「子育て中に正社員として転職するのは難しい」と感じている人は多いでしょう。保育園の開園時間や子どもの体調管理など気を配るシーンが多く、子持ちではない人と同等に転職市場を勝ち残る自信が出てこないかもしれません。
しかし、子育てをしながら正社員として転職しやすい仕事があることも事実です。実務経験や知識を最大限活かせれば、子持ちの方でも選考に通りやすくなるでしょう。
今の働き方に疑問・不安のある方は、本記事を参考に転職を検討してはいかがでしょうか。
もくじ
働くママが多い業界・職種について考えたとき、まず1番には医療職や介護職、弁護士や教員などの専門職が挙げられます。こうした業界や資格によって労働者の供給に制限があったり、大きな人手不足だったりする傾向にあるためやや特別だと考えられるでしょう。
そのため、本記事ではいわゆる営業や事務などホワイトカラー(オフィスワーカー)を対象として考えてみたいと思います。
まずは、子育てしながら正社員で働きやすい業種を紹介します。職種だけでなく業種の選び方にも気を付け、興味のある仕事を探してみましょう。
IT・WEB業界はパソコンやインターネット環境さえあれば問題なく業務を遂行できるケースが多く、多様な働き方にしやすいのが特徴です。実際にテレワークやフレックスタイム制度を導入している企業も多いです。テレワークを導入している割合は圧倒的に高いと言ってよいでしょう。子育て中の社員以外も積極的にテレワークやフレックスタイム制度を活用しているため、自分だけ特別扱いしてもらう居心地の悪さがないのもメリットです。
IT・WEB業界は副業人材やフリーランス人材の活用も進んでいます。働き方の多様化が進んでいるため、時短社員が特別珍しい働き方ではないのです。加えて、若い産業であるがゆえに子育て世代も多いです。
また、IT・WEB業界は成長産業ですから、求人数が多い点も有利に働きます。採用意欲が高い業界だからこそ転職可能性が高く、実力主義的であり、子育て中の人にも十分なチャンスがあります。
ITサービス関連の実務経験や営業などのスキルがあれば特に高く評価してもらえますが、業界未経験でも受け入れている会社は多いです。特に経理や労務などの管理部門は業界経験はあまり関係ないですから、他業界からの出身者も多いでしょう。
あえていうならば、ウェブマーケターやウェブデザイナ、ITエンジニアのような専門職種は未経験からの挑戦は非常にハードルが高いのが現実です。スクール等で学んだとしても相応の下積み期間が必要で、その下積み期間中に柔軟に働けるかといえばなかなか難しいのです。
それであれば、今までの経験を活かしつつIT・WEB業界に参入するほうがうまくいく確率は高いのではないかと思われます。
以下に、IT・WEB業界をもう少し分解して考えてみます。
IT・WEB業界のなかでも「ソフトウェア系」に該当する企業として、下記が挙げられます。
一昔まえはパソコン等にインストールして利用するタイプのソフトウェアが多かったですが、近年はSaaS(クラウド上で利用できるソフトウェア)が主流になっています。
SaaS企業ではIT系の専門職はもちろんのこと、営業職やカスタマーサポート(テクニカルサポート)職も多数在籍しています。採用意欲が旺盛な業界であり、他業界からの転職者も非常に多いことが特徴です。
営業職は工程によってインサイドセールス(見込み客を作り出す、商談のアポイントを獲得する営業)、フィールドセールス(商談から受注を担当する営業)、カスタマーサクセス(利用促進、単価向上などを担う営業)に分かれることがあります。
インサイドセールスは非対面で行われるのが主流です。その名の通り内勤営業となります。いわゆるテレアポによる見込み客の発掘を行うこともあれば、マーケティング活動によって生み出された見込み客とプレ商談をして導入意向が一定以上高い場合にフィールドセールスに渡す場合もあります。
テレアポが苦手という方もいらっしゃいますが、内勤営業であるということは時間のコントロールがしやすく、ワーママにとっては両立がしやすいポジションと言えるでしょう。ただし、フィールドセールスやカスタマーサクセスに比べると給与面ではやや劣ることが多いです。
フィールドセールスは名前の印象から外勤であると考えられがちですが、企業によって方針は異なります。訪問できる圏内なら訪問で、それ以外はリモートで営業するといった混合で行われるケースもあれば、企業によっては完全リモートというケースもあります。役割が受注の獲得というだけで、業務スタイルは企業によって異なるため確認が必要です。
カスタマーサクセスは名称から既存営業のイメージがあり人気が高いですが、実態はソフトウェアの利用浸透を徹底するプロジェクト運営者の側面が強いです。はじめて導入されるソフトウェアは導入先企業がアレルギーを示すケースもありますから、そうすんなりとは利用浸透されることはありません。企業によっては(製品によっては)フィールドセールスよりもタフな仕事であるケースもあり、名前の印象で決めないほうがよいでしょう。また、メインの役割が単価の向上(アップセル)の場合は、営業の色合いが強くなります。
先に述べたとおり、管理部門職種はSaaS企業だからといって他業界と大きく変わるわけではありません。電子化が進んでおり、よりテレワークが活用しやすいのは間違いないでしょう。
IT・WEB業界のなかでも「メディア系」に該当する企業として、下記が挙げられます。
IT・WEB業界におけるメディア系企業では、ニュース、オンラインメディアやオンラインコミュニケーションサービスを提供することが多いです。身近な例でいうと、ママ特化型の質問投稿サイトや育児情報交換サイト等が挙げられます。
グルメ情報サイト、旅行情報サイトなども該当するでしょう。ビジネスモデル的な特徴でいえば、クライアント企業からの掲載費用、広告費用によって運営されている又は有料会員プランによって個人ユーザが課金しているパターンが多いでしょう。サービス提供方法はウェブサイト以外にも、いまはスマートフォンアプリが主流になっています。
広告を獲得するための営業人員はもちろんのこと、ウェブ(アプリ)の構成を企画するディレクターや記事を書くライターといった職種も募集されています。
一概にはいえないところですが、SaaS企業に比べると近しい業界の経験者を採用する意向の企業が多いかもしれません。
IT・WEB業界のなかでも「WEBサービス系」に該当する企業として、下記が挙げられます。
WEBだけで完結するサービスを提供する会社が多く、上記企業以外にも例えばスキルマーケット「ココナラ」やハンドメイド品売買サイト「minne」などの運営元もここに該当します。その他、クラウドソーシングサイトやコンテンツプラットフォームサイトなどの運営元が該当することもあります。
サービス内容やBtoB・BtoCも混在しており、非常に広範で一括りで扱うことは難しいですが、企業によっては業界未経験者も広く募集しており、狙い目の業界といってよいでしょう。
IT・WEB業界のなかでも「ITコンサルティング系」に該当する企業として、下記が挙げられます。
クライアントからの依頼を受け、IT開発、ソフトウェアのテスト、AIの導入、基幹システムの導入などを行う企業です。人員としてはITエンジニアの比率がもっとも多いことが特徴です。
事業成長がエンジニアの人数に比例することから、各社エンジニアを採用するために様々な施策を行っています。テレワークの利用頻度を高めるといったことはもっとも典型的です。原則在宅勤務といった会社も珍しくありません。
ワーママエンジニアの中にはクライアントワークは時間の融通がきかないからと敬遠する方もいらっしゃいますが、働きやすさは企業によってかなり異なると言えるでしょう。
エンジニアをいかに留めておけるかを真剣に考えている会社は残業時間も短くなるよう管理されており、ワーママにとっても有力な選択肢になりえます。
WEBサイト制作からアクセス解析まで幅広く請け負う企業が多く、なかには動画制作や写真撮影まで対応している企業も少なくありません。電通や博報堂など大手広告代理店のグループ会社から、地方で活動している少数精鋭の企業まで幅広いのでチェックしてみましょう。
採用する人員としてはウェブディレクター、ウェブデザイナーがメインであることから、他業界からの参入はなかなか難しいかもしれません。企業によっては原則在宅勤務としているところもあります。
転職エージェントや転職サイトを手がける人材紹介会社も、ワーママにおすすめの業種です。なかには「女性特化型の人材紹介サービス」「ワーママ特化型の人材紹介サービス」などもあり、子育てしながら働く自身のステータスが仕事で役立つことも。
一般的には企業へ営業を行う営業職をRA(リクルーティングアドバイザー)、候補者のカウンセリングをする営業職をCA(キャリアアドバイザー)やCP(キャリアパートナー)などと呼んだりします。RAとCAを兼務する両面型と呼ばれるスタイルも存在します。
以前はRAは訪問営業、CAは対面での面談が主流でしたが、近年は働き方改革や新型コロナウイルス感染症対策の一環として、テレワークで実施されることが増えています。子どもの体調不良に合わせて自宅で仕事をしたりフレックスタイム制を活用できたりするケースも多いので、ワーママ向きの業界と言えるでしょう。
RAは法人営業経験を重視されることが多いですが、他業界からの参入も活発です。
CAは個人営業経験者も歓迎とされるケースがあります。ウェディング、学習塾、ジュエリー販売など勤務時間帯の関係から育児との両立が難しい職種からもキャリアチェンジできるチャンスがあるでしょう。また、銀行、証券、保険営業のような職種からのキャリアチェンジ例もあります。
人材紹介に近い業界として人材派遣もあります。人材派遣もテレワークを使える場面はありますが、人材紹介ほどではないようです。
派遣した社員との定期面談などを対面で行うことを大事にしている会社もあり、物理的な出社または客先訪問が必須になることもあります。
女性向け商品の開発・製造を手がけるメーカーも、女性社員比率が高めです。女性比率が高いということは働き方の柔軟性が担保されている確率が高くなりますから、時短やテレワークを使える可能性も高まるといえるでしょう。
具体的には化粧品、アパレル、雑貨などが該当します。職種は商品企画、マーケティング、MD、PRなど企画系職種が多いでしょう。
いわゆるD2Cブランドであれば、ビジネスモデルとしてはウェブサービスに近いものとなるため、ウェブマーケターといった職種も重宝されます。小売店経由の販売が強い会社であれば、小売への営業といったポジションもあるでしょう。
ただし、業界経験者が求められるケースが多いように見受けられます。ITや人材ほどは他業界からの流入が活発とは言えないでしょう。
経理・労務などバックオフィス経験が長い人は、士業事務所やバックオフィスBPO業界に転職するのもおすすめです。
「士業」とは高度な専門資格を必要とする職業のことであり、「士業事務所」には会計事務所・税理士事務所・社会保険労務士事務所が該当します。バックオフィスBPOとはバックオフィス業務に特化してアウトソーシングを請け負う企業のことであり、主に経理業務や労務管理業務を請け負います。
士業というと資格が必須なのではないかと思われることもありますが、スキルがあれば資格は不問という案件も少なくはありません。
いずれもクライアントワークではありますが、担当社数を調整すれば業務時間もコントロールできるのがポイント。事前に繁忙期について見通しを立てやすく、急な残業が少な目なのもメリットです。
近年はバックオフィス部門の業務効率化に役立つクラウドツールなども多数リリースされているため、自宅やサテライトオフィスでも働きやすくなっています。
ここからは業種だけでなく職種まで掘り下げて、子育てしながら正社員で働きやすい仕事を探っていきましょう。
下記のような職種はママ社員も多く、経験・スキル次第では歓迎される可能性が高いです。
営業職は求人数がもっとも多い職種です。そのぶん、時短やテレワークといった条件を叶えるチャンスが多い職種といえます。先に記載したようにインサイドセールス・内勤営業のような時間をコントロールしやすい役割もあります。
加えて、営業職は結果数字がもっとも明確な職種であり、実力主義的な働き方がしやすいともいえます。しっかりと結果さえ出していれば、在籍年数や性別、子どもの有無などに関係なく評価されるため、時短やテレワークといった要望もより通しやすくなるでしょう。
営業職は求人数も多いがゆえに、未経験歓迎の求人もあるので注目しておきましょう。営業経験がなくとも、ブライダル業界・ジュエリー業界・エステ業界、学習塾業界のような高額商材を扱う業界出身者に対しては求人も多くあります。
販売職などサービス系の職種から営業職に転職することも可能であり、経験を活かしながら土日祝日休みにできることが可能です。
もちろん、法人営業経験があればなお選択の幅は広がります。法人営業経験者はテレワークを使える求人を選ぶこともできるでしょう。
カスタマーサポートやコールセンターなど、顧客からの要望・困りごとに対応する仕事もおすすめです。対応時間内はきっちり働く必要があるものの、それ以外の残業・休日出勤が発生しづらく、事前にスケジュールの見通しを立てられることがメリットです。
ただし、BPOなど他社からアウトソーシングされる形でカスタマーサポートを担う会社の場合、クライアントからの要望に応じて対応時間・曜日が変動する可能性があるため注意しておきましょう。
一方で、自社サービスのカスタマーサポートは環境の変化が起こりづらく、数年単位で長く働ける場となることが多いです。営業事務的な役割をあわせて顧客対応を任される場合もあります。
IT・WEB業界においては同業界出身者が歓迎されやすい傾向にあります。同業界はやはりテレワークを利用しやすいことが魅力です。
テクニカルサポートとは、IT製品の操作方法や故障など技術的な問い合わせに対応するサポート窓口のことです。
対応方法は、電話・メール・チャット・直接訪問など多岐にわたりますが、オンラインで完結できる企業であれば子育て中でも働きやすいでしょう。主にIT企業の求人であるため、テレワークやフレックスタイム制も活用しやすく、都合に合わせてフレキシブルに働けます。
ただし、IT系のカスタマーサポート経験者やITエンジニア経験者に採用が集中しやすく、全くの未経験だと内定のハードルが高くなります。
今までエンジニアとして開発してきたが、コードを書くよりも顧客対応のほうが好きだという方の良い受け皿となるでしょう。
ITエンジニア・プログラマーなどIT系専門職は、働く場所・時間帯にしばられません。パソコンとインターネット環境さえあればどこでも働けることが強みであり、オフィスに出勤して働くことも、自宅やコワーキングスペースで働くこともできるでしょう。
ITエンジニアの求人倍率は非常に高いことから、企業も働き方に配慮する傾向にあります。通勤時間をなるべく短縮し、働く時間やお迎えの時間を捻出したいと考える子持ち社員にメリットがあります。
一方で、SESなどのように客先常駐の場合は、客先によって出勤場所やテレワークの頻度が変わります。スキル次第ではありますが、安定して働くのであれば社内の受託開発や事業会社で勤務するのが良いでしょう。
エンジニア転職の場合は活かせるスキルや仕事内容だけでなく、働く環境も視野に入れて企業選びをおこないましょう。
WEBデザイナーも比較的柔軟な働き方が担保されやすい職種です。
デザインだけでなくHTMLやCSS、Javascriptを使ったコーディングができればより選択肢が広がるでしょう。ただし、昨今のIT業界におけるデザイナへのスキル要求度は上昇傾向にあります。単にデザインができるだけでなく、BtoB向けのサービスやSaaSのデザインをしてきたか、UIUXまで考慮に入れられるかなど、高度な能力が必須要件に入るようになりました。
一方で、IT業界以外ではそこまで高度なものは求められず、ウェブサイトのデザイン経験があれば十分というケースもあります。ただし、働き方の柔軟性はIT業界ほどではないでしょう。
IT業界で働くことを志向する場合は、日々の研鑽もしっかり積んでいく必要があるでしょう。
マーケティングといっても様々ですが、特にWEBマーケター(デジタルマーケター)はIT業界に所属することが多く、柔軟な働き方が担保されやすいでしょう。
Google、Metaといったメジャーな運用型広告やウェブディレクション、MAを使ったCRM、ホワイトペーパー、ウェビナーなどキャリアの方向性は様々です。
IT業界ではSaaSをはじめとしたBtoBのサービスが増えたこともあり、リード獲得のための施策やリード育成のためのCRMなどの需要が伸びてきています。
まだBtoBマーケティングのスキルを保有する人材は少ないため、そうしたスキルを身につける機会があればチャンスとなるでしょう。
経理・総務・人事・労務など、バックオフィスも子育てと両立しやすい仕事です。実務経験を求める傾向が強く、過去バックオフィスに従事した経験があれば大きなアドバンテージとなるでしょう。ルーティンワークが多いため繁忙期と閑散期の見通しが立てやすく、タスクやスケジュールをしっかり管理すれば急な残業・休日出勤も防げます。
特に経理や労務は業界問わず需要がある職種であり、転職の選択肢が多いといえます。不動産業界の経理経験者はIT業界の経理にも転職できる。つまり、働き方が柔軟な業界への移動も可能であり、スキル次第ではテレワークやフレックスといった働き方も実現しやすいでしょう。
一方で、採用人事は業界によって求められるスキルが若干異なります。IT業界であれば、エンジニアなどの職種の採用経験を求められるケースも多く、業界間の移動がややしづらい傾向にあります。エージェント活用、求人広告、ダイレクトリクルーティングなど幅広い採用手法を経験しておくことで、業界未経験の不利を跳ね返していきたいところです。
ここでは、子育てしながら正社員で働きにくい業種・職種について解説します。
あくまでもIT・WEB業界や人材業界など先に記載した業界と比較した場合であり、絶対的に難しいというわけではないことにご注意ください。また、企業によって働き方はさまざまであり、下記業界や職種であっても柔軟な働き方を実現している会社もあります。
今後の労働人口の現象、育児休業法等の法改正により、以下のような業界・職種でも働き方は改善していく可能性はあるでしょう。
メーカーは事業性質上、日本各地に拠点があったり、取引先が地方各地にあったりする場合があります。その結果として、出張や転勤を求められることがあり、育児との両立を難しいものにしています。
また、海外取引の多いメーカーであれば相手企業の時間軸に合わせて速やかなレスポンスをしたり、英語の勉強が欠かせなかったりすることもあります。
特に営業職はそういった影響を受けやすいと言えるでしょう。企業によっては出張の頻度等に一定配慮してくれる場合もありますから、家族と相談のうえで考えていきたいものです。
一方で管理部門であればそうした影響は受けづらいでしょう。
建設・不動産の場合、土日祝日の勤務が必須である場合があるので注意しましょう。
特にBtoCのハウスメーカー営業や不動産カウンター対応などに転職する場合、土日祝日に顧客が多くなるためシフトを外してもらうのが難しくなります。イベントホールでの展示会、住宅展示場やショッピングモール等でのプロモーションフェアなども多く、長期休暇中の出勤も欠かせません。
会社全体として休日を統一している場合もあり、営業職だけでなく管理部門も影響を受ける場合があります。もともと土日祝休みで勤務していた方からすると、転職先として考えるには難しい業界になるでしょう。
どうしても建設・不動産に転職したい場合、現場以外の部署に配属してもらうなど対策が必要です。または家族が土日祝日・長期休暇完全休みで子育てを分担できる人でないと、厳しいかもしれません。
建設・不動産業界と同じ理由で、サービス業や小売業への転職も難しい場合があります。
例えば塾・家庭教師などを中心とした学習支援業の場合、中高生が部活から帰ってくる夕方以降がピークタイムとなるため、夜間の出勤が必須です。「定時が13時から22時に設定されている」など夜型の働き方になりやすく、時短勤務しようとしても19時までの労働が必須など、ワーママにとっては厳しい条件となるでしょう。夏期講習や年末年始特訓などに対応する場合、どうしても長期休暇が取れなくなります。
ホテル、アパレル、小売などのフロント職も同様に、夜や土日祝日の勤務を求められるケースが多いです。自分が働きたい時間帯と照らし合わせ、無理なく続けられそうかシミュレーションしておきましょう。
一般事務はもともと求人倍率が極めて低く、多くの候補者で求人を奪う合う構造にあります。そのため、若手人材や派遣人材との競争になります。時短勤務をしている方にとっては不利な戦いになりやすいでしょう。
加えて、昨今の出社回帰の影響をもっとも受けやすい職種といえます。先述の営業や経理、労務などはテレワークを活用できる案件が多い一方で、一般事務は出社頻度が高い求人が多いです。
事務でテレワークを活用できる求人は極めて人気で、時給1,100円の募集でも人材が集まってしまうことも多く、一定の収入を確保したい方にとってはあまり現実的な選択肢とはならないでしょう。
上記で紹介した業種・職種には、子育てしながら正社員で働きやすい共通項が存在します。どんな共通項があるか、ひとつずつ確認していきましょう。
無理なく家庭と仕事を両立できる仕事探しの材料にもなるため、参考にしてみてください。
働く曜日・時間帯があらかじめ決められていて、極端な残業・休日出勤がない場合は子持ちの方でも働きやすいでしょう。特に、園や学校のイベントが入りやすい土曜・日曜および保育園が休みであることが多い祝日が定休日な会社は貴重です。
反対に、シフト制で土日祝日や夜間早朝の勤務が定期的にある仕事の場合、生活リズムの調整に苦労するかもしれません。夫や両親の手を借りるシーンも多くなるため、家族がどんな働き方をしているかも視野に入れておく必要があります。
勤務先が固定で毎日同じオフィスに出勤する仕事であれば、子育て中でも働きやすいです。通勤時間の目安が分かるため、保育園への送迎もしやすいでしょう。同じメンバーと働けるため子育て中であるという事情も分かってもらいやすく、人間関係を構築しやすいというメリットもあります。
そのため、客先常駐型のIT系専門職やアウトサイドセールスなどへ転職を考えている場合は要注意。クライアントの都合第一なので環境の変化が激しく、想定外のことも起きるでしょう。「次の勤務先が自宅から遠く、片道2時間かかるためお迎えに間に合わない」という可能性もあり、フルタイムで働くか時短勤務にするか悩むことも多くなります。
出張が少ないと、家庭に与える影響も少なくなります。限られたプライベートの時間を子どもや家族とじっくり過ごせるため、自分の充実感にも子どもの安心感にもつながります。夫や両親に育児・家事の負担がのしかからず、みんなで協力しながら子育てできる環境が整うのです。
どうしても出張が避けられない場合、事前に頻度を把握しておきましょう。年に1回1泊程度の出張なのか、月に数回2~3泊する必要のある出張なのかによって、負担は大きく変わります。
女性ならでは・ママならではの視点が活きる仕事であれば、自分の経験を活かせます。売上アップなど成果につながれば、キャリアウーマンとして昇進・昇給できる可能性も高いです。
社内でのモデルケースとなるなどキャリアの選択肢も広くなり、「仕事が楽しい!」と感じることも増えるでしょう。あえてママ社員を積極採用している企業も多く、意外と転職の道は広いのです。
また、女性ならでは・ママならではのアイディアを聞かれることは、自分の経験が仕事に活きているという実感を得やすいこともポイントです。家庭と両立させることも大切ですが、自分自身のやりがいもあきらめないよう意識して転職してみましょう。
前職・現職での経験が活かせる仕事を探すと、内定獲得率がグッと上がります。経験があること自体が武器になり、「経験者優遇」「実務経験〇年以上」など条件のある会社であっても応募できるのです。年収の交渉もしやすく、完全未経験からはじめるより好条件で雇ってもらえるかもしれません。
また、経験だけでなく実績をアピールすることも有効です。誰でも分かる客観的な実績があれば「子育て中でも力になってくれそうだ」と判断してもらえるため、より転職活動を有利に進められるでしょう。
フレックスタイム制度・テレワークなど、多様な働き方を歓迎している会社を探すことも効果的です。子どもが3歳以上であっても時短勤務を継続できるなど、個別に働き方を相談できる場合はさらに子育てと両立させやすくなります。
子育ての有無にかかわらず多くの人が柔軟な働き方をしている場合、「自分だけ配慮してもらって申し訳ない」という後ろめたさも感じなくて済みそうですね。
パフォーマンスが高く仕事ができる人を優先して評価する会社では、「子育て中」「病気療養中」などのステータスに関係なく平等に接してくれます。マミートラックに突入することなくキャリア形成できる可能性も高く、どんどん出世していける可能性もあるでしょう。
また、その日やるべき仕事が終わってさえいれば早めに帰れるなど、勤怠・労務管理面でも柔軟なことが多いです。「働く時間ではなく成果を見てほしい!」という人ほど、相性のよい会社だと言えるでしょう。
従業員規模が300名以下など、大企業でない会社を狙うこともおすすめです。誰もが知る大手企業は入社して1年経たないと時短勤務にできないなど、過去制定した就業規則によって制約が設けられている場合が多いです。
転職してすぐに時短勤務できるか、新卒社員だけでなく中途社員にも優しい就業規則になっているかなど、事前に確認しておくことをおすすめします。100名以下の中小企業であれば、就業規則改定のハードルが低く、柔軟に対応してもらいやすいこともメリットです。
最後に、正社員として働きやすい会社に転職する方法を紹介します。子育て中だからといってあきらめることなく、自分の理想に近い会社探しをしてみましょう。
経験・スキル・実績など、自分の強みを活かせる会社を探すことが近道です。ワーママでも理想的な転職をしている人は多いですが、保育園の送迎・子どもの看病・運動会などイベントごとが多いため、どうしても不利になりがちです。一見足かせのように見える「子持ち」を払拭するためには、自分の強みとなる武器をアピールすることをおすすめします。
WEBエンジニア・WEBデザイナーなどは、知識や経験により内定率が大きく左右されます。営業やマーケターなどは、過去の成果が高い人から優先的に採用する傾向にあることも知っておきましょう。過去の経験を棚卸しして、自分なりの強みを見つけることが第一報です。
転職エージェントのなかには、ワーママに特化したサポートを展開しているエージェントが存在します。子持ちの女性であっても正社員で働ける会社を優先的に紹介してくれたり、都合や理想に合わせて企業選びを手伝ったりしてくれるため、転職期間の短縮につながります。
また、会社情報を徹底的に調べてから応募・選考に進めるため入社後のミスマッチも少なく、子どもが小中学生になってからも長く働ける環境づくりができるでしょう。「転職に失敗したくない!」「自分ひとりでは正社員転職のハードルが高い!」と感じる人ほど、ワーママ特化型の転職エージェントへ相談してみることをおすすめします。
子育てしながら正社員転職するのは、一見ハードルが高いことのように感じられます。しかし、自分の経験・スキル・実績に合った働きやすい会社を選ぶことができれば、理想的な転職ができるかもしれません。
リアルミーキャリアでは、子育て中でも正社員にこだわって働きたい人のサポートをしています。本当に転職しようか迷っている方も、まずはお気軽にご相談ください。
ワーママ専門の転職エージェント「リアルミーキャリア」では、入社すぐから時短勤務・フレックスタイム制度・リモートワーク可能な正社員の求人をご紹介しています。リモートワークやフレックス制度の根付いている時短勤務の求人も増えてきていることから、育休復帰後の配置転換や職場の雰囲気に悩むママからの相談も多数寄せられています。お気軽にご相談ください。
有給休暇の日数や残業の有無・時短勤務可能な子供の年齢、リモート勤務の可否など、細かい条件をあなたに代わって企業に確認します。子育てに理解のある会社で家庭も仕事も充実させませんか。