育休中転職は、働きながら転職するのと比べてじっくり腰を据えて会社選びできるのが利点です。
とはいえ育休中転職を経験した人はまだまだ少なく、「どうすれば成功するかわからない」「参考になる事例が見つからない」という方も多いのではないでしょうか。
今回は、育休中転職を成功させるカギについて解説します。
記事後半では育休中転職に成功したワーママの体験談も紹介するので、ぜひご参考ください。
もくじ
早速、育休中転職を成功させるカギを解説します。どんな会社をターゲットにするべきか、どうすれば転職市場で少しでも優位に立てるかなど、複数の視点からチェックしてみましょう。
第一に、転職に関する情報収集は早めにスタートしておくのが理想です。
これは全ての転職希望者に当てはまる内容ですが、特に育休中転職を希望するのであれば更に一歩早い情報収集が求められます。
なぜなら、育休中は保育園に入園していないので子どもの預け先を確保できない日も多く、いつでも面接に出向けるとは限らないからです。
子どもが夜泣きして履歴書作成が中断されたり、独身時代と違って家族の意向も考えて転職先を検討したり、何かと時間がかかることも多いでしょう。
いざ転職活動を始めたときスムーズに動けるよう、情報収集だけでも早めに始めておきましょう。
Web面接できる企業へ優先的に応募し、転職経験値を積むのもおすすめです。
転職面接は新卒の就活と異なり、過去に経験した具体的な職務内容・実績・知識を聞かれることが多くなります。
また、今後想定しているキャリアパスやライフプランに関する質問が投げかけられることも多く、面接に「場慣れ」していないと戸惑うかもしれません。
そのため、選考をどんどん受けて転職活動の感覚を身につけていくことが急務です。
Web面接であれば自宅でできるので短時間で終えやすく、預け先を確保しやすくなります。
あらかじめ育休中であると伝えておけば、多少子どもの声が入っても問題なく面接が進行するでしょう。
とはいえ、Web面接などのオンラインコミュニケーションは対面のときと印象が異なりやすく、Web面接向けの練習をする必要があります。
本命の会社がWeb面接を実施していることも想定し、カメラの角度・マイクの精度・声のトーンなども含めて対策しておきましょう。
転職エージェントではWeb面接向けのノウハウを指導してくれるので、困ったときは頼るのがおすすめです。
フレックスタイム制度を導入している企業であれば、出社・退社の時間をある程度自由に決められます。
保育園の送迎に合わせて退社することもでき、ワーママが働きやすい環境でもあります。
朝の送迎は夫に任せて早く出勤して勤務時間を確保したり、「朝残業」して効率を上げたりすることも可能です。
そのため、フレックスタイム制度を導入している企業への応募を優先し、入社後の働きやすさを第一に考えるのがおすすめです。
ただし、入社してすぐフレックスタイム制度を使えるか、あらかじめ確認しておきましょう。
「入社当日からフレックスタイム制度使用可」としている会社もあれば、「業務に慣れるまでのおよそ半年間は規定時間での出勤が必須」としている会社もあるので注意が必要です。
フレックスタイム制度と同じく、リモートワーク勤務を導入している企業を優先してもよいでしょう。
リモートワークであれば自宅で働けるので通勤時間を短縮でき、その分早くお迎えに行くことが可能です。
場合によっては勤務時間を長くして給与のベースを上げたり、インフルエンザなどでやむを得ず休園になってしまったときでも有給を使わず働けたりするかもしれません。
洗濯機を回す程度の「ちょこっと家事」であれば、隙間時間を使って終えられることも多いのです。
近年は働き方改革や新型コロナウイルス感染症の影響を受け、柔軟な働き方をかなえる企業の割合が増えています。
なかには入社からしばらくしてリモートワークに切り替えられる会社もあるので、リモートワーク導入中の求人があれば積極的に応募してみましょう。
ベンチャーやスタートアップを含む中小企業は柔軟な働き方を歓迎しているケースが多く、フレックスタイム制度やリモートワーク勤務の導入率が高いです。
また、実力を重視して採用活動する傾向が強いので、スキル重視で採用したり実力主義で人事評価したりすることも特徴です。
「大企業の方が福利厚生も労働環境も整っている」と考える方は多いですが、必ずしもそうとは限りません。
大手企業の場合、9割以上が「入社して1年経たないと時短勤務にできない」としているので特に注意が必要です。
他にも定期的な玉突き人事など、大手ならではのデメリットがあることを知っておきましょう。
「大企業は社内規則が厳しくて肌に合わない」「小さな子どもがいてもどんどん昇進・昇格していきたい」と考える人は、中小企業に狙いを定めた方がよいかもしれません。
実務経験のある職種の求人に応募し、これまでの経験・知識・実績を最大限アピールするのがおすすめです。
ワーママ転職に限らず、大幅なキャリアチェンジを希望する場合を除いて自分の得意分野で勝負するのが転職成功のカギとなります。
具体的には、マーケターなど数値で実績を伝えられる職種や、エンジニア・デザイナー・ディレクター・ライターなどクリエイティブ系の職種が強いとされています。
業界全体が成長しているIT企業でのニーズが高いので転職先の選択肢も多く、積極的なチャレンジができるでしょう。
また、ITツールやSaaSの発展によりワーママでも働きやすくなっている職種も存在します。
総務・人事・経理・法務などのバックオフィス部門はクラウドツールの浸透により、リモートワークしやすくなりました。
オンライン営業を主軸にする営業職が増えていること、パソコン1台あればコールセンターやカスタマーサポートなどの通話業務ができるようになっていることなども影響しています。
自分の強みを活かせそうな会社がないか、まずは求人情報をチェックしてみましょう。
次に、育休転職が成功に至るまでのフローをひとつずつ解説します。「何から手をつければいいかわからない!」という方は、下記をご参考ください。
まずは転職活動に関する情報収集から始めます。
転職サイトやハローワークなどを使って早速求人をチェックする方法もありますが、できればこの段階で転職エージェントに登録しておくとよいでしょう。
転職エージェントが提供してくれるノウハウは幅広く、求人票ひとつチェックするのでも意外な落とし穴があることに気づけます。
「裁量労働制」「固定残業代」「週休2日制」など、理解できているようで実は認識とのギャップが生じがちな表記には特に注意しておく必要があります。
他にも「選考通過率の高い履歴書・職務経歴書の書き方」「Web面接で好印象になる話し方」「子ども関連の質問にどう返答すべきか」など多彩なアドバイスをしてくれるのも、転職エージェントならではです。
なかでもワーママ特化型転職エージェントでは、通常以上に時間がかかりやすいワーママ転職を支えるノウハウに長けているのでおすすめです。
次に、子どもの預け先を確保するのが大切です。
夫や両親と当番を組みながら今すぐ働く方法もありますがあくまでも緊急策であり、基本的には保育園など毎日安定して預けられる場所を確保するよう努めましょう。
基本的には現職における在籍情報を使って就労証明書を作成し、保育園に申請を出すことになります。
入園が確定し次第、次項の本格的な転職活動に進みます。
ただし、保育園や自治体によっては就労証明書に記載されている職場に復職し、復職証明書を提出しなければいけないケースもあるので注意が必要です。
その場合は復職後の転職活動スタートになるので、あらかじめ自治体の要件をチェックしておきましょう。
子どもの預け先を確保でき次第、選考・面接など具体的な転職活動に移ります。
前述の通り、ベンチャーを含む中小企業・フレックスタイム制度やリモートワーク勤務に積極的な企業・Web面接に対応している企業に焦点を当てていきましょう。
また、転職市場における優位性を上げるため、自分の経験・知識が活きる職種に狙いを定めるのも効果的です。
好印象な履歴書・職務経歴書の作成方法や面接時のマナーについては転職エージェントのキャリアアドバイザーが詳しいので、大いに頼っていくのがおすすめです。
無事に内定が出たら、入社条件の交渉を始めます。
具体的には、給与や賞与などの報酬・勤務地・勤務曜日・勤務時間・配属先の部署・およその仕事内容について話し合うことが多いです。
転職エージェントを介していると年収交渉ができるケースもあるので、「最低でも年収〇万円は確保したい」など希望があれば早めに伝えておきましょう。
双方で条件に合意できたら内定承諾書もしくは雇用契約書を締結し、あとは入社日を待つのみです。
同時に、現職に対する退職交渉も進めます。
育休中であれば業務の引継ぎが生じる可能性は非常に低いものの、引継ぎ漏れがないか、借りたままの社内資料や備品がないか、確認しておきましょう。
調整した入社日にあわせて、いよいよ転職初日を迎えます。
持っているスキルを最大限活かしつつ、新しく学べることは積極的に吸収して会社に貢献できる人材として成長していきましょう。
また、入社前には家事・育児含む家庭のルーティンについてイメージトレーニングしておくことが重要です。
「お迎えに間に合わせるには遅くとも何時に職場を出る必要があるか」「曜日ごとに勤務時間が違う場合、夫との連携をどうするか」など、十分にイメージしながら夫婦で話し合う時間を設けます。
ルーティンが確立するまでの間は家事代行やミールキットなども活用し、家事にかかる手間を最大限簡略化するのもおすすめです。
最後に、育休転職に成功した人の体験談を解説します。「まわりに育休中転職した人がいない」という方は、下記を参考にしてみましょう。
転職活動中は1日単位で預かってくれる託児所に登録していましたが、希望する日時に空きがなく、結局活用できませんでした。
面接先の企業に子どもを連れていくわけにもいかず、Web面接できる企業を中心に応募することにしました。
Web面接だと会話の途中で変な間ができたり相手の表情を読み取りにくかったりして苦戦することもありましたが、よい練習になったかなと感じます。
育休中で子どもの預け先が見つからないことを事前に伝えてあったので、多少子どもの声が入っても笑って許してもらえたのはありがたかったです。
上記のように、Web面接で転職を決めた成功例があります。
Web面接はこれまでと勝手が違って苦労することも多いですが、会場まで往復する時間を短縮できるので上手くスケジュールを組めれば1日で数社の面接を受けることも可能です。
近年は取引先とオンラインで商談する企業も増えているので、オンラインコミュニケーションできるようになっておいて損はないでしょう。
最初は大企業を中心に応募していましたが、倍率が高く競争が激しすぎること、入社してすぐ時短勤務できないなど意外な就業規則があることから、途中でベンチャー企業優先に切り替えました。
ベンチャーの方が経営者との距離感が近く、緊張しすぎずフランクな面接ができたこともありがたかったです。
無事に内定をいただいた企業は入社当日から時短勤務できる制度になっていて、転職したてのときから無理したくなかった私にぴったりでした。
ゆくゆくはフルタイムに戻ることも考えているので、この会社でよかったと感じています。
ベンチャー企業は相談次第で柔軟に対応してくれるケースも多く、上記の事例も入社当日から時短勤務することに成功しています。
転職直後は慣れない環境になるので身体的にも精神的にもストレスがたまりやすく、無理せず両立することに重きを置いた方がよいかもしれません。
後々時短勤務からフルタイムに変更できる会社であれば、自由なキャリア形成ができることも魅力です。
リモートワークなど柔軟性のある働き方ができる企業を優先して、求人を選定しました。
子どもが小さいといつ保育園から呼び出しがあるかわからず、風邪が長引いて有給をあっという間に使いきってしまう可能性もあるかと思ったので、環境重視で選んでよかったです。
面接の際は「どういう条件ならリモートワークできるか」「早退した場合は翌日の労働時間などでカバーできるか」など、実際に起こりそうな困りごとを想定した逆質問もさせていただきました。
リモートワークやフレックスタイム勤務など、働く環境を重視して転職に成功した事例です。
苦戦することの多いワーママ転職だからこそ、一度転職したら長く在籍しつづけたいもの。
転職活動の際はつい「内定を得ること」に焦点を当てがちですが、入社後の働きやすさや家庭との両立しやすさに焦点を当てることが大切です。
もともと労務管理部にいた経験が長く、社会保険料算定などルーティン業務から労働審判まで幅広く対応できることが私の強みでした。
そのため転職の際も労務管理もしくは人事系の求人のみにフォーカスし、強みをアピールできる履歴書や職務経歴書になるよう工夫しました。
実績を評価してもらえたので、想像以上に早く内定をいただくことができてありがたかったです。
また、想定以上の年収を提示してもらえたので、自信にもつながりました。
今では前職以上に恵まれた雇用条件で、得意を活かしながら働けています。
自分の強みを活かすことができれば転職市場で優位になることができ、高く評価してもらえます。
小さい子どもがいても高い評価を得て昇進・昇給できたり、ロールモデルとして活躍できたりすることもあるでしょう。
「ワーママだからといってキャリアダウンしたくない!」「転職をスピーディーに完了させて生活の基盤を早めに築きたい!」という方ほど、自分の強みをアピールするのがおすすめです。
育休中転職を経験した人がまわりにいないと、「何から手をつければいいかわからない」「子持ちでも転職できる自信がない」と気持ちが後ろ向きになってしまうこともあるでしょう。
しかしポイントを抑えてひとつずつ準備していけば、転職成功の確率はぐっと上がります。
リアルミーキャリアでは、育休中転職を検討しているワーママに転職ノウハウの共有や求人の紹介をおこなっています。
プロの力を借り、自分の適性を見ながら満足度の高い転職をかなえたい方は、お気軽にご相談ください。