「コロナが5類になり、テレワークではなくオフィス出勤が推奨されるようになった」「緊急事態宣言をきっかけにテレワークできるようになったはずが、今ではほぼ誰もテレワークしていない…」など、社内の動きに不安を感じるワーママは多いのではないでしょうか。
テレワークを前提とした生活リズムになっている家庭にとっては、特に深刻な課題となりそうです。
今回は、テレワークが廃止されて困っているワーママに向けて、対処法を解説します。
もくじ
まずは、テレワークが廃止される背景を解説します。テレワークは便利な働き方なのに、なぜ廃止するの?と疑問な方はぜひチェックしてみましょう。
新型コロナウイルスが2023年5月8日から5類の扱いに引き下げられ、季節性インフルエンザと同じ扱いになりました。
公費でのワクチン接種などこれまでと変わらない部分もありますが、今後の感染対策は個人の判断に委ねられます。保育園や学校などの出席停止期間も「発症の翌日から5日間」に短縮され、5日経って解熱し、元気であれば基本的に登園(登校)できるようになりました。
これに伴い、テレワークを取りやめる企業が増えています。あくまでも「感染症対策に向けた一時的な措置」としてテレワークを導入していた企業では、5類への引き下げをきっかけにオフィス出勤へと切り替えるようになったのです。
「ステイホームが明けて行動制限がなくなったから、あえてテレワークにする理由がない」と考えている企業も多いでしょう。
コロナをきっかけにやむを得ずテレワークを導入した企業において、「マネジメントしにくい」「社内コミュニケーションが希薄なった」などの課題が出たのも事実です。チャットやオンラインミーティングなど便利なツールを使っていても、対面と同じようなコミュニケーションができないと感じた方は多いでしょう。
あえてテレワークにする積極的な理由がないのであれば、気軽に声をかけやすいオフィス出勤を好む人も多いです。また、同僚や部下と同じスペースで仕事をすることにより、細かなマネジメントができるようになるというリーダー側の声も反映されています。
今後もテレワークを続けている場合、テレワークを前提とした就業規則が必要です。また、就業規則だけでなく人事評価制度やセキュリティ対策の見直しも欠かせません。しかし、効果的な制度ができないままでは、オフィス出勤している社員とテレワーク社員の社内格差が広がってしまいます。
理想的な就業規則を作れていない、または作り方がわからない、という理由でテレワークを避ける企業も出てくるでしょう。テレワークはあくまでも一時的措置である、とする企業の本質はここにあると言えます。
テレワークに即した就業規則を作れている企業でも、光熱費や住宅費などの手当が負担になっていることがあります。会社が積極的にテレワークを勧める場合、光熱費・住宅費・通信費などの手当が問題となります。なかにはオフィスで社食を利用できない分、昼食代を支給するなど独自の福利厚生を始める企業もありました。
とはいえ、テレワークする期間が長くなり、テレワーク社員も増えるとコストがどんどん膨らんでしまいます。通勤費を支払っていた方がコスト面でのメリットが大きい場合、テレワークではなくオフィス出勤が推奨されるようになるでしょう。
テレワークが廃止されて困る人が多いですが、特にワーママにとっては深刻な問題となることがあります。下記で主な理由を解説します。
テレワークができない場合、当然ながらオフィスに出勤する必要があり、通勤時間が発生します。保育園の送迎をする際に通勤時間がネックになりやすく、「朝の出勤に間に合わない」「これまでと同じ時間にお迎えへ行けない」などの弊害が出るかもしれません。
保育園の送迎時間が変わると、生活リズムも変わります。どうにか仕事を続けることができたとしても、「子どもと過ごせる時間が短くなった」など思わぬギャップが出るかもしれません。まずは就労時間に通勤時間を加えてシミュレーションし、無理なくお迎えに行けるかイメージしてみましょう。
通勤時間の長さ次第では、働く時間を短くしてお迎えに間に合わせる必要があります。テレワークであればフルタイムで働けていた人でも、時短勤務にせざるを得ないかもしれません。また、テレワーク中に時短勤務だった場合、通勤時間が生まれたことによりさらに働く時間を短縮する必要があります。
働く時間が短くなると、その分収入も下がってしまいます。生活の質が下がって貯金ができなくなったり、時短勤務にすることに対し難色を示されたりすることもあるでしょう。「テレワークが廃止されると困る」というワーママの本音には、収入の問題も隠されています。
テレワークの場合、忙しい合間を縫って家事をすることも可能です。炊飯器のスイッチを押したり、天気に合わせて洗濯物を取り込んだりする程度であれば、長時間仕事に穴を開けることもありません。夕飯の時間に合わせて冷凍しておいたものを解凍するなど、便利な隙間時間の使い方もあります。
一方、オフィス出勤する場合は隙間での家事はできません。全ての家事を朝もしくは夕方にするしかなく、ちょっとした余裕が生まれなくなります。テレワークが廃止されたとき、無理なく家事とのバランスが取れるかもシミュレーションしておきたいポイントです。
テレワークで在宅していると、冷凍ミールキットや宅配便の受け取りができます。オンラインミーティング中でインターホンに出れないときでも、置き配してもらった商品を比較的すぐに受け取ることができ、防犯上のメリットも大きいです。
オフィス出勤して長時間家を不在にする場合、全て宅配ボックスなどを利用するしかありません。宅配ボックスに入りきらないサイズの大きな品物をなかなか受け取れなかったり、玄関先に置いてもらった冷蔵のミールキットが夏場に傷んでしまったりすることもあります。思わぬ落とし穴になりやすいので、自宅で利用しているサービスをチェックしておきましょう。
どうしてもテレワークを継続したいワーママは、下記の対処法を取るのがおすすめです。まずはできることを探っていきましょう。
最も理想的な対処法は、テレワークできる企業に転職することです。新型コロナウイルスが5類に引き下がって以降もテレワークに積極的な企業であれば、問題なくテレワークを継続できます。
特に下記のような企業では、テレワークの継続率が高いので注目しておきましょう。
ワーママ以外もテレワークしている確率が高く、テレワーク社員とオフィス出勤している社員との格差も少なめです。
会社と交渉し、テレワークを継続させてもらう方法もあります。ただし、会社側はあくまでも就業規則に則って判断する必要があり、ひとりだけ特別待遇はできないと断られてしまう可能性も高いです。
もしテレワークできたとしても、フルテレワークは難しいかもしれません。出勤とテレワークと組み合わせるなど妥協案が提示されることもあるので、どこまで対応できるか事前にイメージしてから相談するのがポイントです。
テレワークしやすい職種に異動し、テレワークを続ける方法もあります。例えば、総務・人事・法務・経理などのバックオフィス部門や、オンラインで仕事できるようになっているマーケティング職などはテレワークしやすい職種と言えます。
反対に、営業職やシステム部門などはオフィスに出向く必要があり、まだまだテレワーク導入率が低めです。異動願が100%通るとも限らないこと、自分がやりたい仕事とは変わってしまう可能性があることも、デメリットといえるでしょう。また、そもそも会社全体でテレワークを廃止しようとしているときは、有効な手段ではありません。
どうしてもテレワークできない場合、保育園の送迎を担当してくれるベビーシッターを利用したり、延長保育を申請して預かり時間を長くしてもらうことも可能です。ただし、その分お金がかかるので注意しましょう。
ベビーシッターも延長保育も、基本的には利用時間に応じてコストがかかります。通勤時間が長ければ長いほど家計を圧迫しやすく、金銭的なデメリットが大きいかもしれません。また、子どもと過ごす時間を長めに確保したい家庭にとっては、あまり効果的な手段ではないのもポイントです。
テレワークを継続できない場合、夫や両親と協力して生活リズムを立て直すことも可能です。保育園の送りだけ夫に担当してもらったり、お迎えだけ近居の両親に頼ったりすれば、子どもの生活リズムに大きな影響が出ることもありません。
ただし、家庭状況によっては協力できる人がいるとは限らないのが現状です。「夫が自分より激務でほぼ家にいない」「両親が遠方に住んでいる」という場合には、ベビーシッターや延長保育の選択肢に限られてしまいます。
最後に、テレワークできる企業に転職する場合のポイントを解説します。近年はワーママに限定せず柔軟な働き方を求めるビジネスマンが増えており、テレワークの人気も高くなってきました。転職市場で有利に動くためにも、下記のポイントを押さえておきましょう。
テレワークを目的に転職するのであれば、テレワークの多い転職エージェントを利用するのが近道です。一般的な転職サイトやハローワークに掲載されている求人のなかには、テレワーク導入中の求人があまりありません。また、掲載されていても倍率が高くなりやすく、激戦になることがあるので注意しましょう。
転職エージェントであれば、相性や過去の経験を参考にしながらピンポイントで求人を紹介してくれます。非公開求人であれば応募が殺到することもなく、じっくり選考に臨めます。
ワーママ特化型の転職エージェントを使うのもおすすめです。ワーママのライフスタイルを理解したうえで転職活動を支援してくれるので、送迎問題なども相談できます。
また、ワーママ特化型の転職エージェントにはワークライフバランスを取りやすい企業の求人が集まりやすいのも特徴です。テレワークやフレックスタイム制度など、柔軟な働き方をしたいときにこそ、頼りましょう。
なぜテレワークをしたいのか、応募前に明確にしておきましょう。「テレワークの方が楽だから」「一度テレワークに慣れてしまったから」などあいまいな理由のままでは、転職時の志望動機に説得力を持たせることができません。テレワークで働くメリット・デメリットを可視化したり、テレワークをする前と業務パフォーマンスを比較したりするのがポイントです。
自分の強みを活かした転職活動ができれば、倍率の高いテレワーク求人であっても内定を獲得できます。過去の経験・実績・評価などキャリアを棚卸し、自分の強みを可視化しておきましょう。志望動機とリンクさせることができれば、説得力のある自己PRが叶います。
転職エージェントでは、過去のキャリアや今後のキャリアプラン、今のライフスタイルとを上手く組み合わせて志望動機にする手伝いをしてくれます。自分では上手く言語化できないときは、プロのキャリアアドバイザーを頼りましょう。
コロナウイルスによる行動自粛期間が明け、対面でのコミュニケーションが取りやすくなったのは歓迎すべきことといえるでしょう。しかし、テレワークを前提に働いていたワーママにとって、仕事と家庭とを両立するのが難しくなるなど、新たな課題も出ています。
リアルミーキャリアでは、ワーママの転職をサポートしています。働きやすい環境を求める方や、保育園の送迎時間に合わせた働き方をしたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。