ワーママが退職を考えるタイミング・要因は?働き続けるための解決策5選

                   

子どもが生まれてからも変わらず働き続ける予定だったのに、退職を選択するワーママは意外と多いものです。

望んで退職する人がいる一方で、なかには「退職したくなかったのに辞めざるを得なかった…」「仕方なく退職したものの後悔している…」という人もいます。

今回は、ワーママが退職を考えるタイミングや要因を解説します。

ワークライフバランスを整えながら、無理せず働き続けるための解決策も提示するので、ご参考ください。

ワーママが退職を考えるタイミング

早速、ワーママが退職を考えるタイミングを解説します。多くのワーママが何に悩んで退職を検討するのか、まずは理由を探っていきましょう。

>参考記事:ワーママの退職スイッチが入る5つのタイミングとは?退職したくなるのはこんな時期

自分や家族のライフスタイルが変化したとき

自分や家族のライフスタイルが変化すると、仕事とのバランスが取れなくなったことを理由に退職を検討しやすくなります。

例えば、育休明けが近づいているのに子どもの保育園が決まらなかった場合、退職するしかなくなります。育休を延長できるギリギリになっても見つからず、認可外保育園も含めて保活しても落ち続けるのであれば、退職もやむを得ないと言えるでしょう。

また、育休復帰直後に子どもが体調を崩しやすくなった、学童から退所しなくてはいけなくなり仕事を継続できなくなった、などさまざまな事情が考えられます。

特に、育休中・育休復帰後・子どもが3歳を迎えて育休期限が切れるとき・小学校入学時・小4になり学童の枠が狭まるときなどは要注意です。

他にも、自分に病気が見つかって療養しなくてはいけなくなったときなど、ライフスタイルの変化が仕事に直接影響することは多いのです。

人事異動や待遇の見直しが発生したとき

人事異動や待遇の見直しが発生し、満足できる働き方でなくなったときも退職の考え時です。

例えば、人事異動を命じられると業務内容・配属部署・通勤先のオフィスなどが変わります。

希望通りの人事異動になることもあれば、不本意かつ降格に近いような人事異動になることもあるでしょう。

やりたい仕事ではない、人間環境がリセットされてストレスを感じる、通勤時間が長くなりワークライフバランスが整わない、などさまざまなハードルが生じます。

同じく待遇が見直され、給料・役職が下がったり福利厚生がカットされたりしたときは、会社に見切りをつけるタイミングなのかもしれません。

また、ワーママは時短勤務をして給与が減ったり、育休から復帰したときにポジションが代わったりすることも多いです。

自分の希望する働き方と、実際の働き方との間でギャップが大きくなりすぎると、退職を考えてしまうかもしれません。

人員変動により担当業務の内容やボリュームが変わったとき

上司や同僚の退職・休職・異動に伴い、担当業務の内容やボリュームが変わる可能性もあります。

自分に適性のない業務を命じられ、思うように成果を上げられなくなるとストレスの原因になるので注意が必要です。

また、人手不足が原因で担当業務のボリュームが極端に増えた場合、残業(持ち帰り残業)・休日出勤でカバーするなど働き方に無理が生じてしまいます。

あくまでも一時的な措置であり、従来の働き方に戻る見込みがある場合は問題ないでしょう。

しかし、改善される見込みがないと「長く働ける場所ではない」と感じやすく、つい退職が頭をよぎるかもしれません。

引っ越し・オフィス移設などにより通勤に問題が生じたとき

通勤に問題が生じるのは人事異動の時だけではなく、引っ越し・オフィス移転などでも起こり得ます。

子どもの成長に合わせて家を買ったり、夫が引っ越しを要する異動を命じられたときは、自分の通勤時間が長くなるかもしれません。

また、オフィスが移転して家から遠くなり、通勤に支障が出る可能性もあります。

独身や子どもがいないときであれば多少通勤時間が長くなっても問題ないと考える人でも、小さな子どもがいるとお迎えの時間を考えなくてはならず、退職のきっかけとなることも多いです。

ワーママが退職を考える根本的な要因

ワーママが退職を考えるタイミングは人それぞれですが、いずれの場合でも共通する根本的な要因が隠れています。下記に該当する不満がある場合、近い将来退職を検討することになるかもしれません。

納得できる給与が得られない

納得できる給与が得られていない場合、働くこと自体への満足度が下がってしまいます。

例えば、最低限求める生活レベルに達していない(もしくは今の生活レベルを維持できない)給与の場合、家族の将来が心配に思われます。

また、専門性の高い仕事を長年続けているのに給与が上がらない場合や、責任の重さや業務量の多さに給与が見合っていないと感じる場合も、会社への不満が高まるでしょう。

他に、同年代のワーママと比較して給与の低さを感じたり、親の介護や子どもの療養などでお金がかかるようになったりしたときも、転職の考え時かもしれません。

自分のスキルに合った分だけの給与が得られているか、今一度計算してみましょう。

やりたい仕事内容ではない

やりたい仕事ではないことばかり担当させられていて、やりがいを見失っているときも退職しやすくなります。

希望と全くことなる部署に配属されたり、明らかに適性がなくつまづいてばかりだったりすると、仕事へのモチベーションが下がります。

出勤すること自体が憂うつになりやすく、「子どもと過ごす時間を削ってまでやることではない」と感じるタイミングがくるかもしれません。

反対に、やりがいがあり希望に沿う仕事内容であれば、年数の経過とともにスキルアップしやすく楽しさを実感できます。

自分が心から仕事を楽しいと思えているか、もう一度チェックしてみましょう。

家事・育児と両立できる十分な時間を確保できない

勤務時間や通勤時間が長い、残業・休日出勤が多い、出張の頻度が増えた、などにより家事・育児と両立できる十分な時間が確保できないときも危険です。

まず、会社を出る時間が遅くなると保育園や学童のお迎えに間に合わなくなってしまいます。

通勤時間が長い場合も同様で、お迎えに間に合わなくなったり遅延で足止めされたりするリスクが上がります。

結果的に帰宅時間もどんどん遅れ、子どもと過ごす時間が取れなくなる可能性もあるでしょう。

どうにか子どもとの時間を捻出できても、その分家事に手が回らなくなることも多いです。

「今日もレトルト食品で申し訳ない…」「家が汚いままで気持ちが暗くなる…」など、思いがけないストレスになってしまうことが増えるかもしれません。

自分にとってちょうどいいプライベート時間を確保するためにも、定期的にワークライフバランスの見直しを図りましょう。

社内環境が自分の理想と合わない

社内環境が自分の理想と合わず、ギャップを抱えたまま働いているのであればいずれ無理がきます。

上司や同僚とソリが合わず、上手く社内コミュニケーションができないと業務上のミスや連携漏れが起きるかもしれません。

企業理念に共感できず仕事のモチベーションが下がったり、社風が合わず違和感のある働き方になったりする可能性も出てきます。

安心して相談できる人がいないなど、居心地の悪さを感じるときは特に注意しておきましょう。

ワーママが退職せずに働き続ける方法

今の会社で働くことに不安があっても、完全に離職を考えるのは最後にした方がよいでしょう。

一度離職して専業主婦になってしまった場合、再就職したいときにブランク期間を大きくマイナス評価されてしまう可能性が高いです。

また、当然ながら離職期間中はお金が稼げず貯金できる金額が下がってしまうこと、社会から隔離されて孤独感を覚えやすくなることにも注意が要ります。

もし少しでも働き続けたい気持ちがあるのであれば、下記の方法を参考に今後のキャリアを考えましょう。

>参考記事:ワーママの退職してよかった体験談!専業主婦になったその後の生活は?

時短正社員として転職する

時短正社員として転職し、正社員の立場を維持しながら働きやすさを上げる方法があります。

働く時間が短くなる分フルタイムと比較して給与は下がりますが、帰宅時間を早めることができるので子どもとの時間を確保しやすく、家事もスムーズに進みます。

自分がしっかり休む時間も取れるので疲れが残ったまま翌日出勤せずに済み、却って集中力が上がったと感じる人もいるようです。

また、時短勤務にしたことをきっかけに仕事内容や配属先を変えてもらえたりすることも多いです。

時短正社員として働ける会社に転職するのであれば、仕事内容・給与・職場環境・就労時間を全て見直すこともできるでしょう。

つまり、時短正社員はワークライフバランスに悩みを抱えるワーママ向けの解決策といえます。

もしフルタイムに戻りたくなった時も、正社員の立場であれば比較的戻りやすいので、困ったときは参考にしてみましょう。

社内で異動を願い出る

社内で異動を願い出て、仕事内容・配属部署・役職・通勤先を変えてもらう方法です。

仕事内容に不満がある人の打開策となる案であり、今の会社から転職することなく働き方を変えられるのがメリットです。

もし希望が通れば、仕事のやりがいを実感しながら精力的に働けるようになるかもしれません。

立候補制度・社内転職制度・社内副業制度がある会社であれば、まず手を挙げてみるとよいでしょう。

思わぬ適性が見つかるなど、今後のキャリアアップのヒントが得られる可能性も高いです。

雇用形態をパートに変える

雇用形態をパートに変え、責任を軽くしながら働き続ける方法もあります。

パートは時給制なので働いた分だけ給与を得ることができ、人事評価への不満を避けられます。

人員が充実している会社であればシフトの融通が効きやすく、子どもや家族の都合に合わせて休みを取ったり勤務時間を短縮したりできるのも魅力です。

任せられる仕事の範囲や権限もパート用に変わるので、無理なプレッシャーを感じることなく自由に働けるかもしれません。

正社員ならではの重い責任を避け、都合に合わせて働きたい人向きの手法と言えるでしょう。

雇用形態を派遣社員に変える

雇用形態を派遣社員に変え、スキルを活用して働く方法もあります。

パートと同じく時給制であることが多いですが、時間はフルタイムと同等なのが一般的です。

ただし派遣会社との契約次第ではあらかじめ残業・休日出勤・出張を断ることができ、無理な働き方にはなりません。

特にスキルのある人が重宝される傾向が強く、営業職として実績のある人・経理や総務など専門事務の実務経験が長い人などは高い時給を提示してもらえるかもしれません。

定期的に職場が入れ替わるので、良くも悪くも人間環境をリセットできるのもポイントです。

フリーランスとして独立する

フリーランスとして独立し、自分のペースで働く方法もあります。

既にスキルを身につけていて独立しても十分に稼げる可能性がある人は、検討してよいでしょう。

受注する仕事の内容や納期を自由に設定でき、交渉次第では単価も上げられるなどメリットが多いことが特徴です。

また、自宅で働いているフリーランスも多く、保育園の送迎やスキマ家事に便利なのも利点と言えるでしょう。

時短正社員以外になるデメリットは?

ここでは、時短正社員以外になるデメリットを解説します。前項ではメリットを中心にお伝えしましたが、デメリットにも目を向けて後悔を避けるよう意識していきましょう。

参考記事>ワーキングマザーの辞めどきはいつ?仕事を辞めたいと思ったときに考えたいこと

社内で異動を願い出るデメリット

社内で異動を願い出るデメリットは、下記の通りです。

  • 異動願いが必ず受け入れられるとは限らない
  • 社風・企業理念なども根本は変わらない
  • 給与体系や人事評価制度などはそのまま引き継がれる
  • 社内での人間関係はある程度継続する

また、ネガティブかつキャリアダウンを望むような異動願いを歓迎しない会社も多く、「やる気がないのか」と思われてしまう可能性もあります。

子育てや家事との両立に理解のある会社かどうかにより変わる部分でもあるので、まずは自社の社風を見渡してみましょう。

雇用形態をパートに変えるデメリット

雇用形態をパートに変える場合、下記のようなデメリットが発生します。

  • 非正規雇用なのでいつ人員整理の対象となるかわからない
  • 責任ある仕事を任せてもらえるキャリアアップできない
  • 年末年始・夏季休暇など働けないときはその分給与が下がる
  • 利用できる福利厚生が限られている
  • 正社員として再就職しづらくなる

パートから再度正社員になるのは至難の業であり、もし正社員就職できたとしても給与・待遇が新卒と同等もしくはそれ以下であることも多いです。

これまでのキャリアを評価されにくく、かつ就業中のキャリアアップも望めないので、やりがいを実感できないかもしれません。

雇用形態を派遣社員に変えるデメリット

派遣社員には、下記のようなデメリットがあります。

  • 数年に1度派遣先が変わるので人間関係の構築に手間がかかる
  • 派遣先が変わる度に通勤時間を計算しなくてはいけない
  • 責任ある仕事を任せてもらえるキャリアアップできない
  • 契約が更新されるとは限らず雇用が不安定

派遣社員最大の特徴は、数年に1度派遣先が変わる点にあります。

その度に新しい会社に慣れ、上司や同僚と人間関係を構築し、保育園・学童のお迎えに間に合うよう勤務時間を調整する必要があるので注意しておきましょう。

そのまま正社員として雇用してもらえる可能性もありますが、よほど満足できる会社でない限り始めと同じ悩みを抱えやすくなるのもデメリットです。

フリーランスとして独立するデメリット

フリーランスとして独立する場合、下記のデメリットを承知しておく必要があります。

  • 人員の替えが効かないので全責任が自分にかかる
  • 営業・事務・確定申告・納税まで全て自分が担当する必要がある
  • 突出したスキルがないと十分な収入が得られない
  • 安定して仕事が得られるとは限らない
  • 社会保険に加入できないので産休・育休・傷病手当が適用されない

フリーランスになるためには、とにかく突出したスキルが必要です。

スキルがないままフリーランスになってしまった場合、安い案件しか受けることができず、アルバイトと変わらないかそれ以下の収入になってしまうこともあります。

また、子どもの体調不良や急な予定変更があっても仕事を代わってくれる同僚がいないので、リスク管理も含めて全て自分でやらなくてはいけません。

「会社の制度を使える」という安心感もなく、慎重に判断すべきと言えるでしょう。

時短正社員になるメリット

一方、時短正社員になるメリットは下記の通りです。

  • 正社員として働けるので雇用の安定性が抜群
  • 正社員だけの福利厚生を利用できる
  • 勤務時間を短縮できるので子育てや家事と両立しやすい
  • 限られた時間でも責任ある仕事を担当させてもらえる可能性がある
  • 他の働き方と比較して今後の転職時に有利

正社員としてキャリアを積めるので自分のスキルアップがしやすく、今後転職するときにも有利です。

子どもが小さいうちだけ時短正社員として働き、ある程度手が離れたらフルタイムに戻す人も少なくありません。

今の会社があまり時短正社員を歓迎していない場合や、時短正社員として働ける期限が限られている場合は、完全退職ではなく転職を検討してみるとよいでしょう。

なかには入社1年目から期限なしで時短正社員として働ける企業もあるので、まずは選択肢の多さだけでもチェックしてみることをおすすめします。

>参考記事:働くママの退職はあくまで選択肢のひとつ!ワーママはひとりで悩まないで

まとめ

ワーママが退職のリスクに晒されるタイミングは意外と多く、ただ働き続けることだけでも難しいと感じる方が多いかもしれません。

しかし、働き方を見直して自分に合う職場環境に飛び込んでいけば、ワーママであることを壁に感じることなく働けることも多いのです。

リアルミーキャリアでは、ワーママの転職をサポートしています。

「働き続けたいけど辞めるしかない…」と思う前に、ぜひ一度ご相談ください。