在していた、というケースもあります。
また、時短勤務をする人は残業を前提としていない働き方をするため、固定残業代が丸ごとカットされることもあります。
そのため、単純にフルタイムの年収を労働時間で割った金額より、月収が少なくなるので注意しましょう。
賞与の算定方法は、企業ごとに大幅に異なります。
そもそも賞与の給付義務に関する法律はないので、労働契約や就業規則に支払いが明記されていない限り、「今年は賞与なし」「賞与の支給額は上司に一任」ということも可能です。
また、営業やマーケティングなど定量評価しやすい職種にはインセンティブも兼ねて多めの賞与が支給され、それ以外の事務職などは賞与が低くなる、というケースも。
過去の支給額やおよその想定額を聞いておくだけでも、年収をイメージしやすくなります。
自分のスキル・経験を活かせる業務内容か、少しずつ企業分析をしながら情報収集していきましょう。
業務内容に関する質問は選考面接の場でもしやすく、熱心な人と評価してもらえる可能性があります。
ただし、時短勤務希望者にとって死活問題となるのは、出張や夜間・早朝会議の有無でしょう。
「クライアントワークなので呼び出しがあれば原則いつでも対応しなければいけない」「定期的に泊まりが必要な出張の予定が入る」という職種の場合、家庭との両立ができないかもしれません。
繁忙期でも一定のペースで働けるか、頻繁な異動があるかなども確認し、入社後の働き方をイメージしておきましょう。
時短勤務を希望する場合、何時から何時まで働けるかは事前に伝えておくことが欠かせません。
通勤時間も加味して「〇時までには職場を出たい」など具体的な相談ができれば、保育園のお迎えに間に合うよう仕事を調整できます。
日常的に残業があるか、繁忙期の残業はどの程度かなど、確認しておきましょう。
また、テレワークやフレックスタイム制を使う場合、日によって労働時間が変わることもあるので要注意です。
テレワークやフレックスタイム制の適用があるかも、確認したいポイントです。
例えばテレワークできる場合、その分通勤時間を削減できるので労働時間を長く確保できます。
場合によっては「テレワークがあるからフルタイム就労できる」「小学生の子どもの帰りが早い日だけテレワークにする」など柔軟な使い方ができるかもしれません。
フレックスタイム制についても同様に、子どもや夫の予定に合わせて取得する日や労働時間を変えることができれば、家庭との両立がしやすくなります。
ただし、一定の職種・役職にしか適用が認められていない企業や、どうしても出勤が必要な日がある企業もあるので要確認。
「テレワークができる企業=フルテレワークができる企業、ではない」ことを前提に、細かな運用規則を知っておくことが大切です。
最後に、ワーママ転職時の交渉で注意すべきことを解説します。
事前交渉が必須だと意気込みすぎるあまり、自分の都合を優先しすぎる選考にならないよう対策しておきましょう。
ワーママが転職する理由の多くは、家庭との両立などワークライフバランスの充実を図りたいからです。
しかし、企業側にワークライフバランス充実を第一の志望動機として伝えてしまった場合、面接での印象を良くするのは難しいでしょう。
例えば「テレワークできるから御社に応募した」「家から近くて入社直後から時短勤務できるから志望します」などの理由を前面に出しすぎてしまうと、「働き方や福利厚生だけで入社したがっているのか」という印象を与えてしまいます。
企業側はあくまでも自社や取引先に貢献してくれる人材を探しているので、大きなミスマッチとなるのも仕方ありません。
そのため、あくまでも志望動機は自身のキャリアアップや得意分野での貢献を第一とし、ワークライフバランスの充実もできるから尚更志望度合いが高まった、とするのが理想です。
ワークライフバランス充実は副次的な志望動機にすること、それ以外の説得力ある志望動機を練っておくことが、ワーママ転職成功のコツとなります。
前述の通り、給与額と労働時間は事前の交渉が欠かせません。
内定が出てから「時短勤務したい」「年収〇万円以上にしてほしい」と提示した場合、企業側を困惑させてしまいます。
業務量や人員など社内調整が必要となり、決定までに大幅な時間がかかってしまうかもしれません。
結果、求人票の内容に沿わないのであればと内定自体が無意味になってしまうこともあるので、注意しましょう。
テレワークの有無や給与額の計算方法は特に気になるポイントですが、選考の途中段階で細かく質問しすぎるのはNGです。
ワークライフバランス充実を第一に考えた応募だと思われてしまいやすく、あまり心象がよくなることはないでしょう。
テレワークやフレックスタイム制があるか、過去に採用した中途社員がどのようなキャリアステップからスタートしているかなどの情報をざっくり聞く程度であれば問題ありませんが、「自分はどうなるか」を質問しすぎるのは禁物。
内定前に細かな社内規則を教えることはできない、と社外秘を徹底している企業もあるので注意が必要です。
事前に交渉したいポイントが多いワーママは、ワーママ特化型の転職エージェントを使うのがおすすめです。
ワーママ特化型なのでワーママ転職のノウハウが多く、時短勤務やテレワーク取得に関する交渉方法を教えてもらえるのがメリット。
また、入社直後から時短勤務できる求人の割合が多かったり、先輩ワーママの転職事例を参考にできたりするのも嬉しいポイントです。
場合によっては、求人票には掲載されることが少ない残業の実態・産休育休取得実績・有給消化率・職場の人間関係やパワーバランス・リアルな口コミなどを教えてもらえることも。
ひとりではできない情報収集ができ、応募先の選定にも役立ちます。
なお、転職エージェントに在籍しているキャリアアドバイザーは企業の採用担当者ではないため、「子どもが小学生になったら夫の転勤に付き添いたい」「2人目の妊娠・出産も考えている」など、相談しづらいことも相談できます。
転職を成功させるパートナーがほしいときにこそ、ワーママ特化型転職エージェントに相談してみましょう。
ワーママ転職の際は企業側に確認したい項目が多く、どのタイミングでどの程度質問していいか迷ってしまうもの。
転職エージェントのキャリアアドバイザーを間に挟むことで、応募前の確認や選考中の相談もスムーズに進みます。
困っている方は、転職エージェントの利用を検討してみましょう。
リアルミーキャリアはワーママ特化型の転職エージェントです。
「時短勤務したい」「無理なく働ける職場があれば転職したい」「事前にある程度情報が欲しい」などのご要望にも対応しているので、転職検討中の方はお気軽にお問い合わせください。