同じ時短正社員転職を目指す場合でも、実は業種・職種により転職しやすさが違うことをご存知でしょうか。
時短勤務を始めとする柔軟な働き方に積極的な業種や、労働時間ではなくパフォーマンスで評価する傾向の強い職種であれば、時短勤務でも転職しやすくなります。
反対に、時間・場所の制約が多い仕事の場合、時短勤務には向かないので注意しましょう。
今回は、時短正社員で転職しやすい業種・職種を紹介します。
記事後半では時短正社員に向いている仕事(会社)の共通点にも触れるので、ご参考ください。
もくじ
早速、時短正社員で転職しやすい業界から紹介します。
最も時短正社員で転職しやすいのは、IT業界と人材業界です。
IT業界はベンチャーやスタートアップなど若い企業が多く、働き方への考え方が柔軟です。
また、厚生労働省の調査からも、情報通信業の年間休日数は多く(5ページ目)、有給取得日数も多く(6ページ目)、フレックスタイム制の導入率も高い(8ページ目)ことがわかります。国土交通省の調査からも情報通信業はテレワーク実施率が高いことがわかります。
ワーママ以外にも時短勤務している人がいたり、テレワークやフレックスタイム制を最大限活用していたりするので、仕事と家庭の両立がしやすいでしょう。
なかには子どもが3歳を超えても時短勤務申請ができるなど、独自の制度を設ける企業も増えています。
人材業界もオンライン化が進んでおり、営業の商談や社内の打ち合わせもオンラインをフル活用するのが当たり前になってきました。
どちらの業界もニーズの多様化に伴って人手不足が深刻化しつつあるため、採用にも積極的です。
高いパフォーマンスを発揮してくれる人には時短勤務でも高評価を与えることも多く、やりがいにつながります。
IT業界・人材業界に次いで時短正社員転職しやすいのが、小売業界・士業・コンサルティング業界です。
小売のなかでも、化粧品やアパレルなど特に女性比率の高い企業の場合、働き方について配慮されているケースがあります。
時短勤務している人が多かったり、パートやアルバイトも含め多様な人材が働いていたりするので「時短勤務している人はレア」という状況になりません。
ただし、小売業界の現場は土日祝日の勤務が欠かせないことも多く、シフト制で夜の勤務も求められるのが難点です。管理部門やマーケティングなど本部職であれば、平日日中に集中して働ける確率が上がります。
士業は会計事務所や税理士事務所、社労士事務所になります。経理や労務経験者は女性が多いということもあり、時短勤務やパートを積極的に受け入れています。
メーカーや建設・不動産は時短正社員転職しにくい可能性が高いので、注意しましょう。
例えばメーカーの場合、工場の稼働時間や取引先の資材搬入時間に合わせて働く必要があるため、時間の制約が多くなります。営業職は出張もあり、家を空ける時間が長くなるため家族・親戚の協力が必須です。
建設・不動産も同様に、時間で働くことが多いので注意しましょう。
BtoCの不動産業界であれば土日祝日のカウンター勤務が必要など、スケジュール面でのミスマッチが起きる可能性も高いです。サービス業や小売の現場、飲食業界も同様でしょう。
いずれの業界にも時短勤務している人はいますが、転職の場合は入社後無理なく働けるか、しっかりシミュレーションしておくことが欠かせません。
次に、時短正社員で転職しやすい職種を解説します。
営業職は求人数が圧倒的に多く、その分時短勤務希望者にもチャンスがあります。
近年は外回りの要らないインサイドセールスやオンライン営業なども増えているので、テレワーク比率が上がりました。
高い成果を上げればインセンティブ給がつくなど報酬面でのメリットも多く、時短勤務でもしっかり稼げます。
成果をもとに他業界の営業職として転職することもできるので、年齢とともにキャリアアップしたい人の選択肢としてもおすすめです。
ただし、働き方の柔軟性は企業ごとに異なります。
クライアント第一で「客から呼び出されたらいつでも出向く必要がある」というスタイルの企業もあるので、事前に確認しておきましょう。
ITエンジニアやプロジェクトマネージャーも、求人数が圧倒的に多く転職市場が活性化しています。
近年急速に進んだIT化・DX化・AI化の影響を受けてエンジニアは慢性的な人手不足に陥っているため、テレワークなど働きやすさを上げて採用力を高めようとする企業が増えました。
そのため通勤時間の短縮や隙間家事とも相性が良く、家庭との両立もしやすくなっています。
ただし、客先常駐など出勤が欠かせず環境変化も多い働き方をするITエンジニアも多いので、転職前にチェックしておく必要があります。
Webマーケターも比較的時間と場所を選ばず働ける職種であり、求人数も多めです。
結果が数字で出るため定量評価しやすく、高い成果を上げればその分昇進・昇給を目指しやすくなるのもメリットです。
IT業界のWebマーケターなど、時短勤務しやすい業界と組み合わせればさらに柔軟な働き方ができるかもしれません。
Webデザイナーも内勤中心で働き方の柔軟性が高く、打ち合わせのオンライン化が進んでいます。
制作会社や広告代理店などクライアントのニーズに沿ってデザインする職種も、インハウスデザイナーなど自社のデザインを担当する職種もあり、働き方も多様です。
スキル・経験・実績を積んでフリーランスに転身する人も多く、多彩なキャリアパスを考えておきたい方にも向いています。
経理・人事・総務・労務・法務など、バックオフィス部門も時短勤務しやすい職種として有名です。
どの業種でも必ず必要な業種なので安定して求人が出ており、チャンスも多いでしょう。
近年は新型コロナウイルスの影響によりDX化が進んだため、テレワークでも勤務できるバックオフィス職が増えました。
専門知識を身につけて実務経験を積んでいけば他業界への転職もしやすく、長期的な目線でキャリア形成できるのもポイントです。
時短正社員転職しにくい職種として、一般事務やカスタマーサポート・コールセンターが挙げられます。
一般事務は庶務業務を担当することが多く、特別なスキルを必要としない割合が高いです。
未経験でもチャレンジしやすいからこそ倍率が高く、厳しい奪い合いになるかもしれません。
そのためフルタイムで働ける人が優先されやすくなるので、どうしても時短勤務希望者には向かないことが多いのです。
カスタマーサポートやコールセンターも対応時間の縛りがあり、指定時間・曜日に必ず勤務する必要が出てきます。
退勤直前に大きなクレームにつかまってしまうなど予測できない業務も多いので、保育園へのお迎えがギリギリになる可能性があるかもしれません。
ここでは、時短正社員に向いている仕事や会社の共通点を解説します。
無理なく家庭と仕事を両立できる仕事探しの材料にもなるため、参考にしてみてください。
就業曜日や時間が固定の仕事は時短勤務に最適です。
あらかじめスケジュールに見通しを立てることができ、プライベートの予定を立てやすくなります。
特に園や学校のイベントが入りやすい土日や、子どもの預け先が見つかりにくい祝日が固定休の仕事であれば、無理なく家庭と両立できます。
反対に、シフト制で土日祝日や夜間の出勤が求められる仕事の場合、家族での協力が欠かせません。
生活リズムの調整にも苦労するケースが多く、時短勤務もしにくいので注意しましょう。
客先常駐や転勤を伴う異動がなく、勤務先が固定の仕事もおすすめです。
「今は無理なく通勤できているけれど、次の勤務先が家から片道2時間かかる」などの無理も生じません。
また、通勤時間が変わらないので保育園への送迎時間も安定します。
同じメンバーと働けるので、上司・同僚と時間をかけて関係性を構築し、いざというときに頼りやすい雰囲気を作れることもメリットのひとつです。
時間や場所に依存せず働ける仕事であれば、テレワークできる可能性が高くなります。
テレワークで通勤時間をゼロにできれば、その分働ける時間が長くなり、多くの給料を稼げます。
または少し時間に余裕を持ってお迎えにいくなど、プライベートの充実に使う方法もあるでしょう。
会社によっては日によってフレックスタイム制を使えたり、コワーキングスペースでの就労を許可していたりするケースもあります。
出張の少ない仕事であれば家族・親戚との予定調整をすることなく、子どもとじっくり過ごす時間を確保できます。
もし出張がある場合でも、年に1度の1泊程度なのか、月に数回2~3泊必要なのかによって負担が大幅に異なります。
入社直後は出張が少なくても、勤続年数や役職に伴ってどんどん頻度が増えていく可能性もあるので、事前に先輩社員の働き方をチェックしておくとよいでしょう。
過去の経験やスキルを活かせる仕事に応募することで、時短勤務でも即戦力として評価してもらえます。
関連業務の担当経験があること自体がアドバンテージであり、「経験者優遇」「実務経験〇年以上」などの求人に応募できるようになるため、選択肢が各段に広がります。
場合によっては前職を超える年収を提示してもらえるなど、報酬面でのメリットも高くなるでしょう。
特別な事情がなければ、過去に経験のある業種・職種や共通点の多い仕事への転職を検討するのがおすすめです。
女性向けのITソリューションを開発している会社や、ママ向けのサービスを手掛ける会社であれば、視点を活かしながら働けます。
積極的にアイディアを出すなど熱意を示せば、昇進・昇給できる可能性もたかいでしょう。
社内のロールモデルとなり、キャリアアップする道も拓けます。
女性社員やママ社員を積極採用している企業も多いので、自分にとって興味のある会社を優先的に見ていくのもおすすめです。
時短正社員を目指して転職活動する場合、下記のポイントを抑えておきましょう。
効率よく転職活動しつつ後悔のない入社先を選ぶため、ご参考ください。
時短正社員特化型の転職エージェントには、その名の通り時短正社員求人が多く集まります。
「入社直後から時短勤務できる」「子どもが3歳を超えても時短勤務できる」などメリットのある求人が掲載されているので、使わない手はありません。
在籍しているキャリアアドバイザーも時短勤務に理解があり、ワークライフバランスの充実を最大限応援してくれます。
総合型の転職エージェントと同じく、履歴書・職務経歴書の添削や選考対策は万全に実施してくれるので、初めて転職する方でも安心です。
採用市場のトレンドや働きやすい業種・職種の情報もつかみながら、理想に近い会社から優先的に応募していきましょう。
転職市場における自分の価値を可視化しておけば、内定が出る可能性の高い会社がわかります。
基本的に市場価値は「業種・職種」「過去の経験・実績」「年齢」で決まることが多いです。
例えばIT業界のWebマーケターとして5年勤務した経験があり大規模プロジェクトにかかわってきた人は、同じWebマーケターとして転職する際に好待遇を提示してもらえる可能性が高くなります。
選考通過率も高いので、転職活動を早期に完了させられるメリットも出てくるでしょう。
まずは業界・職種ごとの市場価値を客観的に理解し、背伸びした転職活動にしすぎないよう対策していくことがおすすめです。
一見すると完全未経験の業種に飛び込むメリットがないように感じられるかもしれませんが、恐れずチャレンジして問題ありません。
転職市場において重宝されるのは、業種経験ではなく職種経験と言われています。
例えば同じメーカー業界であっても工場勤務と経理とでは全く仕事内容が異なり、「メーカー勤務歴が長いから」といって必ずしも即戦力になれるとは限りません。
反対に、経理職経験の長い人であれば、業種が違っても職種さえ同じ「経理」であれば知識を活かせる可能性が高いでしょう。
業務内容での共通点が多ければ未経験業種でも内定につながることが多く、思わぬ選択肢になるかもしれません。
完全未経験の職種に転職することもできますが、キャリアダウンにつながることが珍しくないので注意しましょう。
実務経験のない人に高い報酬を出す企業はほとんどなく、場合によっては前職以下の年収になってしまいます。
キャリアも1からのスタートとなるので、期待する報酬レベルにまで引き上げるため数年単位の時間がかかるかもしれません。
また、時短勤務であればなおさら採用の可能性が下がってしまうので、経験のある職種での転職を第一に考えた方がよいでしょう。
最後に、時短正社員特化型の転職エージェントを使うメリットについて、改めて解説します。
忙しい合間を縫って転職活動する必要があるからこそ、プロの力を借りて効率的に進めていきましょう。
時短正社員転職ならではの選考対策は、時短正社員特化型の転職エージェントに強みがあります。
なぜ時短勤務したいのか、志望動機をどう伝えるのかなど、細かな相談に乗ってくれるのもポイントです。
特に時短正社員転職の場合、働きやすさや家庭との両立だけが志望動機になってしまいがち。
しかし実際に企業が求めているのは「成果を出してくれる人材」であり、時短勤務はあくまでも優秀な人材を集める要素のひとつでしかありません。
そのため、転職エージェントの力を借りながら自分が貢献できるポイントを伝えていくのが近道です。
時短正社員特化型の転職エージェントには、時短正社員として転職した人の成功事例が集まっています。
どんな転職活動をして内定を得たのか、自分と似たような職歴の人は今どこで働いているのかなど、詳しく聞いてみましょう。
また、反対に苦労したポイントを聞きながら、早めの対策をすることも可能です。
転職活動のやり方はひとりひとり異なりますが、自分に役立ちそうな情報があれば積極的に参考にしていくことが大切です。
業種・職種別の採用トレンドを教えてもらえるので、思わぬ発見があるかもしれません。
「〇〇業界は求人数が多い」「〇〇職で今の年齢であれば適正年収は〇万円」などの情報が多数揃っているので、転職活動の軸も見つけやすくなります。
既に希望する業種・職種が決まっているのであればあらかじめ情報収集しておき、選考に役立てていきましょう。
時短正社員として働きやすい業種・職種であれば、内定の可能性を上げられます。
消耗戦での転職活動になりにくく、短期間で納得できる転職先が見つかるかもしれません。
また、年収や待遇面での妥協もしなくて済み、理想的な職場探しになる可能性も高いです。
リアルミーキャリアは、時短正社員特化型の転職エージェントです。
「どんな業種・職種に転職すべきか迷っている」「転職したい業界における市場価値を知りたい」などどんな相談も受け付けていますので、お困りの方はお気軽にご相談ください。