育休復帰を控え、「本当に私は元のように働けるのだろうか…」と不安に思っている方はいませんか?
独身時代や子どもいない時代と比べて働き方が変わりやすいのが育休復帰のタイミングであり、ブランクもあるからこそ不安に感じるかもしれません。
今回は、育休復帰が不安なときに実行すべきことをお伝えします。
「考えれば考えるほど不安になってしまう」という方は、ぜひご参考ください。
もくじ
育休復帰が不安な理由は、主に「子ども関係の不安」と「働き方への不安」とに分かれます。
下記で細分化しながら紹介するので、まずは不安の原因を見つけていきましょう。
まずは、子ども関係の不安をピックアップします。
復職することで子どもにマイナスの影響を与えてしまうのが心配、という方も多いので、まずはどのようなことが考えられるか探っていきましょう。
待機児童問題の深刻さが叫ばれている昨今でも、まだまだ保育園数や受け入れ人数が限られている地域は多いものです。
「そもそも保育園が決まらないと復職できない」と気持ちが焦ってしまう家庭も多いでしょう。
市役所の保育課に相談しても根本的な解決ができず、認可外保育園も視野に入れながら保活に奔走するケースもあります。
基本的に、保育園が決まらない場合は育休の延長が可能です。
最大で子どもが3歳になるまで育休を取得できるので、場合によっては延長申請しながら空き枠が出やすい「4月入園」を狙ってみましょう。
また、復職を急ぐ場合は0歳入園を狙ったり、申請範囲を広げたりするのもおすすめです。
めでたく保育園が決まったものの、第一希望の園ではなく不安が膨らんでしまうこともあります。
第一希望ではないということは「妥協して入園する」ということでもあり、保育体制や園の設備が問題ないか気になってしまうケースもあるでしょう。
もちろん、入園してみたら思った以上に環境がよく、大満足で卒園を迎えたということも少なくありません。
どうしても不安が消えない場合、あらかじめ不安に感じるポイントを書き出し、入園説明会のタイミングで対策を聞いておくのが安心です。
育休中に支援センターに出向いて地域のママ友を作り、保育園の実情を聞きながら気持ちの準備をする方法もあります。
「親子にとって初めての母子分離が保育園だった」という家庭は意外と多く、親と離れる不安で大泣きしてしまう子がいます。
必要な通過儀礼だと頭ではわかっていても、泣いて抱っこをせがむ子どもを引き離して仕事に向かうのは忍びなくなるかもしれません。
「まだ哺乳瓶に慣れていない」「人見知りが激しい」「音や温度の変化に敏感」「発育が遅れ気味」など、不安のある子であればなおさら保育園へ預けるのが不安になります。
不安なことはあらかじめ先生に伝え、問題ないのか対策すべきなのかを聞きましょう。
保育のプロである先生であれば、少しずつ子どもが慣れるよう力になってくれます。
これまであまり体調を崩さなかった子でも、集団生活の始まりと共に頻繁に風邪をひいてしまうことがあります。
近年は新型コロナウイルスなど新たな不安も出ているので、普段以上に保育園の先生も敏感です。
「咳や鼻水が出ているのであればお預かりできません」と言われたり、「解熱しても24時間は様子を見てください」と指示されたりすることもあります。
保育中に体調が急変しないよう必要なことだとわかっていても、有給の残日数や業務の進み具合を見てはらはらすることもあるでしょう。
なかには夫婦どちらが会社を休むかで喧嘩してしまったり、高額な病児対応ベビーシッターを手配しなくてはいけなくなったりするケースもあります。
あらかじめ夫婦で話し合っておくなど、対策する必要がありそうです。
子どもの体調不良時など、困ったときに頼れる相手がいないのも不安の要因となります。
夫が多忙でほとんど家にいない場合、家事・育児を分担できる相手がいません。
両親が遠方に住んでいたり現役で仕事をしていたりすると、気軽に頼ることができずひとりで子育てしているような気持ちになってしまいがちです。
また、「保育園の先生や市区町村の窓口にどの程度頼っていいかわからない」と感じる方もいるでしょう。
引っ越したばかりでママ友がいなかったり、元から仲のいい地元の友人がみんな独身だったり、気持ちを共有できる人がいないときも要注意です。
周りに「早いうちから保育園に預けるなんてかわいそう」「子どもに無理させる働き方をしてはいけないよ」と言われる機会があると、一気に不安になってしまうものです。
子どものことが大好きだからこそ、子どもに負担をかけたくない、と復帰を躊躇う気持ちも出てきます。
とはいえ、保育園に預けることや親が働くことは、子どもにとって一切かわいそうなことではありません。
家ではできない遊びを早い段階から楽しめたり、低年齢のうちから人との関わりに親しめたり、保育園ならではの良さもあります。
考え方は人それぞれなので無理して預けずともよいですが、育休復帰に夫婦が納得しているのであれば必要以上に周りの意見に左右されなくてよいでしょう。
育休復帰が不安なのは、働き方など職場への不安が原因であるケースも多いです。
下記で代表例を紹介するので、自分に該当する項目がないかチェックしてみましょう。
ロールモデルとなるママ社員が社内にいない場合、「ママが働く姿」のイメージができないかもしれません。
独身時代と変わらずバリバリ働けるものなのか、子どもの体調不良などで頻繁に仕事に穴を開けてしまうのか、およそのイメージもつかず不安になることもあるでしょう。
会社に相談相手がおらず、自分に合った働き方を模索できない点もデメリットです。
特に、出産後の女性社員が次々に辞めてしまっている会社であれば、さらに不安が募ります。
育休復帰後の働き方がどうなるか、事前に上司と相談しておきましょう。
育休中に社内体制が大きく変更している場合、ブランク中にいわゆる「浦島太郎」状態になってしまう可能性があります。
新しい社内システムに慣れずミスを連発してしまわないか、古い知識のまま仕事をして周りに迷惑をかけないか、悪い想像ばかり膨らんでしまうこともあるでしょう。
それでも「勝手知ったる経験者」として扱われるので、プレッシャーを感じることもありそうです。
事前の復職面談を申し出たり先輩社員とのランチ会に出向いたり、職場に関する情報収集の場を設けるのがおすすめです。
とはいえ育休中なので、ある程度のことは復職後に質問すればよいと割り切り、最低限の準備だけに留める方法もあります。
育休復帰後に配置転換や異動が予想される場合、仕事内容が不透明で居ても立っても居られなくなるかもしれません。
特に配属地が変わる場合は通勤時間も変わってしまい、保育園の送迎や終業後の家事・育児への影響が懸念されます。
「通勤時間次第ではフルタイムではなく時短勤務にしなくてはいけない」という場合、なおさら人事通達が待ち遠しく、働き方が定まらない不安を抱えることになるでしょう。
あらかじめ配属部署・配属地の希望を出せればよいですが、100%希望が叶うとは限りません。
あらゆるパターンを想定し、シミュレーションしておきましょう。
育休復帰後に十分な給与を稼げるか分からず、家計への不安を感じることも多いです。
フルタイムであればこれまで通りの給与になると予想できますが、残業・休日出勤ができないことで手当が減額されたり賞与に影響したりする可能性があります。
時短勤務の場合、労働条件変更通知書が届くまで正確な給与がわからず、また控除額などの計算も複雑なので「手取り額が見えない」という不安を抱えることになります。
また、ワーママでもキャリアアップによる昇進・昇格が期待できるかなど、これまでとは異なるキャリアへの不安も出てきます。
社内にロールモデルがいる場合は、あらかじめ質問してみてもよさそうです。
時短勤務を希望していても、本当に取得できるとは限りません。
「子どもが3歳以下の人から希望があれば必ず時短勤務を取得させる」と法律で決まっているものの、理解のない会社では遠まわしにフルタイムでも復職を迫られるケースもあるようです。
また、育休復帰に合わせて時短勤務にしたはずなのに、フルタイム時と変わらぬ仕事量を命じられたり残業が続いたり、実質的な時短勤務ができないこともあります。
会社の環境や上司の考えに依存する部分が大きいので、あらかじめ社内体制を確認しておきましょう。
あらかじめ理想のキャリアプランを掲げている方ほど、育休復帰後に不安を感じるケースが多いです。
例えば「30代のうちに課長になりたい」という当初の夢が、果たしてワーママになってから叶えられるかわからないこともあります。
理想と現実のギャップが大きくなりすぎないか不安に感じ、復職を焦るような気持ちに襲われるかもしれません。
これも、会社による差異が大きいので要注意です。
時短勤務をしていると実質的に昇進・昇格のテーブルに乗れない会社もあれば、労働時間にかかわらず正当に評価してキャリアアップできる会社もあります。
ここからは、育休復帰が不安なときに実行すべきことを解説します。
前項と同じく「子ども関係の不安」と「働き方への不安」とに分けるので、それぞれの対処法をチェックしてみましょう。
まずは子ども関係の不安に関する対処法です。
子どもに負担がかからないようにしつつ、家事とのバランスを取るための手法を探りましょう。
第一に、徹底した保活を始めます。
子どもの預け先を確保できないと育休復帰もできないので、まずは保育園の入園通知を受け取ることが先決です。
市区町村によっては、役所の保育課で細かな情報を入手できる可能性があるので聞いてみましょう。
入園審査に必要な点数の計算は市区町村により異なるので、まずは自分の家族が何点なのか試算することが重要です。
そのうえで、どの園に毎年何人応募しているか、去年合格した(もしくは不合格だった)家庭が何点だったのか、保育士の人数や年齢ごとの在籍人数などを調査します。
気になった保育園があれば見学に出向き、教室の広さ・施設の充実度合い・細かなルールなどを確認するのが大切です。
場合によっては認可外保育園も視野に入れ、選択肢を広げていきましょう。
育休中に病児保育(もしくは病後児保育)に登録し、万が一の体調不良に備えるのもおすすめです。
市区町村によっては病児保育の登録をするため保健センターに出向いたり子どもとの面談を経たりする必要があるので、比較的時間に余裕のある育休中に済ませるのがベストです。
また、ファミサポや民間のベビーシッターに登録し、体調不良時以外にも頼れる先を確保しておくのもよいでしょう。
実際に利用するかどうかは、復職後に決めれば問題ありません。
「緊急のときに頼れる先がある」というのは、心理的な安心にもつながります。
家事代行を利用しておき、育休から復帰して職場に慣れるまでの間サポートしてもらう方法もあります。
育休復帰後に家事代行会社を選ぶこともできますが、忙しい日々のなか複数の会社を比較・検討し、お試しから始めるのは意外とストレスがかかります。
育休中に何度か試しておけば信頼できる担当者が見つかり、復帰後すぐフルサポートしてもらえる可能性が高まるので検討しておきましょう。
同じく、ネットスーパー・生協・ミールキットのお試しや時短家電の導入を進めておくのもおすすめです。
時短できる部分は時短し、こだわりたいポイントにはこだわれるよう時間を有効活用していきましょう。
あらかじめ夫や親戚との協力体制をつくっておくのもポイントです。
「この日は絶対に早く会社に行きたい」「この日は少し早く帰れそう」など、夫婦のスケジュールを共有しておきましょう。
食事づくり・洗濯・掃除などの役割分担をして負担を分散したり、保育園への送迎担当を決めたりするのもおすすめです。
また、両親が近くにいるのであれば、何曜日だったら頼れそうか聞いておく方法もあります。
両親が忙しい場合でも、特定の日だけ保育園の送迎を頼めたり、食材の買い出しに行っている間にお風呂だけ済ませてもらったり、ピンポイントで協力してもらえるかもしれません。
相手の生活に支障が出ないよう配慮しつつ、依頼できる部分は依頼していきましょう。
職場環境や働き方に不安がある場合、育休復帰前に下記の対策を検討しておきましょう。
復帰後は子どもの生活リズムづくりや仕事への慣れを考えるだけで手一杯になるケースも多いので、早めの対策が必須です。
社内体制をリサーチし、あらかじめ準備すべき項目がないか調べます。
例えば社内システムが大幅に変わっている場合、先にマニュアルだけでも目を通しておき復帰をスムーズにする方法があります。
また、「子どもが何歳になるまで時短勤務できるか」「時短勤務向けの人事評価制度があるか」など基本のルールを確認するのもよいでしょう。
人事異動を控えている場合、通達が出る時期を聞いておき、内容次第ですぐに動けるようにする方法もあります。
既にワーママとして復帰している先輩社員がいれば、復帰前後で感じたギャップを聞いておくのもおすすめです。
仕事と家事・育児のバランスが不安な場合、時短勤務にすることも選択肢に加えましょう。
時短勤務であれば、正社員としてのポジションを守ったまま自分の都合に合わせて労働時間を決められます。
無理なく保育園のお迎えに行けたり平日に習い事ができたり、さまざまなメリットが得られます。
できれば復職面談より前の段階で時短勤務で復職したい旨を伝え、給与のシミュレーションをしておきましょう。
前項でもお伝えしたような時短勤務者向けの人事評価制度に関する情報などを仕入れ、フルタイムにすべきか時短勤務にすべきか検討するのもおすすめです。
どう対処しても不安が解消できない場合、働きやすい会社に転職するのもひとつの方法です。
ワーママが働きやすいかどうかは、まだまだ会社ごとの環境に依存する部分が大きいです。
パパ社員・ママ社員が多くお互いに助け合うのが当たり前になっている会社と、「任せられた仕事は何が何でも自分で完了すべき」という風潮の会社とでは、働きやすさは大きく異なります。
また、時短勤務できる期限・時短勤務向けの人事評価制度の有無・福利厚生なども会社により異なるので、一度外に目を向けてみてはいかがでしょうか。
「復職せず転職するのはマナー違反」と感じる方が多いかもしれませんが、実はルールで明確に決められていることではありません。
職業選択の自由が認められている通り、労働者は自由なタイミングで退職できます。
育休取得の有無に関わらず誰にでも適用されるので、どうしても育休復帰のイメージができなければ転職を検討してもよいでしょう。
なかには、テレワークやフレックスタイム制度など環境が整っている会社も多いものです。
転職時にはあらかじめ求人要綱に仕事内容・勤務地・会社情報などが掲載されているので、どんな仕事が想像できることもメリットです。
時短勤務できる期限が3歳まで、などあらかじめ決まっているのであれば尚更早めに転職し、後々の環境変化を少なくした方がよいケースもあります。
ワーママ転職エージェントもあるので、どうしても不安な方は相談してみましょう。
育休復帰には不安がつきものであり、不安に感じること自体は全く悪くありません。
ただし、不安を放置したままだと復職してから困ることもあるので、早めに対処しておきましょう。
今の会社で復職後に活躍できるイメージができなければ、早めの転職を検討するのもおすすめです。
業務を引き継ぐ必要がなくすぐに就労環境を整えられるので、意外と有効な手段かもしれません。